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2006年2月25日

お取り寄せ:蟻月のもつ鍋(白)

先日の産婦人科医逮捕事件で、ちょっと鬱傾向に陥っていましたが、今日は2週間前に申し込んでいたおとり寄せ鍋が来ました。なので、いつものペースに戻ってお取り寄せレポートいきたいと思います。

博多もつ鍋蟻月 白のセットを買ってみました。
蟻月は、超有名な恵比寿のもつ鍋屋さんです。残念なら私はお店で食べたことは無いのですが・・・ なかなか予約が取れないらしいです。あの真鍋さんのブログでも紹介されていますよ。(トラバしてみちゃいました。えへへ・・・)

今日の朝、待ちに待ったもつ鍋セットがクール宅急便で届けられました。
夜になり、はやる気持ちをおさえてセットをオープン・・・。キャベツ、ごぼう、ニラなどがちゃんと切った状態でパックされているので、調理は簡単。説明書に書いてある通りに鍋に入れていくだけです。

さて、そのお味は。
スープはこってりしていて、でも結構上品。かんじんのモツは、プリプリしていて若干大きめ? もしかしたら好みが分かれるかも。しかし焼き肉屋などではあまりモツが得意でない私でも、美味しくいただけましたよ。
最後に麺を入れて終了。満喫しました。
この味、もしかしたらしばらくするとまたとても食べたくなるかも。
食べた後に、部屋がすごくモツ煮くさくなることが難点です。

2006年2月20日

県の責任

前置胎盤→帝王切開の後CPで最高裁で負けた件に引き続き、今度は、癒着胎盤→母体死亡で逮捕。
これではまるで、意図的に産婦人科医を減らそうとしている何らかのフォースによる働きなのでは無いかと、ちょっとした被害妄想に陥ってしまっている今日この頃です。
なんかね、変な例えですけど、上野動物園で毒入りジャガイモを与えられている、象のハナコのような。その後飢え死にを計られて、それでも芸をしてしまう私たち・・・みたいな。そんな事を考えるなんて、病んでるなぁ。
「仕事でしょ」「お金貰ってるでしょ」「自分で選んだ道でしょ」というのは、聞き飽きました。そういえば、反抗期の頃に、学校の先生に同じ台詞でたてついたことがあります。その位にしか、思いません。

さて、逮捕の一件に関して、やはり私たち産科医が考えるのは、「一人医長で手術をさせていた県や県立病院に罪は無いのか?」でしょう。
私には幸いにも経験が無いですが、一人医長というのは、相当なストレスだと思うし、同時に危ない状態だと思うんですよ。
関連 女医ななこのひとりごと

県側のコメントとして、「医者がふたり居ればいいが・・・」みたいなものがありましたが、本当に県は医者を増やす気があったのでしょうか。
福島県立病院の医師募集を見ると、産婦人科医の募集はひとりもありません。ちなみに他の県立病院、ぜーんぶ一人医長です。
もしかして、福島県は一人医長で充分と思っていたのでは? だって二人にすると、お金が倍かかりますからね。
しかし、医師の過重労働だけでなく、患者さんたちの健康を思うと、一人医長はかなり危険。単純に考えても、医者だって病気もするわけですから。その時はどうするの?お産は待ってくれませんよ。

以前、泉崎村立病院で院長が1ヶ月で逃げちゃった話(いやしのつえを参考にしてください)のときも、「宅直5回と休日夜間の呼び出しは重労働ではない」みたいなことを村側が言ってくれちゃったりしているところを見ると、そういった勤務状況は、福島県の医師としては普通なのかも知れない。
でも、全国的には違いますから!
ローカルルールで医師を拘束しながら、いざ何かあるとトカゲの尻尾のように切り捨てるのでは、あまりにもひどいですよ。悲しいですよ。県側の責任を明確にしてくれないと、このままではちょっと・・・。
そうしないと、今後も福島の医療が変わらないと思いますし。

