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2008年8月20日

大野病院事件・無罪判決

いろいろな事からブログの更新をお休みしていました。
が、この事件を忘れていたわけではありません。今日は大野病院事件の判決の日でした。

無罪判決となり、本当に良かった。

はじめてこの事件に関する記事を書いてから、3年半近くになります。
逮捕されたときには、ただ呆然としてしまい、その後怒りがわいてきました。
支援するグループにも名前を連ねさせて頂き、ずっと見守っていました。とても他人事には思えなかったからです。
この間に産科医不足が急加速し、テレビなどでその話題を見ることも珍しくなくなりました。
今後の動向も、静かに見守りたいと思います。

まだ心休まる時が来るまでは時間がかかるでしょうが、K先生にはお体を大切にして頂きたいなと思います。

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2007年2月 9日

脱力

今になってこういった記事を出す意図は何なんですかね。
いろいろとツッコミを入れたい部分はありますけど、その気力も起きませんよ。


 「17年間、産科医療がほとんど変わっていない現実が悔しかった」

 厚生労働省中央社会保険医療協議会の委員を務める勝村久司さん(45)はそう話す。奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月に起きた医療事故のことだ。同県五條市の高崎実香さん(32)が分娩(ぶんべん)中に脳内出血になり、19病院から転院を断られた末に、搬送先の病院で8日後に死亡した。

夫の晋輔さん(24)が事故後初めて病院を訪れたとき、担当医は「ミスだった」と認めた。だが、10月に応対した院長と弁護士は一転してミスを否定した。「病院側に問題はない。提訴してください」。弁護士はそう言った。

 それでも晋輔さんが、実香さんが意識を失っているときに担当医が仮眠をとっていたことなど、対応の不十分さを指摘すると、弁護士はみるみる表情を変え「誠意ある対応をします」と引き下がった。連絡はまだない。

 12月に大阪市内で開かれた会合で、実香さんの遺族は「真実を知りたい。同じことが繰り返される構造を、改めたい」と訴えた。会場にいた勝村さんは、この思いが痛いほど分かった。

 高校教諭の勝村さんが医療問題にかかわるようになったのは、初めての子だった長女、星子(せいこ)ちゃんの出産と死がきっかけだった。

 平成2年12月2日、当時29歳だった妻の理栄さんは陣痛がないにもかかわらず、枚方市民病院に入院させられた。「子宮口を軟らかくする薬」との説明で陣痛誘発剤(促進剤)を飲まされた。ぜんそくの既往歴のある産婦の場合、厳重な管理が必要な薬だったが理栄さんは放置された。

 異常に強いおなかの張りと息苦しさを、理栄さんは訴えた。それを聞いた医師は「しゃべれるから陣痛が弱い」と判断し、さらに陣痛促進剤の注射を指示した。胎内の星子ちゃんは強く圧迫され続けた。

 医師が分娩監視装置を取り付けたとき、星子ちゃんは仮死状態だった。緊急帝王切開で星子ちゃんを取り出し、なんとか蘇生(そせい)したが9日後、短い人生を閉じた。あまりに小さな亡きがらを前に、家族は何度も泣き崩れた。

 星子ちゃんの死後、事実経過をたずねる勝村さんに、医師はやむを得ず起きた事故のように装った。カルテを改竄(かいざん)し、うその説明を繰り返した。

 「この医師と病院は同じ過ちを繰り返す。星子と同じ被害者を生む」

 勝村さん夫妻はそう確信し、4年3月に枚方市民病院を運営する枚方市を相手に提訴した。1審は敗れたが、11年3月の大阪高裁は、病院が不必要な陣痛促進剤の投与後、理栄さんの分娩監視を怠り、帝王切開の判断が遅れたことが星子ちゃんの死亡につながったと認め、逆転勝訴の判決を言い渡した。判決は確定した。 分娩にともない脳性まひを負った新生児に、過失の有無にかかわらず補償する無過失補償制度の本格的な設計が、今月から国で始まる。勝村さんは補償だけ先行し、原因究明を置き去りにする制度になってしまわないかと危惧(きぐ)している。

 「事故をゼロにするためには、医師、病院は被害の事実に向き合い、過ちを見つけ改善しなければならない。無過失補償制度が、虚偽の説明やカルテを改竄する悪質な医師や病院を放置することになってはいけない」

