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2006年3月31日

さよならパソ通

さよなら「パソコン通信」、最後のサービスが19年の歴史に幕 (2006年3月31日00時00分更新)

 ニフティ(古河建純代表取締役社長)は、3月31日の23時59分59秒をもって「ワープロ・パソコン通信」(パソコン通信)の全サービスを終了する。これで国内に唯一残っていたプロバイダーによるパソコン通信サービスが消えることになる。

今日でニフティのパソコン通信が終わるそうです。
私がはじめてパソコン通信をしたのは、えーと14年前でした。PC9801に2400bpsのモデムを買ってきて、フロッピーを差し込みながら「まいとーく」で始めました。
その後、お金を貯めて、大容量(笑)100MBのハードディスクを買い、Air Craft(エアクラ)でオートパイロットをして「うわ、なんて便利なんだー。」と喜んでました。夜になるとRT(チャット)に行ってしゃべり、月の電話代(みかかとか言われてましたね)が2万を超えることもしばしばありました。顔文字だって、すごくたくさん知っていた。
Air Craft の永久ライセンスを買ったとき(10年くらい前?)には、自分がパソ通を巡回しなくなる日が来るなんて考えられなかったのに・・・。

そんな私も、今ではニフティを休会してしまった。テキスト画面だけのパソコン通信には、もうずいぶん長いことアクセスしてません。

でも、当時知り合った人たちは、今でもとっても大切な仲間です。これからもこの絆が消えることは無いでしょう。

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2006年3月30日

AERA と 読売ウィークリー

AERA 読売ウィークリーの両方で、福島県の産婦人科医師逮捕や産婦人科医不足についての特集記事が載りました。

AERAのほうは、

危機 「産科」消滅の非常事態 超過重労働、訴訟頻発でなり手が急減。医者も妊婦も悲鳴を上げている

事件
福島・産科医逮捕
医師100人の本音

という見出しのダブル特集。「産科消滅」については、各地域の状況や産科医の高齢化、なり手が少ない理由についてよく調べられていて、読んだ人が危機感をおぼえてくれそうな内容でした。「医師逮捕事件」については、決してかばい合いではない代表的な意見を多数採り上げてくれていました。最後に述べられている、無過失保証制度や第三者機関については、是非国が本気で取り組んで欲しいものです。

読売ウィークリーは、

福島・産科医逮捕に 医師800人が憤激する理由 福島県内の県立病院の産婦人科医が、帝王切開手術で妊婦を失血死させたとして逮捕、起訴された。しかし、全国の医療関係者らから「逮捕は不当」との声が広まり、有志グループによる抗議声明に賛同した医師は800 人にも上った。賛同者には、産婦人科に限らず、眼科や内科などの医師も加わった。「あすは我が身か……」と、医療現場の専門家たちが一様に危機感を抱くのは、なぜか。そこには日本の、とりわけ地方の医療が抱える極めて深刻な課題が——。
ということで、K医師を支援するグループ関連の話が主体。こちらも説得力のある文章で構成されていました。特に最終行の 「判決がどうであれ、医療現場の課題解決を図らない限り、悲劇が繰り返される可能性は消えないのだ」 という文章と、雑誌の最後にある「副編集長から」に書かれていた 「福島の事件で問われているのは、日本の医療システムそのものです。」 という文章には涙が出そうになりました。

私はこういったメディアのことは全くわからないのですが、おそらく医者をたたく文章を作る方が医者を擁護するような事を書くよりも、ずっと楽で読者受けも良いのではないでしょうか。
そのような中、短い時間で専門外のことをたくさん調べ、ちょっと興奮気味の医者たちの声も聞き、このような記事をまとめられたその労力は計り知れない物だと思います。

できれば、今後も特集して欲しいと思ったりもしますが・・・

とりあえず、働きマン(週刊誌の女性記者が主人公のマンガ)を読み返したくなりました。

2006年3月26日

Baker Bounce @三軒茶屋

ちょっと三軒茶屋に行く用事があったので、人気というハンバーガー屋さん、Baker Bounce に行ってみましたよ。

お店は、駅から7分くらい歩いたところ、住宅街の中にあります。行ったときには店内は満員でしたので、ちょっと外で待って、その後元気な店員さんに案内して貰いました。
店員さんは一生懸命やっていて良い感じ。

さて今回は、ベーコンチーズバーガーを注文してみました。ポテトとコールスローみたいなサラダが一緒に乗って、1102円です。そして、凄いボリュームです。
ベーコンはカリカリ、ハンバーグは肉の味がしっかりしていてちょっと固い。
心なしか、ちょっと味が足りないような・・・。ケチャップとマスタード(?)も乗せたけど、なんか物足りないです。
しかしお腹はとてもいっぱいになります。女の子がたくさん食べに来ていたけど、みんな全部食べてるのかなぁ?