2006年2月18日

もう本当にダメかも・・・。

帝王切開で出血死、福島県立病院の医師逮捕

 福島県警富岡署は18日、同県大熊町、県立大野病院の産婦人科医師XXXX容疑者(38)(大熊町下野上)を業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の疑いで逮捕した。医師が届け出義務違反で逮捕されるのは異例。

 調べによると、XX容疑者は2004年12月17日、同県内の女性(当時29歳)の帝王切開手術を執刀した際、大量出血のある恐れを認識しながら十分な検査などをせず、胎盤を子宮からはがして大量出血で死亡させた疑い。また、医師法で定められた24時間以内の所轄警察署への届け出をしなかった疑い。胎児は無事だった。

 医療ミスは、05年になって発覚。専門医らが調査した結果、県と病院側はミスを認めて遺族に謝罪。XX容疑者は減給1か月の処分となった。
(2006年2月18日14時11分 読売新聞)

関連リンク  S.Y.’s Blog
       ある産婦人科医のひとりごと

以前書いた話の後日談らしいです。
実際の本文には、医師の氏名が明かされているけれど、そのままではちょっと悲しすぎるので伏せ字にしました。

癒着胎盤に対して、胎盤を切り取ることが誤りであることは認めます。
あ、でも。「十分な検査などせず」とありますけど、十分な検査ってなんですかね。子宮を閉じてMRIとか? あと、「所轄警察署への届け出をしなかった→医師法違反」というのは、いかがなものか・・・。
詳しい状況は知らないですが、例えば産科医がせめてもう一人居るとか、麻酔科や輸血の体制が整っているとか、そういったことがあったら、母体死亡は防げたかも知れない。
決してこの医師ひとりの問題では無いと思うのに、どうして県や病院はこの医師を守ってあげることが出来なかったんでしょう。県は謝罪で終了?

1年365日、昼も夜もなくたった一人の産科医として働いて、ミスがあったら犯罪者として日本中に名前を晒される。
ミスだって、決して手抜きや自己満足で起こしたものでは無いのに。
産科医不足、地方の医師不足の原因がここにあることを、どうして分からないのでしょうか。
この記事を読んで、「福島県の県立病院で医者をやろう」と思う人は、居ないのではないかと思います。

それはそうとして、私、今日これからひとり帝王切開しなくちゃいけないんだよな・・・
本当にイヤになってしまいましたよ。

2006年2月15日

トリノオリンピック

olympics06_snowboarding.gif

なんちゃってスキーヤーであり、かつなんちゃってスノーボーダーである私は、夏の五輪よりも冬の五輪の方が好きです。
世間にはなかなかメダルを取れない日本選手陣にヤキモキしている方が多数おられるようですが・・・メダルなんてどうだっていいじゃん。あの大舞台で、一生懸命やっている姿を見るだけで、十分感動できませんか?
それに、雪景色を見るだけでちょっと癒されます。夏の五輪で見える景色は、暑苦しいものばかりなのに反し、冬の五輪では壮大な雪山をおがむことができて、幸せ。
あ、トリノは人工雪主体らしく、雪景色としては今ひとつかもしれないですが・・・ね。

さて、BS-hiのデータ放送では、お気に入り競技を設定することが出来ます。お気に入り競技に何かトピックがあると、画面に表示されて教えてくれるというもの。
我が家のお気に入り競技 : フィギュア フリースタイル カーリング
うーむ、いつからカーリングがお気に入りになったのか・・・?

2006年2月14日

メーヤウのカレーがレトルトで出ているらしい

ま、タイトルが全てなんですが。
信濃町にあるタイカレーのお店「メーヤウ」(信濃町以外にもお店がいくつか出ているらしいですね)のカレーが、いつの間にかレトルトで発売されていたらしいです。(リンクはこちら)

タイ料理が日本で流行するよりもずっと前から、人気店であったメーヤウ。
その味には何故か中毒性があり、麻薬が入ってるのではないかとささやかれもしました・・・。
ちなみに私はココナツ味で白色の、甘口が好きです。(邪道とも言われる)

