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2005年9月14日

「LAST」 石田衣良

先日宣言したように、私は今週末から待ちに待った夏休みをめでたく迎える予定です。
アジアンリゾート好きである私たちの今回の行き先は、ベトナムのリゾート、ニャチャン。そこに去年出来たばっかりのリゾートホテルでのんびりするのです。ああ楽しみ。そう思えば、度重なる緊急オペだって、当直だって苦じゃないわっ(本当はやっぱり苦です・・・)

と、なんで本の話をする前に関係なさげな個人的夏休み自慢をしていたかというと。
先日買ったこの小説に、偶然にも旅の目的地であるニャチャンが出てくるからです。

この本は、とことんまで追いつめられた人々の最後の選択や行動を描いた短編集です。その多くが消費者金融でドツボにはまった人のお話。全体的に暗い気持ちになること受けあいです。
さて問題のお話は、いくつか書評を見た中でも抜群に読後感が悪いと評判の「ラストシュート」。東南アジアでの幼児売春を題材にした物語なのですが、何せ主役は医者です。優秀で手術手技にかけては(自称)日本でも5本の指に入る心臓外科医なのに、普通の成人女性を愛することが出来ないという設定です。
まぁ同業者的には、病院勤務の心臓外科医が3ヶ月毎にベトナムへ行けるわけないじゃん、とか、わざわざ海外へメス持っていって手術トレーニングするわけないでしょ、とかツッコミどころはあるわけですが。
しかしやはり私の純真な夏休みへの希望に軽く影を落としてくれたことは否めませんね・・・

本じたいは、文庫だったら買って損は無いと思います。中には一応「救い」がある話もありますから。救いようのないお話も個人的には好きですけどね。
さあ、旅行中に何を読むか検討しなくちゃ。

LAST (ラスト)