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2006年7月12日

助産院で骨盤位分娩

■ 女児の出生を証明 新生児死亡訴訟が和解

 県北の助産所で2003年8月に出産した女児が死亡したのは、助産師が危険性の高い逆子の分娩(ぶんべん)を取り扱ったためだなどとして、芳賀郡の両親が助産師に約6600万円の損害賠償を求め宇都宮地裁真岡支部(飯塚圭一裁判官)で争われていた訴訟は、8日までに和解が成立。和解条項では、3700万円の支払いとともに、出産後に助産師が作成した死産証書が「事実に反する」と認め、女児の出生を証明した。両親は出生を戸籍に記載するため、週明けにも自治体の窓口に出生届を提出し戸籍への記載を求める。

 和解条項では、女児が〇三年八月三十一日午前十一時半に県北の助産所で出生したことを、助産師が証明。和解の席上では、助産師が作成した出生証明書を原告側に交付した。女児は出生から二時間後に死亡したことも確認した。

 また(1)助産師が「胎児死亡」として出産後に作成した死産証書が事実に反する(2)助産師が原告が行う出生届などの手続きに誠実に協力する(3)損害賠償として原告に三千七百万円を支払う-ことなどが盛り込まれた。

で、こちらが原告の方のブログらしいんですけど。

助産院で骨盤位(逆子)分娩を請け負って、さらに赤ちゃんが仮死状態で出てきたのを放置し、死産として扱おうとしたといういきさつは、時代遅れも甚だしいというか、「ああ、まだそんなチャレンジャーな助産師が居たんだ・・・」という印象で、この助産師に非があることは明らかなんですけど。

患者さんが助産院で骨盤位分娩をしても大丈夫だと思ってしまうくらい、今の世の中ってお産が安全なものと思われているんだろうな、と。
すぐに帝王切開に切り替えられる病院でさえ、逆子のお産って怖いですけどね。もう長いことやってないな。

コメント

こんばんは
mariko先生

この記事はすごいですね...
呼吸がなくて、心臓が動いてたとすると、おそらくApgar 1点でしょうね...術場でカイザーだったら、新生児科医がビリビリしながら、蘇生するところなのに...ほうっておくとは...

>befu先生
有り難うございます。
昔ながらの助産師さんは、CPになるくらいだったら放置するという話を聞いたことがあるんですが、まさか今の時代にやる人が居るとは思わなかったです。
すごい話ですよね。

引用記事を読む限り、助産婦の前時代的処置には怖ろしく寛大ですね。これが医者であれば「人殺し」と言われそうなものですし、今時の風潮なら「またもや産婦人科医逮捕!」なんて記事が躍りそうな気がします。

私たちの知らない所で、21世紀になっても前時代的なお産がなされていたのですね。お気の毒な話ですが、ブロクによるとご本人はネットなどで骨盤位については調べていたとのこと。
やはり、ネット情報は偏っているのでしょうか?
あるいは、都合の悪い情報(逆子は病院で帝王切開)は本人が無意識にスルーしてしまうのか?
逆子はリスク、という常識がもはや失われ(産科医の日々の努力のたまものでしょうけど)、逆子は危険という話を流さない医療専門家が悪い、とも書かれていましたよね。
学会が、お産はリスクがある、という嫌な話を流してくれないかと思います。

>Yoshan先生
私もそれは思いました。期待権の違いなのかなあ。

>mimi先生
本当ですよ。びっくりしました。
まあ、この方がブログをやって、助産院が危険なこともあるということを啓蒙してくれるのも大事なのかなぁ、と。
医療者が言っても伝わらない事ってあるから。

こんばんは。
その方のブログをずっと拝読していますので、この事件については知ってました。
「自然なお産」がとても美化されているテレビ番組はよくありますが、そのデメリットとか、どういう人は医療行為が必要だとか、そんなことには一切触れられていないことがずっと気になっています。
これを機に公平な情報をお願いしたいなあ、と感じます。
それと、この方が出産されたのが2003年で、助産所ガイドラインができる1年前だったようです。
ガイドラインができたことで逆子や異常に対して厳しくなった。。。という記述を見たことがあるので、果たしてその頃の実態はどうだったんだろう!?と思ってしまいます。
ネット上では今でも(古い情報の名残でしょうが)「助産院でVBACしました」なんてのを見つけたりしますから。。。

病院で産まなければ「自然なお産」である!というような認識が横行しているような気がしますね。
私たちだって、何にも起きてないのに自然でないことを(促進とか)やろうとは思わないんですけどね。

助産院に関しては・・・私、3年くらい前に自分の患者さんが「助産院でVBACします」と行ったとき、その助産院に抗議の電話をしたんですよ。答えは「次から気をつけます」というようなもので、まずそれにびっくりしたのと、患者さんに何度も「何かあってからでは遅いんですよ」と言っても、分かってもらえなかった。
本当に何かあるとは思ってないんだなと思いました。