レトルト版も、是非近日中にチャレンジし、レポートしたいと思います。

2006年2月12日

湯沢への旅

昔からのスキー仲間が集うイベントがあったので、湯沢へ行ってきました。

初日(11日)は当初滑ろうと思っていたのですが、夫が朝帰りだったこともあり結局昼過ぎに出発。目立った渋滞などは無かったものの、湯沢に到着したのは午後3時過ぎだったので、まぁ今日は滑らなくて良いかということになり、まず温泉を目指しました。
湯沢には温泉がいくつかあるのですが、スキーシーズンはやたらと混雑していて、いつもイヤな気分になるので(だって洗い場でタオルを前に列を作ってると悲しくなる)、今回は裏技としてここを利用してみました。
トスラブ湯沢
とある健保組合の保養施設です。組合会員は525円、同伴者は1050円で日帰り入浴可能でした。
お風呂は6階にあり、ガラス張りで雪景色を堪能できるし、フロントでバスタオルを貸してくれるし、アメニティは充実しているし、なんと言っても空いている! 私が入ったときはほぼ貸し切り状態で、とても良かったです。
健保組合の会員だったら、近くの公共浴場に行くよりも絶対ここを使うべき、と思いました。

その後は小腹が空いたので越後湯沢駅前の「味の花」へ。5時開店なのに15分以上前に店内に入れて貰い(すいません)、味噌ラーメンと蟹味噌豆腐をいただきました。美味しい~。

後は宿にて夕食、宴会。もうすでに昔なじみの様相を呈した仲間たちと、飲んで盛り上がってトリノ見て。

2日(12日)は朝起きたら大雪でした。「こんな中で滑ったら怪我しちゃうよ」と、スキー場に対する未練など全くなく、そそくさと湯沢をあとにしました。
と、結局スキー場へは行かず、ドライブ&宴会の旅として終了したのでした。

2006年2月11日

フラッシュ

そんなわけで、「辞めたい」がフラッシュになったようですよ。
http://atto.s2.pf-x.net/cgi-bin/up/img/130.swf
(産婦人科医は)泣けます。

2006年2月 7日

雪山行くぞ。

このブログには、サブカテゴリー「雪山に行く」というのがあります。
本来スキーやスノボが趣味なので、行った思い出を記録するために作ったカテゴリー。
・・・ほとんど使われていません。

そんな事では、ストレスがたまるばかり。というわけで、まず先日スタッドレスタイヤを購入しました。ミシュランのX-ICEというやつです。
成城の外車専門風のタイヤ屋さんで買いました。私たち以外に、ポルシェに乗ったセレブ風カップルが来ていました。ちょっと場違いな所へ来てしまった感じがしました。さらにそのタイヤ屋さんでは、購入の記念に車とタイヤの写真を撮ってポスターにしてくれるというのです。まだポスターは我が家に届いてませんが、驚きでした。
ホイール付きで買ったら、目玉が飛び出るような値段になりました。泣く泣く社内貯金を下ろしました。

そんなこんなで遅ればせながらスタッドレスも履いたことだし。
今週末はスキー場へ行きますよ! こうやって滑りに行けるのも、複数医者が居る病院に勤めているからで、そのことを有り難く思おう。

ちなみに1月のアクセス記録を見ると、検索語句第一位は「田沢湖スキー場」でした。
田沢湖行きたいな・・・。

無理。

先日紹介した「辞めたい」が頭にこびりついて離れませーん。そしてため息をつく今日この頃。
しかし朝っぱらから、暗い気持ちを加速するような記事が・・・。

出産で重い障害、徳島県立病院の医療ミス確定…最高裁

 徳島県立中央病院で1992年、妊娠8か月で出産した男児に脳の重い障害が残ったのは医師のミスが原因だとして、大阪府内の両親らが県に約1億5500万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は、県に約1億1200万円の賠償を命じた2審・大阪高裁判決を支持し、上告を退ける決定をした。

 決定は3日付。県側の敗訴が確定した。

 2審判決によると、この男児の母親は92年に同病院で帝王切開を受けたが、男児は出生直後の呼吸不全が原因で脳性まひになった。1審・大阪地裁堺支部は賠償請求を棄却したが、2審は「帝王切開を選択した医師の判断は誤りで、他の選択肢があることも両親に説明していなかった」として、県側逆転敗訴の判決を言い渡していた。