一度は行ってみて良いと思いますが、定期的に通うにはどうなんでしょう? ちょっと好みが分かれると思います。

BakerBounce(ベーカーバウンス)
東京都世田谷区太子堂5-13-5
TEL/FAX 03-5481-8670


2006年3月25日

厳しい現実

臨床研修制度により、産科志望を断念してしまった研修医さんの話が出ていました。
下記の記事です。

臨床研修病院をあわせると、300人以上が産婦人科医になってくれる(予定)だそうで、それは良かった。かなり東京に集中していますが。
そして女医率が高いようです。これについては、とりあえずノーコメントとしておきます・・・。

激務については、一人医長を除けば産婦人科が他科と比べてそれほどひどいとは思いません。当直の時に呼ばれる回数は小児科の方がずっと多いし、病院にいる時間は内科や外科の方が長いと思う。
それよりもやはり訴訟が多いことではないかな。

産科 厳しい現実に尻込み

 「産科や小児科の現場を見て、尻込みしました」

 医師になって2年間、今月まで金沢大などで臨床研修を受け、来月から内科に進む島田幸枝さん(26)は、複雑な表情で語る。

 医学生時代は、内科か、赤ちゃんや子供を診る産婦人科や小児科の医師になりたいと思っていた。

 2年間の研修でも、3科を重点的に回った。特に産婦人科では、大学での2か月の研修に加え、「お産の現場を知りたい」と自ら希望し、地域の開業医のもとで1か月間、研修した。産声を聞き、母親や寄り添う父親の笑顔を見て、やりがいのある仕事であることを肌で感じた。

 一方で、勤務の厳しさも味わった。お産のため、開業医は深夜に診療所に駆けつけ、誕生を見届けると、そのまま朝から外来診療にあたることも少なくなかった。出産の際、突然、胎児の心音が聞こえなくなったこともあり、お産は危険も伴うことを痛感した。

 小児科でも、満足に休暇をとれない医師たちの激務を目の当たりにした。

 島田さんは今月結婚した。いずれ子供が欲しいが、仕事も中断せずに続けたい。産婦人科や小児科は魅力的だが、仕事と家庭を両立できるだろうか。

 「産科や小児科では、若い間は身を粉にして働けるかもしれないが、燃え尽きてしまいそう」。結局、内科医を目指すことにした。

 日本産科婦人科学会の調査では今春、臨床研修を終え、大学や研修指定病院の産婦人科に入る医師は約310人。最近数年に比べ1割以上減った。東北地方12人、北海道7人、北陸9人など、特に地方は少ない。

 調査をまとめた藤田保健衛生大産婦人科教授の宇田川康博さんは「現場を体験して進路を決められる研修は、研修医には望ましいが、働く環境が厳しい産婦人科や小児科の医師不足を加速させてもいる」と話す。

 全国の80大学病院の産婦人科のうち、入局予定者ゼロは14か所あった。金沢大もその一つだ。

 同大産婦人科医局長の田中政彰さんは「島田さんのように、熱心に産科研修に取り組んだ人に来てもらえないのは残念だ。魅力ある産婦人科診療の体制をどう整えるかが問われている」と言う。

 今春、産婦人科に新たに入る医師の7割が女性だ。それだけに女性が働きやすい環境作りが望まれる。産科や小児科を志す医師をどう育て、支えていくか。課題は多い。(田村良彦、坂上博、中島久美子)

 (次は「シリーズ歯科・根の治療」です)

 大学産婦人科への入局予定者数 今年1月の日本産科婦人科学会調査で「ゼロ」と回答したのは、旭川医、弘前、東北、東海、富山、金沢、愛知医、京都府立医、島根、山口、産業医、福岡、久留米、琉球の14大学。一方、10人以上だったのは、慶応、昭和(各14人)、東京(12人)の都内3大学だった。
(2006年3月25日 読売新聞)

2006年3月24日

福島事件のための交通案内

福島県立大野病院の医師逮捕事件について調べるためにいらっしゃる方が多いようなので、その情報についての自ブログ内リンクを置いておきます。

2005年1月の報道
2006年2月18日 逮捕の記事
県の責任
大野病院産科休診
福島県産婦人科医会
K先生を支援するグループ
支援するグループの抗議声明
起訴直前の記事
起訴になってしまった
起訴後の記事
保釈
AERA と 読売ウィークリー
起訴を表彰
医師会会長のコメント
8割が「影響あり」
県立大野病院事件に対する考え
逮捕についての感想は
公判前整理手続き

*2006.7.22 久々に更新しました。

注: 事故報告書を読むまでは、自分はミスかどうかは分からないがこの医師には過失があったかもしれない、ただ同情すべき点が多々あるという考えでした。今ではミスでは無かったと思っています。(反省点はあるでしょうけど)
昔書いた文章には、過失があったように取れる部分がありますが、今から書き直すのもどうかと思うのでそのままです。ご了承下さい。

2006年3月21日

交渉人 真下正義

またもや今更ですが、「交渉人 真下正義」のDVDを見ました。
まあまあ面白かったです。雪乃さんが真下さんの彼女になっていてびっくりしましたが。

作中で出てくる真下さんのノートPC・・・ ステッカーだらけだったのを覚えてますか?
こちらの方がお手伝いされたそうです。
かなりマニアックです。私は9つ中4つしか分かりませんが・・・ 全部分かる人って、すごいなぁ。

交渉人 真下正義 スタンダード・エディション

2006年3月20日

思っていたよりも多い?

