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2006年4月 6日

島ではお産が出来なくなっていく。

どちらも昨日報道されたお話。

 島根県・隠岐諸島で今月中旬からお産を扱う病院がなくなることが分かった。
 公立隠岐病院(隠岐の島町、笠木重人院長)に産婦人科医を派遣してきた県立中央病院(出雲市)が派遣を打ち切るため。中央病院の医師が今後、週1、2回、往診するが、妊婦は松江市などに渡って出産に備えなければならず、隠岐の島町と隠岐病院は4日、妊婦や家族を集めて説明会を開いた。
 隠岐諸島の人口は約2万3000人。隠岐病院では、年間約130件の出産があり、島根大などから医師が赴任していた。しかし、人手不足で一昨年9月、島根大が派遣をやめ、中央病院も先月、派遣中止を決めた。この間、町と隠岐病院は医師を探し、関西在住の医師の赴任が内定していたが、家族の病気で着任は当分不可能になった。
 同病院には約60人の妊婦が通院しており、この日の説明会で笠木院長は「予定日1か月前には島外へ移っていただきたい。申し訳ない」と陳謝し、交通費の支援などの検討を約束した。5月に2人目の出産を控えている主婦(29)は「島を離れて出産するのは心細い」と困惑していた。
 産婦人科医は全国的に不足気味で、厚生労働省は「医師不足の改善は容易ではない。行政や大学、医師会で話し合っていくしかない」としている。
(2006年4月5日1時55分 読売新聞)

2006-04-05 | 社会・経済 |
県と病院、国に懸命な働きかけ

八重山病院(伊江朝次院長)に勤務する産婦人科医4人のうち、2人が6月1日付で異動し、代わりの医師を確保するめどが立たず、妊婦の出産ができなくなるおそれが出ている問題で、県と同病院は本年度もほかの病院や政府などとの間で調整を行い、医師探しを続けている。異動する2人は引っ越しなどのために5月下旬から診療を行えなくなるおそれがあることから、医師探しに残された期間は1カ月半程度しかない。県では「妊婦が心配していると聞いており、早めに『大丈夫』と言いたい。1日でも早く確保するために頑張っている」(県立病院管理課)と話している。
県や八重山病院では、ほかの県立病院に協力を求めたり、国などへ働きかけを行うなど、産婦人科医の確保に向けて動いているが、「この人が来るというところまではいかない状況」(同)。
仮に、このまま代わりの医師を確保できず、分べんが行えない状況になれば、八重山から本島や本土へ行って分べんを行わざるを得なくなり、妊婦や家族の経済的な負担は極めて大きくなる。
同病院で行われる分べんは年間約600件。これだけの件数の分べんが行われないことになれば、八重山病院の収入は2億円程度減る見通しで、同病院の経営にも影響を及ぼすことになりそうだ。
同科は現在、九州大学産婦人科教室が派遣する医師2人と県立中部病院の研修医2人の合わせて4人で診療している。九大産婦人科教室の派遣は1999年度から行われてきたが、今年5月末で打ち切ることになり、新たな医師が確保できなければ、同科の医師は現行の半数に当たる2人になる。
その場合、帝王切開などの異常分べんに対応できなくなり、同病院での出産ができなくなるおそれがある。

どちらも離島と言うことで、かなり深刻な様子です。 隠岐の島は全国紙で、危機感をアピールしている印象。病院のホームページからも綱渡りな状況が伝わってきます。 しかし患者さんたちへの説明会を行い、本土で出産するための補助金についても検討しているようで、現実的な対応をしているように思います。

八重山のほうも地方紙とはいえしょっちゅう話題になっているし、大変だろうなと思います。
しかしね・・・ 最後の方の文章、研修医ふたりだけで分娩を行う可能性を視野に入れているように読めるのですが、まさかそんなことはしないですよね・・・?
残された時間もわずかなのに、「大丈夫」と言えるつもりでいるようにも思えるし、こういった姿勢には疑問をおぼえるなぁ。(→結果として産科医が逃げるんじゃないかと)

今月下旬の日本産科婦人科学会でも、「拡大産婦人科医療提供体制検討委員会」というのが行われるようで、今後は分娩を扱う病院の集約化が進むのではないかと思いますが、離島の問題は難しいですね。

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