 今月12日午後、東京都千代田区のアルカディア市ケ谷で、勝村さんが世話人を務める陣痛促進剤による被害を考える会は、産科医療における無過失補償制度を考えるシンポジウムを開く。被害者の声に耳を傾けた補償制度、医療システムづくりを訴えるつもりだ。

 死因の究明と再発防止。医療事故で愛する家族を亡くした人たちに共通する願いだ。病院の説明に納得できなければ裁判を起こすしかないが、法廷での対立はさらに遺族を傷つけかねない。医療者と患者の溝は埋められるのか。

(2007/02/08 13:16)

2007年1月26日

とうとう初公判

福島事件(福島県立大野病院の医師逮捕事件)の初公判が、とうとう始まりました。

私たちがこの事件および裁判に重大な関心を持つわけは、いつ自分が同じ立場に立たされるか分からない、という切迫した思いがあることが大きいと思います。
分娩や手術に関わる限り、どんなにきちんと注意深くやっても逮捕されるリスクから逃れることは出来ません。
逃れるには、医療をやめるしか無いのです。いわば立ち去り型サボタージュです。

すでに多くの人が、リスクのある患者さんを早期に手放したり、なるべく分娩・手術に関わらないようにしたり、という消極的なサボタージュを始めていると思います。
このままではリスクのある診療をする人が居なくなってしまうでしょう。
この流れが加速するかどうかは、この事件の行方次第です。

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2007年1月15日

馬プレ

お知り合いのブログでも取り上げられてましたが。

馬の里・遠野市、常勤医確保へ馬のプレゼント作戦

 医師不足に悩む岩手県遠野市は2007年度から、同市にある県立遠野病院に勤務する医師に、乗用馬をプレゼントすることを決めた。

 馬産地としての魅力を生かし、医師確保につなげるのが狙いだ。

 遠野病院は産婦人科の常勤医が02年4月から、06年11月からは整形外科の常勤医が不在となっている。

 市が目をつけたのが馬。遠野市は毎年秋に乗用馬の競り市が開かれ、育成調教施設「遠野馬の里」もあり、乗馬を楽しむ環境が整っている。市は遠野病院に常勤医として赴任する医師がいた場合、競り市で日本スポーツホース種などサラブレッドと変わらない体格の乗用馬を購入、贈呈。06年度の同市の競り市で、乗用馬1頭は平均170万円だった。馬の預託料は医師に負担してもらう。「遠野馬の里」に預ける場合は、月6万3000円となる。
(2007年1月11日14時39分 読売新聞)

遠野の病院に就職すると、馬をもらえるらしいですよ!
すごいですね。
えーと馬って欲しい物なんですか? それとも財産として?

2006年12月30日

首都圏にも産科崩壊の波

「お産ピンチ」首都圏でも 中核病院縮小相次ぐ
2006年12月30日06時10分

 東京都心の都立病院などが、お産を扱うのを休止したり、縮小したりしている。それも、生命が危険な出産前の母と胎児の治療から、出生直後の新生児の治療までを一貫して担う「周産期母子医療センター」で目立つ。大学病院の医師引きあげなど地方で深刻化していた問題が、ついに都心にまで波及してきた形だ。病院も医師も多く、埼玉や千葉などからも患者が集まる東京。中核病院のお産縮小の影響は、首都圏に及びそうだ。

 都立豊島病院(板橋区)は9月から、お産を全面休止している。

 同病院は、新生児集中治療室(NICU)6床を備えた地域の周産期センターで、年約900件のお産を扱ってきた。しかし現在は、他の病院から搬送されてくる低出生体重児などをNICUで受け入れているだけだ。

 定員6人の常勤医師が今夏、2人に減少。「非常勤を含めても当直などが満足にできない状態になった」(都病院経営本部)という。

 都立墨東病院(墨田区)の産科は11月から、新たな患者や、予約がない外来診療を受けず、年間1000件以上あったお産を縮小している。

 12床のNICUがある同病院の総合周産期センターは、いわばお産の救命救急センター。だが、常勤医は定員9人に対して5人。「周産期センターとしての役割にマンパワーをあてた」(同本部)結果、外来を縮小せざるをえなくなった。

