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2006年3月 6日

漫画のように上手くいけばいいのにねぇ。

福島県の産婦人科医逮捕事件に関連して、神奈川県産婦人科医会が抗議声明を出しましたね。結構強めの論調ですね。でも、かっこいいです、神奈川県産婦人科医会。思わず神奈川県の病院に転職しようかと思ってしまったくらいです。
しかしあの横浜ですら深刻な産婦人科医不足が問題になっており、神奈川も大変なんですよね。

それはさておき。
最初にこの話を読んだときに「何だこりゃ!」と思ったものの、でもまあ漫画のことに目くじら立ててもね・・・と思っていたものなのですが。ちょっとタイムリーな部分が数カ所あることもあり、また医者の見方と一般の方の見方はかくも違う物なのか・・・という一つの例示として出したいと思います。

さて。「Dr.コトー診療所」にも前置胎盤の話が出てくるのを知っていますか。
10巻の109話。定年を迎える郵便屋さんが主人公のお話です。

Dr.コトー診療所 (1) Dr.コトー診療所 (10)

郵便屋さんが配達の途中に、事故を起こして動けなくなった妊婦さんを発見し、自転車で診療所に運ぶ、という話なのですが。診療所に着いてからのコトー先生と星野さんの会話。
「子宮口は全開してる」「でもこの出血は異常です」
「胎盤が子宮口にかかってるんだ。」
なんとここで初めて前置胎盤(たぶん部分前置胎盤ですかね)の診断です。遅っ。しかもこの妊婦さんは、1巻で子癇発作を起こして緊急帝王切開を行ったハイリスク妊婦。島で検診してるのが不思議なくらいです。前回帝王切開の前置胎盤・・・どこかで聞いたキーワードですが、作中には癒着胎盤のゆの字も出てきません。しかも、
「すぐに帝王切開しないと・・・先生、間に合うんですか?」
「帝王切開はやめよう。コッヘルで卵膜を破いて、胎児の頭を産道に進めます。それで止血できるかも知れない」
経膣分娩を強行です!
しかしその後無事に元気な男児が産まれ、母体も問題なかったという。
母児ともに問題なかったのは、まさに漫画だからとしか思えないんですが・・・。

でも、この話の感想をネット上でちょっと検索すると、ほとんど「良かった」「感動した」って書いてあるんですよね。
評価されるのは結果だけなのだとしたら・・・ちょっと悲しいかな。

ちなみに別の巻では、前期破水→臍帯脱出→戻したらその後足脱出→それも戻して下からお産 という、産婦人科医にとっては身の毛もよだつお話も出てきます。

コメント

Dr .コトー、医療を少し噛ってると、めちゃくちゃ怖くなる話ばっかりですね(^_^;)
麻酔科なしオペ看ひとりだし、CTなしで脳外のオペとかやっちゃうし、いくらマンガでもやりすぎなところが多いので、うちの学生の間でも評価は低いです。
これだけ有名になっているマンガなのだから、ちゃんと医師の監修をつければいいのに。。。
  
うちの卒業生のほとんどは僻地医療に携わるのですが、コトー先生と比較されると辛いですね(-_-;)

あれれ?
時間を置いての二重投稿になってしまいました。ごめんなさい!
気がついたら消してください。

どうもです☆
まぁあのマンガ全般にいえる話ですね、あり得ないことばかりなのは。
地域医療に携わる人たちがあの内容を期待されると困る、というのは大いに納得です!