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2006年7月22日

先日のニュース23

先日(7月20日)のニュース23で、「お産難民」の特集をやってました。
内容は、「なんだ夕方の番組の焼き直しじゃないの?」というようなもので、筑紫さんのお言葉もありきたりでしたが、さすがに多くの人が見る番組とあって、影響は結構ありそうですね。

このことに触れてくれているブログをざっと並べると(自分の見つけた限りで、ですが)
ODORISM
妊娠、そして高齢出産!
★心豊かに生きよう!ならぶる!★
石けん職人の日記:手作り石けん「ういとん堂」
茶髪のお母ちゃん日記

まあ、ツッコミ処はいろいろとあるでしょうが・・・
この番組を通じて、はじめてこの事を知られた方々も多くいらっしゃったのでしょう。そう言う意味では、良かったのかな。

しかし同日に報道された福岡の産婦人科医逮捕事件・・・イタ過ぎます・・・
せっかくの風潮に水を差さないで欲しいですよ。

コメント

初めまして。私は小さい頃から産婦人科医をめざしています。
産婦人科医として働いている方の情報が欲しく、ネット検索してみたところひっかかりました。

他の科と比べて産婦人科医に必要だと思われるのは、また違いはどんなところですか?

お返事お待ちしております。

小さい頃からの夢、是非かなえて下さいね。
さて、産科は、24時間対応が必要です。
病院は9時から5時までの8時間労働を基本に成り立っていますが、分娩は24時間いつでもありますから。
最近、産科医が分娩をやめている理由は、
まず分娩時に母体死亡、新生児死亡や後遺障害を残した場合は、どんな名医が対応していても救えない症例であっても、医師の責任にされる風潮にあること。
賠償金額が3億円と高額になることもあること。(保険に加入していてもカバーしきれず数千万円は自腹でということもある。)
落ち度がなくても刑事責任を問われ、前科者になるリスクがあること。
それに見合った報酬がないこと。
県立病院の標準では、年1200万円。当直は夕方5時から翌朝9時まで16時間で、2万円(時給1250円)。深夜に帝王切開など手術になれば、当直以外の待機番(無報酬)も呼ばれて手術する。
仮に、産婦人科の常勤が3人としたら、3日に一回は当直がまわってくる。当直明けは9時から普通に外来業務がある。午後は手術など。だから、普通36時間連続して病院内で働いていることになる。
せっかく帰宅しても、待機番ならすぐに病院に呼ばれて駆けつけることもある。
何日も帰宅できないこともある。(たまに家に帰るといった方が適切)
もし産婦人科部長が50代ならば、当直業務から外れていることもある。その場合は、2人で当直か待機番かどちらかがまわってくる。365日、一日も休めず。
待機番は、遠くても病院に呼ばれて1時間以内に駆けつけられる距離までしか行けない。帝王切開など緊急手術で呼ばれるわけだから。
だから、友人と約束はできない。
約束しても途中で病院に呼ばれてキャンセルになる率が高い。
歯医者へも何回予約を取ってもキャンセル続きで1年経過という事も少なくない。
時給1250円で、そういった暮らしですが、やりがいはあるかもしれません。
現在では、夜間コールされない科の方が、バイトにもいけるのでセレブな生活を送れるようです。
産科に必要なのは、まず体力でしょうか。夜中に何回起こされても、すぐにまた睡眠が取れるというのは絶対必要です。
翌日もきつい仕事ですから。
一旦、起こされたら寝付けない神経質な人はむいていないと断言します。

お返事ありがとうございます。

性格的にというか、こんな人が向いているのではないかと思ったことはないですか? 

あと、女性は出産・育児で職場から離れる人が多く、その上産婦人科医の7割が女性だと知りました。同じ女性としてどう思いますか?

仕事に男女はありませんが、女性医師は結婚が遅いかできないままのことも少なくありません。他人の赤ちゃんばかり取り上げて自分は・・・という嘆きを聞いたことがあります。人それぞれだと思いますが。
仕事と家庭の両立を心配するより、結婚できるのが先決でしょう。両立が取り越し苦労に終わっている産婦人科女医は少なくありませんから。

産婦人科の特色は分娩でしょう。
ですから、深夜何回起こされても平気な性格がむいています。
どこでも寝れる、寝付きが良いという性格がむいています。
そうしないと、24時間対応できませんから。
夜間、昼の仕事がひびいて緊張して神経が高ぶって、寝付けないというのでは、体が持ちません。
疲れ過ぎは、眠れないというのご存知でしょうか?
体は日中の仕事でくたくたに疲れているのに、神経が高ぶって(アドレナリンが出ているのか、ステロイドが出ているためか)寝なければ、明日つらいとわかっていても寝付けない性格の人は、産科を学んでも結局は分娩を扱わない婦人科だけの仕事をするようになるのかもしれません。

あああ、反応が遅くなってすみません。
答えて下さって有り難うございました>産科女医先生

他の人も答えてくれるかも知れませんので、後ほど別エントリーをたててみますね。