最初にこの記事を読んだとき、「CP(脳性麻痺)になる可能性があるのなら帝王切開をすることは無かった」という話なのかと思い、何という人で無しな判決なのかと思ったのですが。

S.Y.’s Blogさんによると、31週前置胎盤の警告出血で帝王切開したところ、そういう結果になった、ということらしいのですね。
となると「帝王切開以外の選択肢があることを両親に説明していなかった」というところは、「現時点では出血が少量なのでもうしばらく待機するという選択肢を説明しなかった、そしてもう少し週数が進めば児の呼吸困難→CPは起きなかっただろう」という事なんでしょうか。

でもすぐ帝切しないで待機した場合、突然の大出血を起こして母体と児の両方が危機にさらされる(というかズバリ共倒れになる)可能性があるわけで。その場合は許してくれるのかな?ダメでしょう?
前置胎盤による出血で31週になっていれば、新生児救急のあるところだったらまず帝王切開すると思いますよ。
そもそもCPの原因が呼吸困難と、どうやって決めたのか。

医療ミスではない。判断ミスでもない。患者さんを放ったらかしにしたわけでもなく、一生懸命やった結果だと思う。
それなのに億単位の訴訟を起こされ、それが認められるようでは、もうこの国で出産を扱うのは怖くて仕方がないです。すぐにでも辞めたい。

2006年2月 3日

120人

「ある産婦人科医のひとりごと」によると、2年間の臨床研究の後に産婦人科を選んだ人は、全国で120人程度らしいです。
単純計算すると、1県あたり2人くらい、ということになろうかと思いますが、東京都内の大学で10人以上の入局者が居る大学が3大学あって、京大も10人と書いてあるので、それ以外の所に行く人はトータルでも80人・・・。
少ないですなぁ。

それに対して、辞める人は多数。産婦人科は医者も少子高齢化が深刻化しているので、お年を召されて現役引退される先生がかなりいらっしゃると思われます。
あと産科医の今後を儚んで転科する若者も結構居るし。

あーあ。
2ちゃんに「産科医絶滅史」というスレがあって、その中に「辞めたい」という替え歌を発見。あまりにもリアルすぎて全然笑えなかったです。
ホントに絶滅するかも知れないなぁ。

自分自身、この間もかなり危険な常位胎盤早期剥離があって、プチ鬱ですよ。
しかし、割と大きめの医局に入れて貰ったので、一人医長でお産をするような羽目には余程のことがない限りならないと思う。それだけでもかなりマシ。
だから、都市部に後期研修医が集中してしまう気持ちはとてもよく解ります。

2006年2月 1日

僻地義務は無くなったらしい。

ああ、ちょっと遅い話題になってしまいましたが、「開業の前には僻地、救急、産科、小児科のいずれかでの研修を義務づける」制度の導入が見送られたそうですね。
良かったですねー。
だいたいそんな案を考えつくなんて、何だと思われてるのか、と思ってみたり、あ、でも私たち(産婦人科医)は来て貰う側なんだ、これって良いことなのか?(何か違うような)、と思ってみたりと、しばし思いを巡らせていたんですけど。

ま、産科医的にもこの制度は見送られて良かったように思います。
それ以前に、僻地・救急・産科・小児科の選択肢で産科を選ぶ人が居るんだろうか・・・ 小児科や救急の研修はいいとして、もう開業するような年になった人が一から産科をやろうと思うかというと、思わないような気が。それこそ産科医の居ない離島などで開業するのだったら話は別ですが。

shy1221先生も書かれてますが、私もやっぱり給料を上げるのが一番だと思いますよ。
具体的な数字は良いとして、需要が高くて供給が少なかったら価格が上がるのが普通じゃないですかねぇ? 都市部よりも明らかに高給だったら、それこそ開業資金目的で2年間とか、行く人は居ると思いますよ。