4月からの新産婦人科医の数。120人だとか、いやもっと減って80人だとかいろいろ噂されていましたが、実は210人も居るんですって。2003年度の415人からほぼ半減とはいえ、思ったよりも多そうで良かったです。
ただし東北はかなり厳しい状態とのこと・・・。
そして気になるのは、このアンケートが1月に行われたものらしいこと。あの事件の前ですから。現時点では何人なんでしょう。全然減っていなかったら素晴らしい話ですけど、そのようなことは無いのでしょうねぇ。

あと、弘前大3年連続ゼロってことですが、昨年と一昨年は臨床研修医制度の開始に伴い、たぶん全国的にゼロだと思うんで、ちょっと意味合いが違うと思います。なので、3年連続ゼロのところはたくさんあると思います。

以下、記事を引用。

弘前大産婦人科教室への入局者3年連続ゼロ(2006/03/19)
 弘前大医学部産婦人科学教室(旧・医局)への二〇〇六年四月の入局予定の医師がいず、〇四年度から三年連続で入局者ゼロとなる見通しであることが、十八日分かった。東北六県の大学医学部でも、入局予定者は合計で、わずか八人にとどまる。激務や医療訴訟の多さなどが背景にあり、産婦人科医不足はますます深刻な状況になっている。

 同日、弘前市で開かれた青森県臨床産婦人科医会で、弘前大の横山良仁講師が明らかにした。
 それによると、東北地方の医学部がある六大学の産婦人科学教室への〇六年四月の入局者見込みは、福島県立医科大が最多の四人、岩手医科大は二人、秋田大と山形大はそれぞれ一人。弘前大と東北大はともに三年連続で入局者がゼロだった。
 全国的にみても、産婦人科へ入局予定の医師は二百十人。〇三年度の四百十五人と比べ、ほぼ半減する。また約三分の一が首都圏の大学に入局する見通しで、都市への偏在に拍車がかかる。
 十八日の医会には約七十人が出席。医学生や研修医、医師の代表者が「産婦人科医獲得を目指して」をテーマに意見を発表した。
 医学生は「忙しくて訴訟が多いというマイナスイメージが大きい」、「(産婦人科は)学生時代の実習で広く学ぶことが困難で、興味を持つことができない。改善が必要」と訴えた。医師からは「地域の偏在は何もしなかった厚生労働省のミス」、「安心して働くことができる環境をつくることが大事だ」と指摘した。

2006年3月18日

Japanese Tradition SUSHI

今更ですか?というご指摘覚悟ですが。
これ、面白かったです。(音が出るので注意)

ホントとウソが巧妙に混ざっているのが良かった。
お寿司食べたくなってきたな・・・。

2006年3月15日

で、大臣の采配はどうなったのかな

そしてまだ、この話題にこだわってみたりする。

北部病院産婦人科休止/再開求め署名9000人
 県立北部病院の産婦人科の休止が続いている問題で、北部地区連合婦人会(比嘉幸子会長)のメンバー七人は十四日、県に喜友名朝春福祉保健部長を訪ね、産婦人科の早期再開を求める約九千人分の署名を手渡し「北部の住民は四月の再開を期待している。一日も早く医師確保してほしい」と訴えた。喜友名部長は「心配をかけて申し訳ない。再開に向けて強力に取り組む」と述べた。

 現在、救急患者が県立中部病院へ搬送されていることに、比嘉会長は「一刻を争う状況でも、救急車の中は男性ばかりで妊婦は安心できない。搬送の際はせめて女性の看護師を同乗させる配慮をしてほしい」と要請。知念建次県立病院監は「提案の内容を調整させてほしい」と答えた。

 医師確保の現状について知念病院監は「防衛医官を含め六人と接触しているが、具体的な答えはもらっていない。今週にも国と事務的な調整を図りたい」と説明。比嘉会長は「四月一日から再開するものと期待していたので残念。一歩ずつでも前進できるよう、頑張ってほしい」と訴えた。

医師不足→署名 で、それに対してのコメント「強力に取り組む」は、今までどおりの流れとして。

一刻を争う状況でも、救急車の中は男性ばかりで妊婦は安心できない。搬送の際はせめて女性の看護師を同乗させる配慮をしてほしい
これは新しいアイデアだと思うんですが、もし実現されたら、同乗することになる看護師さんは大変ですね。 男性ばかりで不安だから女性に居て欲しい、となると手を握ってくるくらいで許されるように感じるけど、やっぱりそんなことは無いのでしょうねぇ。

ちなみに最後の方に「防衛医官を含め・・・(略)・・・具体的な答えはもらっていない」ってところを見ると、防衛医官の医師すら、決定では無かったみたいです。
小池大臣、そろそろパフォーマンスでなく本当に格好良いところ見せて下さい・・・。

保釈

大野病院事件のK医師は、昨日保釈されたとのこと。
まだ先は長いかも知れないけど、とりあえず良かったです。

で、明日には日本産科婦人科学会と医会の記者会見があるとのこと。

2006年3月14日

帝王切開が安全だと思われている件について

ニャー速。 帝王切開したけど質問ある?