 大田区の荏原病院(都から東京都保健医療公社に移管)も、1月から産婦人科の常勤医を減らし、お産を縮小するという。東京逓信病院(千代田区)も28日、産科の診療とお産を休止した。

 影響は周辺の病院に及んでいる。豊島病院から約1キロの距離にある日大板橋病院。豊島病院がお産を休止した翌10月には、それまで月70件ほどだったお産が100件近くに急増した。

 日大病院も総合周産期センターに認定され、ハイリスク出産も多い。救急搬送されてくる妊婦を年に80~100人受け入れているが、その倍以上を断っているという。

 「このまま出産数が増えるとハイリスク出産は受けられなくなり、周産期センターとしての責任が果たせない。通常のお産は、受け入れを制限する必要が出てくるかもしれない」という。

 東京は、埼玉や千葉、神奈川の妊婦の「受け皿」でもある。特に出産費用が約30万円と安い都立病院は人気で、埼玉と都心を結ぶ東武東上線沿線の豊島病院には、埼玉から来る人も多かった。

 埼玉県の医師1人あたりの「出産扱い件数」(出生届数を産婦人科医数で割った数)は昨年、全国最多。総合周産期センターは県内に1カ所だ。そのセンターを運営する埼玉医大総合医療センターの関博之教授によると、救急患者の受け入れは、依頼の4~5割ほどという。

 「東京の病院で引き受けてくれる数が減ってきて、限界のところでやっている」と話す。

崩壊の波が都内まで・・・という記事なんですけど。

先日、医療界とは全然関係ない人と話をしたときに思ったこと。
「産科が減っていると言うけど、堀病院みたいにいっぱいお産をするところに取られてるんじゃない? ほら最近少子化だから。」
と言った方がいました。
産科が減っている原因を少子化による経営困難かなんかだと思っているみたい・・・。

また別の人。こちらはかのF県在住の方。
「産科が減ってるってテレビでやってたけど、うちのあたりはまだ選択肢あるし、減ってる感じしないねー。」
それは選択肢の病院が無理して頑張ってるからだと思うのですが・・・。

結局自分が困らないと分からないという人は多いのだろうと思う。
やっぱり崩壊してしまうのかもしれない。
記事に出てくる病院はあちこちで産科医を募集してるけど、待遇よりも使命感に訴えるものばかりですし・・・。

2006年12月22日

奈良・大淀病院分娩中止

奈良・大淀病院、分娩対応中止へ 県南部のお産の場消える

2006年12月22日

 奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、重体になった妊婦(当時32)が計19病院に搬送の受け入れを断られた末、大阪府内の病院で死亡した問題で、同病院が来年3月で分娩(ぶんべん)の取り扱いを中止することがわかった。同病院の産婦人科にはこの妊婦を担当した常勤の男性医師(59)しかおらず、長年にわたる激務や妊婦死亡をめぐる対応で心労が重なったほか、別の産科医確保の見通しが立たないことなどが理由とみられる。

 県などによると、同病院は来年3月末で分娩対応を中止し、その後は婦人科外来のみ続ける方針。スタッフの拡充を検討したが、県内の公立病院に産科医を派遣してきた奈良県立医大が医師不足に陥っていることなどから、新たに医師が確保できず、分娩継続ができないと判断した。

 この男性医師は、県立医大から非常勤の医師の応援を得ながら、年間150件以上のお産を扱っていた。宿直勤務は週3回以上で、妊婦が死亡した後、「この病院で20年以上頑張ってきたが、精神的にも体力的にも限界」と周囲に漏らしていたという。

 県南部では、県立五條病院(五條市)が4月に産科医不足から分娩取り扱いを中止しており、大淀病院がお産を扱う唯一の病院だった。県幹部は「早急に県内の周産期医療のあり方を見直さねばならない」と話す。


私たちから見たら「そりゃ辞めるでしょう」だけれど、一般の方々の目には「なんて責任感のない!」と写るのかも知れません。
でもね、本当に今までみんな無理してたんですよ・・・。
表には出せないネタは数え切れないほどあります、崩壊は急速に進んでいますよ。

