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2006年3月10日

何故?

県立病院医師逮捕/応援の提案応ぜず

2006年03月10日

 県立大野病院で04年12月、帝王切開手術ミスで女性(当時29)を死亡させたとして同病院の産婦人科医、加藤克彦容疑者(38)が業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕された事件で、女性が大量出血した後、院長が加藤容疑者に対し、ほかの医師への応援要請の提案をしたが応じなかったことが、県警の調べでわかった。県警は、加藤容疑者が提案に応じなかったことが、医療過誤が起きた原因の一つとみて調べている。福島地検は拘留満期日の11日までに起訴する方針だ。

 医療関係者が05年3月に公表した事故報告書によると、04年12月17日午後2時過ぎ、手術が始まった際、手術室には加藤容疑者と、外科医1人、麻酔科専門医1人、数人の看護師がいた。その後の県警の調べで、作山洋三院長も、同日午後3時15分に輸血用血液を、いわき市の血液センターに発注した後に、手術室に入ったことも分かった。

 県警は、手術時の様子を捜査するため、複数の病院関係者から事情を聴いてきた。

 県警によると、女性の胎盤をはがし、大量出血が起きた後、手術室に入った作山院長が、加藤容疑者に、ほかの医師に応援を頼むことを提案したという。だが、加藤容疑者が提案に応じず、1人で手術を続けたという。これについて、複数の捜査関係者は「(加藤容疑者が)自分の技術を過信していたことが、医療過誤に影響したのではないか」などと話している。

 関係者の話では、加藤容疑者は手術前、大野病院と以前から連携している民間病院の産婦人科医に、緊急時に応援に来てもらえるように依頼していた。女性やその家族に対しても、この病院名を挙げて、もしもの場合は応援してもらうと説明していた。

 女性は、子宮に胎盤が癒着する「癒着胎盤」の状態だった。癒着胎盤をはがす際には大量出血するおそれがあるが、加藤容疑者は手術前、女性が癒着胎盤かどうかを、強く疑ってはいなかったという。

 県によると、加藤容疑者は、大野病院ではただ1人の産婦人科医だったが、癒着胎盤の手術経験はなかったという。加藤容疑者は弁護士に「あんなに血が出るとは思わなかった」などと説明しているという。

この記事には本当に腹が立ちました。以下ツッコミ。

院長が手術室に入って応援要請の提案をした、と言いますが、どうして院長がこの期に及んで彼を売るようなことを言っているのか分からりません。隠し事をして彼をかばえと言っているわけでは無いですが、どちらかというと責任逃れに感じます。
そもそも院長だって医師なんだから、応援を呼ばなきゃダメだと思ったら、術者が断っても自分で呼べばいいじゃないの?院長権限で。
最近の医療訴訟では「もっと強く(治療などを)勧めるべきだった」と(医師側が)負けている判例がいっぱいありますよ。何度も強く勧めましたか?

まあ、血液がなかなか届かない場所で応援を呼んだからって、どのくらい状況が変わったかは疑問ですけど。

それに、この記事を読むと、(何度も出ていることではあるけど、)あたかも癒着胎盤が術前診断可能だったように一般の方は感じるでしょう。また、癒着胎盤の手術経験が無い人が帝王切開をすることが危険のように感じるでしょう。
でも癒着胎盤の術前診断は、ほぼ不可能です。帝王切開をはじめて、赤ちゃんが出てからはじめて分かることです。

それに癒着胎盤の執刀経験が無い医師なんてたくさんいますよ、というかかなり多くの人がそうだと思います。
私も経験が無いのですが、やめて良いですか。

最近の朝日新聞の記事や、医師会の声明などを受けて、検察側が起訴を正当化するために情報を流しているのではないかと、思わず勘ぐってしまいます。