2ちゃんねるの「答えるよ」系スレですよ。
まあ固いことを言わずに、ちょっと読んでみてください。

一般の人の、帝王切開に対する認識なんてこんなもんか・・・。と、最初に思いました。
このスレの中で発言している人たちは、帝王切開にも危険があることなんて全く考えてなさそうに見える。
でも、ちょっと考えると。私たち医療者側の説明があまりに足りないから、このくらいの認識になってしまうのではないかとも思いました。

例えば、


大丈夫、俺は帝王切開だったが弟、妹全員産道だったぞ
遅れたけどおめでとう

>>90
グッドな情報ありがとおお
隣の市に普通分娩を推奨している産婦人科があるので、次はそこへ行ってみようと
思っております。


とか、何で前回帝王切開だと次が原則帝王切開になるのか、経膣を試みるとどんなことが起こりうるのか、説明されてないんだなぁと思いました。
私も人のことを言える立場では全くないので、明日から気をつけようと思います。

先日の大野事件も含め、「お産はうまくいって当たり前」という風潮が根強いと思う。
取り扱っている私たちは、うまくいって当たり前なんて思っていなくて、むしろビクビクしながら日々向き合っているというのに。

出来れば日産婦か日母あたりが、「お産はこーんなにリスクがいっぱい!」というようなポスターを作ったり、たまごクラブなんかで特集をうってくれると良いんだけどなぁ、と、結局他力本願に帰結してしまうダメな自分なんですけど。

2006年3月12日

起訴後の記事

起訴になったことを知り、一気に力が抜けてしまいました。他の人から「力が入りすぎじゃないの」というような事を言われ、確かにそうなのかもとも思い、もうこの件についてブログを書くのはやめておこうかなと思ったりもしたのですが・・・
でもやっぱり思うところがたくさんあるので続けてしまいます。

昨日の読売新聞の記事で、こういうのがありました。(全文は長くなるので後に記載します。)
今回の件に対する医師たちの反対について、

「医療事故情報センター」(名古屋市)理事長の柴田義朗弁護士は「あまり情報がないまま、医者の逮捕はけしからんという意識に基づく行動という気はする」と指摘する。

情報がないまま反対していると思われるのだったら、是非情報を与えて下さい。
私たちが「逮捕・起訴もやむを得ない」と思えるような情報を下さい。私たちは全てのこういった事柄に反発している訳ではないのです。慈恵青戸病院や女子医大の事件に対してはこのような声はほとんど上がっていないはずです。

今回、出来る限りのことをした(と私は思う)産婦人科医が逮捕・起訴されたという認識により、おそらく勤務医の婦人科開業ラッシュが加速し、若手の産婦人科医が他科に転科し、産婦人科に進もうと思っていた多くの研修医が他科に変更することになるでしょう。
病院で働く産婦人科医が一人減る毎に、また分娩取り扱いを中止する病院が増えるでしょう。

読売の記事全文は下記。
それとは別に、ライブドアニュースに割と分かりやすい解説があったので転記しておきます。

加藤医師起訴 医療関係者反発の声 検察側は「無理な手術」強調
医療ミスか難治療か

 大熊町の県立大野病院で帝王切開の手術を受けた女性(当時29歳)が死亡した医療過誤を巡り、執刀した産婦人科医師の加藤克彦容疑者(38)が10日、業務上過失致死と医師法違反の罪で起訴された。事故後1年2か月にわたり診療を続けてきた医師の逮捕は医師や関係団体に大きな衝撃を与え、同病院の産婦人科は11日から休診するなど地域医療への影響も出始めている。事件が投げかけた波紋を追った。

 「地域医療を守る努力を重ねてきた加藤医師の尊厳を踏みにじる異例の事態」――。いわき市医師会の石井正三会長は8日、相馬郡、双葉郡医師会長とともにいわき市内で会見を開き、3医師会の連名で逮捕に抗議する声明を読み上げた。県内の医師約1500人で構成される「県保険医協会」(伊藤弦(ゆずる)理事長)も県警に「(逃亡や証拠隠滅の恐れがなく)逮捕は人権を無視した不当なもの」とする異例の抗議文を送付した。

 県立大野病院で唯一の産婦人科医として年間約200件のお産を扱ってきた加藤容疑者の逮捕後、県内外の医師や関係団体が次々と反発する声を上げている。

 神奈川県産科婦人科医会は「暴挙に対して強く抗議する」との声明を出し、産婦人科医を中心に県内外の医師19人が発起人となった「加藤医師を支援するグループ」は10日現在、全国の医師約800人の賛同を得て、逮捕に抗議するとともに募金活動を行っている。

 こうした医師らの反応の背景には、医師不足による産婦人科医1人体制や緊急時の血液確保に時間を要する環境など、事故の要因として医師個人だけの責任に帰すべきではないと考えられる問題が指摘されている事情がある。また、子宮と胎盤が癒着する今回の症例は2万人に1人程度とされ、治療の難易度も高いことも「下手すると捕まると思うと、手術ができなくなる」(浜通りの産婦人科医)との心情を引き起こしているようだ。

 一方、事故調査委員会が「癒着胎盤の無理なはく離」を事故の要因とし、医療ミスと認定しているのは明白な事実。「医療事故情報センター」(名古屋市)理事長の柴田義朗弁護士は「あまり情報がないまま、医者の逮捕はけしからんという意識に基づく行動という気はする」と指摘する。

 片岡康夫・福島地検次席検事は10日、逮捕や起訴の理由について説明し、「はがせない胎盤を無理にはがして大量出血した」とした上で、「いちかばちかでやってもらっては困る。加藤医師の判断ミス」と明言。手術前の準備についても「大量出血した場合の(血液の)準備もなされていなかった」と指摘した。

 加藤容疑者の弁護人によると、加藤容疑者は調べに対して「最善を尽くした」と供述し、自己の過失について否認している。公判では、過失の有無について弁護士8人による弁護団と捜査当局の主張が真っ向から対立すると見られる。判決の内容次第では、医師の産婦人科離れに拍車がかかる可能性もはらんでおり、全国の医療関係者がその行方を見守っている。
(2006年3月11日 読売新聞)

