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2006年3月 2日

県立大野病院産科休診。

 大熊町の県立大野病院の産婦人科医が医療過誤で逮捕された事件を受け、同病院は1日までに、産婦人科を11日から休診とすることを決めた。
 病院によると、先月18日に医師が逮捕されて以降、県立福島医大の複数の医師が1―2日交代の非常勤体制で診療に当たってきたが、医大側から「医師不足のためやりくりができず、これ以上の派遣継続は難しい」との連絡があったという。

関連→S.Y.’s Blog

大野病院にかかる代名詞が「医療ミスの」ってのがまたすごいですが・・・。
地域の方々には申し訳ないですけど、新たに医師を派遣してまた一人医長で診療続行、という話にならなくて良かった、というのが正直な感想です。

しかしやはり、住民の方々からは産科再開の要望が上がるかも知れませんね。もしかしたら、他の多くの地域のように署名運動などが起こるかも・・・。

最近、日本中の各地で産科の休止が相次ぎ、近隣でお産が出来なくなった地域で署名運動などの住民運動が行われていることが頻繁に報道されています。
それらの多くで使われる言葉が、「安全なお産のために」「安心してお産をしたい」。
でも、産科医がたった一人の状況で、安全・安心なお産が出来るはずは無いです。そんなものはただの幻想です。
三井病院のホームページで、院長のメッセージとしてこう書かれています。

分娩時に何が恐ろしいかというと、分娩後の出血です。もしその場に医師が居合わせず、きちんとした処置をしないと30分で母体死亡を起します。アメリカではすでに一人の医師では妊娠の管理までは行えますが、分娩を扱うことは許されていません。必ず契約した病院で複数の医師のもとで行わねばなりません。外科も同様です。

大野病院事故報告書を読みました。
ここに書かれていることが本当なら、この医師はベストを尽くしたと思います。当初、はさみで胎盤をはがそうとしたことだけが強調されたので、もしかしたらそれはダメかなと思いましたが、全体の流れで考えると、それは仕方がなかったことかも知れません。私が同じ立場に立ったとき、これ以上のことが出来る自信は全くありません。
マンパワーと輸血が十分な病院では助かったかも知れませんが、そこでも不幸な結果になった可能性は十分にあると思います。
母体が亡くなったのはたいへん気の毒なことだと思いますが、この医師の責任とはやはり思えないのです。

近隣住民の方々が産科再開をのぞまれるのなら、もう一人医長だけはやめてあげて下さい。
どんなに産科医の首をすげかえても(そんなに沢山居ませんが)、一人医長で続ける限り、そのうちまた不幸なことが起こると思います。患者さんにとっても、医師にとっても。

追加。もしマスコミ関係の方がこのブログをご覧になっているようなら、是非、この産科医逮捕について多くの産科医が疑問に感じているということを報道して下さい。これは慈恵医大青砥病院の事故とは全く違うものです。身内びいきなどではありません。そして、このような出来事が、今後の産科医不足に拍車をかけることは間違いないと思います。

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» [記事][医療]例の県の事情その後 送信元 S.Y.’s Blog
[http://www.fukushima-minpo.co.jp/news/kennai/20060302/kennai-20060302095531.... [詳しくはこちら]

コメント

>もう一人医長だけはやめてあげて下さい。
 
 聞いた話ですが、県内の一人医長は撤退させるみたいですよ。ちょっと安心しました。地域の人には不便をかけますが、安全のためには仕方ないと思います。

 感じの良いブロクですね。
 一気読みしてしまいました。
 また、訪れます。
 

引用された文章は三井記念病院ではなくて、三井病院のようですね。

コメントありがとうございます。
>mimiさん
そのようですね。南会津のみ二人にして残すと。教授もちゃんと考えてくれたんですね。良かったです。

>Rockyさん
すいません。間違えました。
ありがとうございます。