2006年12月21日

もう少し自分の与える影響を考えて欲しい。

だいぶ間が空いてしまいましたが。
先日の「カスペ!」。腹立つだろうな~と思いつつも見て、やっぱり腹を立ててました。産科の部分は我慢して見たけど、それ以外はとても見る気になれませんでしたよ。

というわけで他科の部分でどんな話が出ていたかは知らないですけど、産科については「陣痛促進剤による胎児死亡事例」を取り上げてました。
細かいことは忘れたけど、破水か何かで入院した妊婦さんが、「子宮口を柔らかくする薬です」と陣痛促進剤の飲み薬(PGE2と思われる)を渡され、その後しばらく放置され、看護師が心音を確認に来たときには赤ちゃんの心拍が遅くなっており、緊急帝王切開したけれど赤ちゃんは助からなかった、というものだったと思います。
それに続くデータとして、「曜日別分娩数」を提示し、「平日に分娩が集中しているのは医者の都合だ!」という流れ。
覆面の医師(ニセ医者にしか見えないけど)が「自分も休日に休むために平日に促進したりしますよ」という話をする。

これを見た一般の方達が思うことは、
「陣痛促進剤は医者の都合で使う物。使うと赤ちゃんが死ぬ。」
でしょうねぇ。

実際、今週に入って、過期妊娠で陣痛促進をすすめた妊婦さん2人に、促進剤の使用を断られました。「促進剤を使うくらいなら、帝王切開にして下さい」と言われました。
帝王切開にもリスクはある、と言う話をしてもダメ。「とにかく促進剤だけはイヤです」の一点張りです。

テレビで提示された事例で問題なのは、本当は「促進剤の使用方法」であって、促進剤そのものでは無いのに。
促進剤を使うことで助かった人たちもたくさん居るのに。
促進剤を使わないでやみくもに帝王切開をやりまくった結果、合併症が激増したら、テレビは何か責任を取ってくれるのでしょうかね?
帝王切開の最も重大な合併症は肺塞栓です。発症したら、どんなに医療設備の整った病院でも母体死亡を招く可能性があります。

2006年12月 9日

産科をやめる理由

こちら、各所で話題になり始めているようですが。
あまりにも正直な意見が書かれていてびっくりしました。

 当院は、2000年の開院から、「産科のオーク」として多くの妊産婦様のご支持をいただいて来ました。しかし残念ながら、2007年3月末をもって、分娩の取り扱いを終了することになりました。これには、次の理由があります。

1. 厚生労働省看護課長通知によって、看護師による分娩時の内診が禁止されたこと。
2. 信頼関係のある患者様ばかりではなくなっていること。
3. 産科医療のシステムが破綻しつつあること。

これ以降の文章もなかなか興味深いので、まだの方は是非ご一読を。続きのほうに全文コピペ。

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2006年12月 7日

医学会の声明と来週のカスペ

だいぶ放置気味になってしまいました・・・。
すごく忙しかったわけでは無いんですけど、最近普通に仕事をしているだけでもすごく疲れて。
どこかに出かける気力も無いので、毎日家にいる時間はひたすらご飯を作ってました。料理してるとイヤなことを考えないで済むような気がするんで。

さて、福島事件に関連して久々に動きがあったようで。
日本医学会が声明を発表しました。(全文はつづきのほうで)
もうすぐ公判が始まるのを受けてということですね。

そして・・・来週のカスペ!の予告HP。
『今、日本がおかしい! 現役ドクター大告発!アナタの命を救う病院教えますスペシャル』ですってよ・・・。
しかも主力テーマの一つがこれですよ。

○ペテン師産婦人科のひどさに涙  医師の都合によって患者に陣痛促進剤を渡している、などなど産婦人科の知られざるひどい実態を知らされ、あまりの残酷で許しがたい行為に、2児の母でもある北斗晶は涙ぐんでしまった。  さらに北斗は自分自身が初出産の際に体験した信じられないサイテー産婦人科についても激白!  ここでは、これまでの常識を打ち破り、安心して出産から出産後まで連携したケアをお願いできる病院を紹介する。

パネラーに陣痛促進剤による被害を考える会の方を呼んでのこういう話って、ちょっと時代遅れすぎませんかね。イマドキ促進剤を乱用する人が居るんだろうか。
あまりに残酷で許し難いのは、この番組作ってるフジテレビじゃないのかね・・・