福島県の産婦人科医逮捕、広がる波紋
【PJニュース 03月12日】-ライブドア本社に東京地検の強制捜査が入ってから約1カ月後の2月18日、一人の産婦人科医が福島県警によって逮捕されて身柄を拘束された。罪状は業務上過失致死と医師法違反の疑い。さかのぼること1年2ケ月前の04年12月、同容疑者が執刀した帝王切開手術で、当時29歳の女性が胎盤剥離後に大量出血を起こして亡くなったことに関する複数の罪が問われたものだ。

 医師の逮捕ということだけならば、残念ながら決して珍しいことではない。脱税を始め、暴行、わいせつ行為、麻薬所持などなど、目に余る違法行為が後を絶たない。しかし、医療行為そのものが罪に問われて逮捕されるということは、きわめて異例のことなのだ。1988年に鹿児島の医師が誤った造影剤を投与して患者2人を死亡させた罪により逮捕されて以来、14年間は医療過誤によって医師が逮捕されることはなかったが、02年に東京女子医大病院の心臓外科医、2003年に慈恵医大青戸病院の泌尿器科医がそれぞれ業務上過失致死容疑等で逮捕されたことはまだ記憶に新しい。

 それでは今回、問題の産婦人科医(福島県立大野病院)はどうして逮捕されて身柄を拘束されなければならなかったのか。県警によると、同容疑者は胎盤が癒着していて大量出血の可能性があることを知りながら帝王切開・胎盤剥離を強行したことが問題だとしている。さらには「異状死」であるにもかかわらず24時間以内に警察署に届けなかったことは医師法違反であり、また同容疑者が容疑の一部を否認していて証拠隠滅の恐れがあったとも説明している。

 ここで不思議に思うことは、すでに05年4月に同院に対する強制捜査・証拠書類の押収が行われており、また、福島県も事故調査を行ったうえで報告書を作成し、同容疑者の判断ミスを認めて遺族に謝罪した上で、6月には同容疑者を減給1カ月の懲戒処分、病院長を戒告処分としているということだ。また、同医師はその後も大野病院唯一の産婦人科医として献身的に勤務し続け、逮捕当日も診療中であったとのことである。このような状況の中、なぜ約1年も経過した現在、この医師の身柄を拘束しなければならなかったのだろうか。同容疑者の逮捕後、県立大野病院では同医師に代わる常勤医を確保することができず、入院者には転院先を紹介するとともに、外来は11日から休診することとになった。

 このような状況の中、唐澤祥人東京都医師会会長と河北博文東京都病院協会会長は、3月3日、厚生労働省内の記者クラブにおいて記者会見を行って、声明 を発表。同医の上司である福島県立医大産婦人科教授は、起訴猶予の 陳情書を用意するとともに全国3000人以上の署名を集め、13日にもそれらを関係各位に提出する予定であった。

 しかし、この動きを察知してか、これに先立つ3月10日、福島地検は業務上過失致死と医師法(異状死等届け出義務)違反の罪で同容疑者を福島地裁に起訴した。この決定を受けて日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会も直ちに声明 を発表した。

 東京地検は4年前から同地検刑事部に医療専門捜査班を新たに設置して医療過誤事件の捜査に当たらせているが、そもそも高度な医療行為の内容に関わる是非を司法の判断に委ねるのが適正なのだろうか。既成事実を積み重ねて判例を築き上げてしまう前に十分な議論を尽くしていく必要があるように思われる。【了】

もうすぐ発売ですね

ファイナルファンタジーXII 。
あーもちろん予約しております。

とりあえず発売までにやなねばならないこと・・・
・今やってるゲームを終わらせる。(もうちょっと)
・現在途中の24を最後まで見る。間があくとストーリーが分からなくなっちゃうからね。

FFのXはそういえばクリアしてなかったな・・・ 最後の方のツルツル滑るステージで断念したのだったわ。
まあそれは良しとしよう。
というわけで楽しみです。

ファイナルファンタジーXII 特典 FFXII/iTunes Custom Card付き

2006年3月10日

起訴になってしまった

連日この話題ばかりで申し訳ありませんが、福島県立病院の産科医逮捕事件、起訴になってしまったようです。拘留期限は明日11日だったはずなのに。

帝王切開手術中に死亡、福島県の産婦人科医を起訴

 福島県大熊町の県立大野病院で2004年12月、帝王切開の手術中に同県内の女性(当時29歳)が出血性ショックで死亡した事故で、福島地検は10日、手術を執刀した産婦人科医師の加藤克彦容疑者(38)を業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の罪で福島地裁に起訴した。

 起訴状によると、加藤容疑者は、事前の検査で胎盤が子宮に癒着し、大量出血する可能性を認識していたにもかかわらず、本来行うべき子宮摘出などを行わず、胎盤を無理にはがして大量出血を引き起こしたとされる。さらに、医師法で定められた24時間以内の警察への届け出をしなかったとされる。

 この事件を巡っては、医師や関係団体が加藤容疑者の逮捕に抗議する動きを見せている。同県内の開業医らで構成する「福島県保険医協会」は3日、「(逃走や証拠隠滅の恐れはなく)逮捕は人権を無視した不当なもの」とする異例の抗議文を県警に送付。日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会なども抗議声明を出している。

