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2008年8月20日

大野病院事件・無罪判決

いろいろな事からブログの更新をお休みしていました。
が、この事件を忘れていたわけではありません。今日は大野病院事件の判決の日でした。

無罪判決となり、本当に良かった。

はじめてこの事件に関する記事を書いてから、3年半近くになります。
逮捕されたときには、ただ呆然としてしまい、その後怒りがわいてきました。
支援するグループにも名前を連ねさせて頂き、ずっと見守っていました。とても他人事には思えなかったからです。
この間に産科医不足が急加速し、テレビなどでその話題を見ることも珍しくなくなりました。
今後の動向も、静かに見守りたいと思います。

まだ心休まる時が来るまでは時間がかかるでしょうが、K先生にはお体を大切にして頂きたいなと思います。

福島県立大野病院事件についての福島地方裁判所の判決に対する声明

 日本産科婦人科学会は亡くなられた患者様のご遺族と悲しみを共有し、患者様には心からの哀悼の念を捧げます。
 この悲しい事件は、癒着胎盤という重篤な産科疾患において生じたものですが、当時、被告人が産婦人科専門医として行った医療の水準は高く、全く医療過誤と言うべきものではありません。癒着胎盤は極めて稀な疾患であり、診断も難しく、最善の治療が如何なるものであるかについての学術的議論は現在も学会で続けられております。
 このたびの判決は、この様な重篤な疾患を扱う実地医療の困難さとそのリスクに理解を示した妥当な判決であり、これにより産科をはじめ多くの領域における昨今の萎縮医療の進行に歯止めのかかることが期待されるところであります。
 日本産科婦人科学会は、今後も医学と医療の進歩のための研究を進めると共に、関係諸方面の協力も得て診療体制の更なる整備を行い、本件のように重篤な産科疾患においても、母児ともに救命できる医療の確立を目指して最大限の努力を続けてゆくことを、ここに表明致します。
 本会は、今回の裁判による医療現場の混乱を一日も早く収束するよう、検察庁が本件判決に控訴しないことを強く要請するものであります。

平成20年8月20日

社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 吉村 泰典