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2006年11月28日

産科手当

産婦人科医に手当支給へ
市立長浜病院が医師確保で

 医師不足が深刻な診療科の医師確保に向け、市立長浜病院(長浜市大戌亥町)は一月から、産婦人科医の勤務日数と出産業務に従事した回数に応じて、それぞれ特殊勤務手当を支給する方針を決めた。市は二十七日開会の定例市議会に関連の条例改正案を提案した。 (小池豊徳)

 日本産科婦人科学会などによると、昼夜を問わない勤務や医師数に対する訴訟件数の多さなどから、全国的に産婦人科医は減少している。このため総合病院などでは、診療科の維持に向け、医師の給与、手当の見直しなど処遇面の改善が広がっている。

 条例改正案では、産婦人科など医師確保が困難とされる診療科の常勤医師に対して、勤務一日につき上限一万円を支給。同時に、産婦人科医が従事する出産一件につき上限五千円を支給する。当面は勤務一日五千円、出産一件三千円とする考え。

 同病院の出産件数は年間約三百五十件。今年一月から産婦人科の常勤医師が一人減員となり現在は二人態勢。

 減員に伴い毎週木曜日の外来を休診し、婦人科の手術などにあたっている。土曜、日曜日にはアルバイト医師が待機している。

 同病院では「産婦人科医は毎日が待機している状態であり、勤務の実態に応じた手当は必要。このままでは産婦人科の維持も困難になりかねない」と、制度新設の理由を説明している。

 県内では公立甲賀病院(甲賀市)が昨年十月から、産婦人科医に月八万-十万円の産科手当を支給している。

前半の長浜病院における手当は、まあそんなに大したことでは無いですが、最後の2行。
産婦人科医である、というそれだけで、月8~10万の産科手当!
すごい。いよいよ真の絶滅危惧種という感じですね。

いや、傍観者になってはいけない。
そもそも、最近「ハイリスク分娩加算」が導入されたいきさつに、産科医への還元があったはずなので、どこの病院でも支給されてしかるべきなんですよね。
うちの病院も出して下さい。って今度言おう。

2006年11月22日

無料視察ツアー

今、読売で「特集<お産>」というのをやっているらしいんですけどね。
その中にこんな記事が。

〈自然を余すことなく満喫できる地。その目で町の雰囲気や病院、診療所を見てください〉

 産婦人科医をはじめ、へき地の医師不足が深刻な島根県。9月から、ホームページで、島根での勤務に関心を持つ医師や家族を対象にした、2泊3日の無料視察ツアーへの参加を呼びかけている。

 神戸市内の内科医(38)は、産婦人科医がいなくなり、出産のために妊婦たちが海を渡った離島・隠岐の島町を視察した。「今の便利な生活を捨てられるかというと、まだ、踏ん切りがつきません」。それが、正直な気持ちだ。

 「現代の赤ひげ先生はいるはず」と担当者は期待するが、これまでに島根を訪れた医師は3人。色よい返事は、まだ返ってこない。

なんと、無料視察ツアーというのがあったとは。島根に無料で観光に行けてしまうんですね。
ちょっと探したら見つかりました。
島根県で働きたい先生を大募集
2泊3日のツアーを県が負担してくれるそうです。

もちろん冷やかし半分では失礼にあたるので、当面は私は行くことは無いですが・・・。

2006年11月17日

無過失保証制度

出産時事故:「無過失補償」導入へ 民間保険活用、医師が費用負担

 政府・与党は17日、新生児が脳性まひで生まれてくるなど出産時の事故に関し、医師の過失を立証できなくとも患者に金銭補償する「無過失補償」制度を、07年度に創設する方針を固めた。民間保険を活用、保険料負担は医師に求めるが、負担増対策として健康保険から支払う、現在35万円の出産育児一時金を2~3万円増額する。新生児1人につき2000万~3000万円の一時金を補償する方向で調整する。

 財源に関し、日本医師会は税負担を求めているが、与党は「国が直接かかわる話ではない」として、親に支払う出産育児一時金を活用することにした。一時金を増やせば、やがて出産費がアップし、その分医師の収入増につながるため、医師に保険料を負担してもらう構想だ。