 一方、同地検の片岡康夫次席検事は10日、「罪証隠滅の恐れがあり逮捕した。血管が密集しているところを無理にはがした。大量出血は予見できたはずで、予見する義務があった。判断ミスだった」と起訴した理由を説明した。医師法違反罪については「通常の法解釈をした。大量出血しており、異状死にあたる」とした。

この記事に対していちいちツッコミを入れる気にもなりません、というのが正直なところですが・・・。
これを受けて、産婦人科学会と産婦人科医会も声明を発表しました。

今日、医局経由で福島県立医大教授名義の陳情書がまわってきました。(現在HPができてます、医療従事者の方は良かったら参加して下さい。
なるべく早くとのことだったので、プリントアウトした陳情書を手に、何人かの医師や助産師・看護師に署名を求めました。驚いたことに、この事件を知らない医師も何人かいました。助産師の多くは知っているようでしたが、看護師では知らない人の方が多い印象でした。一人一人に説明し、ちょっと燃え尽きました。

この陳情書や先の支援するグループの活動、各医師会などの声明で、全国の医師たちが一丸となっている様に思います。
ついつい、その状態に酔ってしまいそうです。

でも、今回の事件を通して、住民の方々の意見がほとんど聞こえてきません。
例えば通っていた病院の医師が逮捕されたとき、またその後その病院の産婦人科が無期休診となったとき。新聞やニュースではこの類の記事に必ず住民の声が出ていたように思うのですが。

私はこの病院がある町を、ちょっと知っています。何回か行ったことがあります。
果物がとても美味しくて、海と山が見えて白鳥がやってくるのどかな所です。
この町の人たちは、今、どんな気持ちでいるんだろうと考えています。

*3月11日追記 ある産婦人科医のひとりごとにもトラバさせて頂きました。

何故?

県立病院医師逮捕/応援の提案応ぜず

2006年03月10日

 県立大野病院で04年12月、帝王切開手術ミスで女性(当時29)を死亡させたとして同病院の産婦人科医、加藤克彦容疑者(38)が業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕された事件で、女性が大量出血した後、院長が加藤容疑者に対し、ほかの医師への応援要請の提案をしたが応じなかったことが、県警の調べでわかった。県警は、加藤容疑者が提案に応じなかったことが、医療過誤が起きた原因の一つとみて調べている。福島地検は拘留満期日の11日までに起訴する方針だ。

 医療関係者が05年3月に公表した事故報告書によると、04年12月17日午後2時過ぎ、手術が始まった際、手術室には加藤容疑者と、外科医1人、麻酔科専門医1人、数人の看護師がいた。その後の県警の調べで、作山洋三院長も、同日午後3時15分に輸血用血液を、いわき市の血液センターに発注した後に、手術室に入ったことも分かった。

 県警は、手術時の様子を捜査するため、複数の病院関係者から事情を聴いてきた。

 県警によると、女性の胎盤をはがし、大量出血が起きた後、手術室に入った作山院長が、加藤容疑者に、ほかの医師に応援を頼むことを提案したという。だが、加藤容疑者が提案に応じず、1人で手術を続けたという。これについて、複数の捜査関係者は「(加藤容疑者が)自分の技術を過信していたことが、医療過誤に影響したのではないか」などと話している。

 関係者の話では、加藤容疑者は手術前、大野病院と以前から連携している民間病院の産婦人科医に、緊急時に応援に来てもらえるように依頼していた。女性やその家族に対しても、この病院名を挙げて、もしもの場合は応援してもらうと説明していた。

 女性は、子宮に胎盤が癒着する「癒着胎盤」の状態だった。癒着胎盤をはがす際には大量出血するおそれがあるが、加藤容疑者は手術前、女性が癒着胎盤かどうかを、強く疑ってはいなかったという。

 県によると、加藤容疑者は、大野病院ではただ1人の産婦人科医だったが、癒着胎盤の手術経験はなかったという。加藤容疑者は弁護士に「あんなに血が出るとは思わなかった」などと説明しているという。

この記事には本当に腹が立ちました。以下ツッコミ。

院長が手術室に入って応援要請の提案をした、と言いますが、どうして院長がこの期に及んで彼を売るようなことを言っているのか分からりません。隠し事をして彼をかばえと言っているわけでは無いですが、どちらかというと責任逃れに感じます。
そもそも院長だって医師なんだから、応援を呼ばなきゃダメだと思ったら、術者が断っても自分で呼べばいいじゃないの?院長権限で。
最近の医療訴訟では「もっと強く(治療などを)勧めるべきだった」と(医師側が)負けている判例がいっぱいありますよ。何度も強く勧めましたか?

まあ、血液がなかなか届かない場所で応援を呼んだからって、どのくらい状況が変わったかは疑問ですけど。

それに、この記事を読むと、(何度も出ていることではあるけど、)あたかも癒着胎盤が術前診断可能だったように一般の方は感じるでしょう。また、癒着胎盤の手術経験が無い人が帝王切開をすることが危険のように感じるでしょう。
でも癒着胎盤の術前診断は、ほぼ不可能です。帝王切開をはじめて、赤ちゃんが出てからはじめて分かることです。

