横浜市の堀病院での「無資格助産行為」。
今朝の新聞を見たら、一面と社会面に大きな記事が出ていて、それほどまでに関心が高い話なのだとびっくりしました。
違法行為について擁護する気は無いです。(とはいっても、助産師が十分足りているところなんて、大学病院か周産期センター以外には見たこと無いですがね)
ただね、看護師さんに内診をさせていたことと、今回の母体死亡は、恐らく全然関係ないと思うんですよね。
でも一連の記事を読むと、恐らく一般の方はそれが原因のように感じるのでは無いでしょうか。
あと、横浜市は現在でも分娩施設が激減し、大きな問題になっていると思うんですが、そこにこういう大打撃を与えて、いったいどうしたいのですかねぇ。
具体的にどうなって欲しいと思ってるんでしょうか。横浜市の偉い人に聞いてみたいものです。
もちろん実現可能な案をね。
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無資格助産行為で病院を家宅捜索 院長「必要悪」と
年間出産数が約3000人と日本有数の産婦人科「堀病院」(横浜市瀬谷区二ツ橋、堀健一院長)で平成15年12月、医師か助産師にしか認められていない出産時の助産行為を看護師らに行わせていたとして、神奈川県警生活経済課は24日、保健師助産師看護師法違反の疑いで同病院内9カ所を家宅捜索した。同日以降も堀院長の自宅や関係事務所などを捜索。押収したカルテや分娩(ぶんべん)記録などを分析し、立件を視野に捜査を進めている。
県警によると、同法違反で医療機関に強制捜査が入るのは異例。
堀院長は「(看護師の内診を)明日からも続ける」と“全面対決”の構えだ。
調べでは、同病院は15年12月29日、入院中の神奈川県大和市内の女性=当時(37)=が出産する際、子宮口の開き具合や胎児の状態などを確認する内診を、助産の資格を持たない看護師や准看護師3~4人にさせていた疑い。
女性は同日午後7時40分に女児を出産したが、出血多量で止血できなくなり、同日中に県内の別の病院に転院。子宮摘出手術を受けたが手術中に心肺停止し、蘇生(そせい)したものの多臓器不全で16年2月に亡くなった。
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■助産師の偏り背景/安全認識の低さ指摘も
看護師による無資格の助産行為をめぐっては、厚生労働省が平成14年11月と16年9月の2度にわたり、出産時の内診については「看護師が行ってはならない」との通知を各都道府県に出した。
これに対して日本産婦人科医会は、「助産師を確保できない診療所もあり、その大部分は、医師の指示下に看護師が助産行為をしている」と認め、通知撤回を求める要望書を厚労省に提出している。
国内に約2万6000人(平成16年)いるとされる助産師は、勤務環境の良い公的病院に集中し、個人経営の診療所で不足する「偏在」が問題になっている。
国立成育医療センターの久保隆彦産科医長は、「医師の指示のもとで介助することが違法ならば、地方の開業医などで分娩を行うことは困難になる」と予想する。
しかし、厚労省は「全体数が少ないとは考えていない」との見方を示しており、保助看法についても「すぐに見直すことはない」としている。
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堀病院のホームページによると、同病院が昨年1年間で取り扱った出産の件数は2953件で、常勤の医師は7人、常勤助産師は5人。年間約1500件の分娩を扱う都内のある病院では常勤医15人、常勤助産師45人の布陣だという。これに比べれば、“日本一の出産数”を誇る病院としては脆弱(ぜいじゃく)な態勢だった。
医師と助産師以外の助産行為をなくす活動をしている「陣痛促進剤による被害を考える会」の出元明美さん(53)は「知識のある助産師よりも自分の指示によく従う看護師の方が使いやすいと考えている産科医師もいる。今回の事件は氷山の一角ではないか」と指摘。「患者には看護師なのか、助産師なのか見ただけでは分からず、事故があってから無資格と分かることが多い。医療機関として安全に対する認識があまりにもなさすぎる」と警鐘を鳴らす。
同会の独自調査によると、看護師や准看護師が助産行為を行った結果、昭和59年~平成17年までに少なくとも14件の医療ミスが発生し、胎児や母親が死亡したという。
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【院長 1問1答】
--看護師と医師の役割分担は
「赤ん坊を取り上げたのは全部医師。分べん室に行くまでは病室で看護師が内診していた」
--違法性についての認識は
「厚労省通知で看護師による内診の禁止は知っていた。助産師を集めようとはしたがなかなか集まらなかった。通知後もやっていたのは、看護師でもできるから見過ごしていた。でも、看護師に内診行為をさせたのは私の責任」
--違法性を認識していながらなぜしたのか
「お産を減らすわけにはいかなかった。開業医で助産師をしっかりそろえられるところは少ない。うちが特殊かどうかは調べてください。必要悪です」
--内診と女性死亡の因果関係は
「開業当時の40年ほど前から看護師の内診は続けていた。分娩は医師が担当しており、因果関係は全くないと認識している。違法行為はしたが、それとは別と考えてください」
--明日からも看護師の内診を続けるのか
「明日からも続ける。しようがない。続けなければ患者をほうり出すことになる」
(08/25 09:28)