それに癒着胎盤の執刀経験が無い医師なんてたくさんいますよ、というかかなり多くの人がそうだと思います。
私も経験が無いのですが、やめて良いですか。

最近の朝日新聞の記事や、医師会の声明などを受けて、検察側が起訴を正当化するために情報を流しているのではないかと、思わず勘ぐってしまいます。

2006年3月 8日

抗議声明

先日の逮捕事件に対する、医師有志からの抗議声明です。

                      声明

はじめに、お亡くなりになられた方、そしてご遺族の皆様方に深甚なる哀悼の意を捧げます。

平成十八年二月十八日、福島県立大野病院に勤務していた産婦人科医が、帝王切開中の大量出血により患者さんが死亡した件において業務上過失致死罪、および異状死の届出義務違反(医師法違反)で逮捕されました。

逮捕直後から、インターネット上で逮捕拘留という事実に対しての驚きや憤り、今後の診療上の不安など産婦人科に限らず多くの診療科の医師より意見が寄せられ、有志が集まり当グループを発足しました。三月七日時点で四百五十名を超える医師が参加しております。

この件におきましては、一年前に家宅捜索は終わり、主要な関係者の調書作成も終了しております。また福島県は事故調査を行い、報告書が作成されたうえで処分も行われております。さらに加藤医師はその後も大野病院唯一の産婦人科医として献身的に勤務し続けており、『逃亡のおそれ』『証拠隠滅のおそれ』とする福島県警の逮捕・勾留理由は到底我々には理解出来ないものであります。

前置胎盤、ならびに現在の医療水準では事前の診断が困難とされている癒着胎盤が大量出血の背景にあったということに関しまして、医学的な見地からも議論を重ねてまいりましたが、大野病院の置かれた環境、輸血供給の現状での加藤医師の判断は妥当であったと考えられます。
 我々は加藤医師の不当な逮捕に対して抗議致します。

我々は日常の診療において、いかなる状況に於いても最善の医療を提供することを目標としております。病との戦いから助けるべく、持ちうる技術や能力を最大限に駆使して治療を行っております。しかし医学がこの数十年で飛躍的に発達したとはいえ、百%安全と言える薬や百%安全と言える手術はこの世に存在しません。今後いかに医学が発達しようとそれは事実として変わらないでしょう。
 今回の件のように、診療上ある一定の確率で起こり得る不可避なできごとにまで責任を問われ、逮捕、起訴されるようであれば、もはや医師は危険性を伴う手術など積極的な治療を行うことは不可能となり、医療のレベルは低下の一途をたどると思われます。
 地域医療への影響も大きく、既に福島県内において、今回の逮捕を契機に産婦人科医の一部病院への集約が予定されている事実は、報道に於いて既知の通りです。今後、福島県内のみならず、全国的に過疎地域における医療従事者の減少が更に加速し、結果として地域住民に対し多大な影響が及ぶことが懸念されます。

もし、この件が逮捕に相当するのであれば、今後、通常の医療業務を行っている医師の中からも相当数が逮捕されるであろうと予測されます。この状況では日本の医療は崩壊します。
 このような医療の崩壊への流れを食い止めるためにも、今回の件に限らず警察や司法に適切な医学的考察にのっとった判断をしていただくよう要請致します。
加藤医師を支援するグループ

発起人
木田博隆 新村 進 大野明子 金澤信彦 鍋島寛志
淵上泰敬 池澤孝夫 北澤 実 船戸正久 ほか

*3月9日、ウェブ上のものに変更しました。

*3月10日追記 この抗議声明に800名の医師が同意の署名を行っています。募集開始からたった50時間で、それだけの数の署名が集まりました。

この件に関心がある人とそうで無い人の温度差が、最近ちょっと気になります。
私のブログも、「何をムキになって」という風に感じる向きもあるかも知れないな。

2006年3月 6日

漫画のように上手くいけばいいのにねぇ。

福島県の産婦人科医逮捕事件に関連して、神奈川県産婦人科医会が抗議声明を出しましたね。結構強めの論調ですね。でも、かっこいいです、神奈川県産婦人科医会。思わず神奈川県の病院に転職しようかと思ってしまったくらいです。
しかしあの横浜ですら深刻な産婦人科医不足が問題になっており、神奈川も大変なんですよね。

それはさておき。
最初にこの話を読んだときに「何だこりゃ!」と思ったものの、でもまあ漫画のことに目くじら立ててもね・・・と思っていたものなのですが。ちょっとタイムリーな部分が数カ所あることもあり、また医者の見方と一般の方の見方はかくも違う物なのか・・・という一つの例示として出したいと思います。

さて。「Dr.コトー診療所」にも前置胎盤の話が出てくるのを知っていますか。
10巻の109話。定年を迎える郵便屋さんが主人公のお話です。

Dr.コトー診療所 (1) Dr.コトー診療所 (10)

郵便屋さんが配達の途中に、事故を起こして動けなくなった妊婦さんを発見し、自転車で診療所に運ぶ、という話なのですが。診療所に着いてからのコトー先生と星野さんの会話。
「子宮口は全開してる」「でもこの出血は異常です」
「胎盤が子宮口にかかってるんだ。」
なんとここで初めて前置胎盤(たぶん部分前置胎盤ですかね)の診断です。遅っ。しかもこの妊婦さんは、1巻で子癇発作を起こして緊急帝王切開を行ったハイリスク妊婦。島で検診してるのが不思議なくらいです。前回帝王切開の前置胎盤・・・どこかで聞いたキーワードですが、作中には癒着胎盤のゆの字も出てきません。しかも、
「すぐに帝王切開しないと・・・先生、間に合うんですか?」
「帝王切開はやめよう。コッヘルで卵膜を破いて、胎児の頭を産道に進めます。それで止血できるかも知れない」
経膣分娩を強行です!
しかしその後無事に元気な男児が産まれ、母体も問題なかったという。
母児ともに問題なかったのは、まさに漫画だからとしか思えないんですが・・・。

でも、この話の感想をネット上でちょっと検索すると、ほとんど「良かった」「感動した」って書いてあるんですよね。
評価されるのは結果だけなのだとしたら・・・ちょっと悲しいかな。

ちなみに別の巻では、前期破水→臍帯脱出→戻したらその後足脱出→それも戻して下からお産 という、産婦人科医にとっては身の毛もよだつお話も出てきます。

2006年3月 5日

coccolo @自由が丘

自由が丘にご飯食べに行ってきました。
行ったお店は、イタリアンテイストの創作和食 coccolo
野菜中心の創作料理屋さんといった感じ。ゴルゴンゾーラ入りのオムレツや、ローズマリーポテトが美味しかったです。
予算的にはひとり3000〜4000円くらいでしょうかね。軽く飲んでおしゃべりするのに良さそうなお店でした。

coccolo
目黒区自由が丘2-14-5 2F
03-3723-5501
[map:東京都目黒区自由が丘2-14-5]

その後は、夫にくっついて、とあるIT系ベンチャーの方(?で良いのかな?表現おかしかったらごめんなさい)のラボに遊びに行きました。
おしゃれだ・・・。そしてそこに集う方々も、生き生きとしてて良い感じ。
医局に集う人たちのどんよりした目とは対照的。
私たちも、こんな風に仕事が出来たら良いのにな、と思ったのでした。また元気を分けてもらいに遊びに行こうっと。

支援するグループ

もう周知のこととは思いますが、先日の福島県の事件に関連して、逮捕された産婦人科医を支援する有志医師のグループが出来てます。
Yahooグループ内にあるものなんですけど、医師であることを確認するために、
まずm3.com(So-net の医療専門サイト)に入会して、そこの掲示板で一言書くということになっているようです。
昨日から入り口専用掲示板がm3.comの中に出来て、多少分かりやすくなったようなので、一応案内しておきます。

支援グループは続々と会員が増えていて、関心の高さを感じます。

2006年3月 4日

支える会

先日の産科医逮捕事件に関連して、福島県産婦人科医会に「支える会」が出来たようです。
募金も募集しています。
福島県産婦人科医会のHPをご参照下さい。

2006年3月 2日

県立大野病院産科休診。

 大熊町の県立大野病院の産婦人科医が医療過誤で逮捕された事件を受け、同病院は1日までに、産婦人科を11日から休診とすることを決めた。
 病院によると、先月18日に医師が逮捕されて以降、県立福島医大の複数の医師が1―2日交代の非常勤体制で診療に当たってきたが、医大側から「医師不足のためやりくりができず、これ以上の派遣継続は難しい」との連絡があったという。

関連→S.Y.’s Blog

大野病院にかかる代名詞が「医療ミスの」ってのがまたすごいですが・・・。
地域の方々には申し訳ないですけど、新たに医師を派遣してまた一人医長で診療続行、という話にならなくて良かった、というのが正直な感想です。

しかしやはり、住民の方々からは産科再開の要望が上がるかも知れませんね。もしかしたら、他の多くの地域のように署名運動などが起こるかも・・・。

最近、日本中の各地で産科の休止が相次ぎ、近隣でお産が出来なくなった地域で署名運動などの住民運動が行われていることが頻繁に報道されています。
それらの多くで使われる言葉が、「安全なお産のために」「安心してお産をしたい」。
でも、産科医がたった一人の状況で、安全・安心なお産が出来るはずは無いです。そんなものはただの幻想です。
三井病院のホームページで、院長のメッセージとしてこう書かれています。

分娩時に何が恐ろしいかというと、分娩後の出血です。もしその場に医師が居合わせず、きちんとした処置をしないと30分で母体死亡を起します。アメリカではすでに一人の医師では妊娠の管理までは行えますが、分娩を扱うことは許されていません。必ず契約した病院で複数の医師のもとで行わねばなりません。外科も同様です。

大野病院事故報告書を読みました。
ここに書かれていることが本当なら、この医師はベストを尽くしたと思います。当初、はさみで胎盤をはがそうとしたことだけが強調されたので、もしかしたらそれはダメかなと思いましたが、全体の流れで考えると、それは仕方がなかったことかも知れません。私が同じ立場に立ったとき、これ以上のことが出来る自信は全くありません。
マンパワーと輸血が十分な病院では助かったかも知れませんが、そこでも不幸な結果になった可能性は十分にあると思います。
母体が亡くなったのはたいへん気の毒なことだと思いますが、この医師の責任とはやはり思えないのです。

近隣住民の方々が産科再開をのぞまれるのなら、もう一人医長だけはやめてあげて下さい。
どんなに産科医の首をすげかえても(そんなに沢山居ませんが)、一人医長で続ける限り、そのうちまた不幸なことが起こると思います。患者さんにとっても、医師にとっても。

追加。もしマスコミ関係の方がこのブログをご覧になっているようなら、是非、この産科医逮捕について多くの産科医が疑問に感じているということを報道して下さい。これは慈恵医大青砥病院の事故とは全く違うものです。身内びいきなどではありません。そして、このような出来事が、今後の産科医不足に拍車をかけることは間違いないと思います。