 民間保険会社に新たに「無過失補償」の商品を企画してもらい、産科医が任意加入する形をとる。保険料の決め方などの詳細は今後詰める。先天性異常の場合は、補償対象としない。将来的には、自動車損害賠償責任保険のような強制加入の制度に移行することを想定している。

 政府は、出産育児一時金を37万円にアップすれば、医師全体で約200億円程度の増収となり、事故一件につき2000万円の補償が可能になるとみている。

 政府は補償金に税投入はしないが、民間保険会社の支払い審査、原因分析といった事務費の半額、数億円を「少子化・医師不足対策」名目で税負担する。

 医療事故に絡む民事訴訟件数は年々増えており、04年は1110件と10年前に比べ倍増している。なかでも産科(143件)は、件数こそ内科などに次ぐ4位だが、医師1000人当たりでは11・8件と最も多い。このことが産科医のなり手不足を招いている、との指摘がある。【吉田啓志】

毎日新聞 2006年11月17日 東京夕刊

やっぱり産科医側がお金を出す方針で固まりそうです。たとえ出産費を上げたとしても、病院勤務医の給料は「産婦人科医だから」という理由では上がらないと思うんだがなぁ。

しかし相変わらず毎日新聞の書き方にはちょっと悪意を感じますねぇ。
「医師の過失を立証できなくとも」って・・・

2006年10月31日

日産婦の緊急提言

分娩施設における医療水準の保持・向上のための緊急提言

以下のような提言をすべての分娩施設に対して行うこととする。

1.すべての分娩施設は必要なスタッフを確保し、医療設備の向上に努めていただきたい。

2.分娩施設の責任者は、勤務している産婦人科医師の過剰勤務を早急に是正すべきであり、それが達成されるまでの過渡期においては、産婦人科医師の過剰な超過勤務・拘束に対して正当に処遇していただきたい。

3.上記を達成し、地域の周産期医療を崩壊させないためには、分娩料の適正化が必要である。

是非お願いします・・・。

2006年10月27日

命を軽んじるはずなんて無いです。

奈良の産婦死亡事件は、かなり多くの波紋を呼んでいる模様です。
テレビや新聞でもちょくちょく報道されていて、それを見るたびに抑うつ状態になってしまう毎日を送っております。
特に、いろんな所で取り上げられているけど産経新聞の社説日刊スポーツの記事は、かなりキました・・・。
ああ、自分たちはこういう風に思われて居るんだと。

一貫した考え方として、「医者がダメだから、命を重く見ていないから、受け入れ病院も見つからず、患者さんが亡くなったんだ」というのがあるみたいです。

命の大切さを感じていない医者なんて居ませんよ・・・。
それどころか、毎日、命の重圧に押しつぶされそうな気持ちですよ。
医者になってから、命に関わる仕事をしているという責任の重みは、日々増すばかりです。
本当は、もう逃げ出したい。もっと有能な人に変わって貰いたい。でも目の前の患者さんを置いて逃げ出すわけにも行かず、代わりもなかなか居ないから、何とか続けている状態です。
そう思っている人は多いんじゃないかな・・・ そして実際に辞めてしまう人も・・・。

10月からドラマ「Dr.コトー診療所2006」が始まりましたね。その主題歌「銀の龍の背に乗って」は、こんなフレーズで始まります。

>あの蒼ざめた海の彼方で 今まさに誰かが傷んでいる
>まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている

余程のスーパードクターでない限り、自分の非力がもどかしいと思っていると思います。
「命を軽視している」みたいに、軽々しく言って欲しくない。

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2006年10月20日

奈良事件のつづき・・・

奈良の母体死亡事件については、その後もニュースなどで報道され続けている模様です。
み○もんた氏や古○氏の事件に関するコメント、きつすぎます・・・。

さて、m3.comなどに内部の方からと思われる詳細情報がアップされ、各所に引用されています。これが本当だったら、少なくとも当直医の先生は全力をつくしたといえるかな・・・。不幸な偶然が重なってしまったとしか言いようがないかも知れません。
真偽のほどが分からないので、とりあえずこれについては保留。

そして受け入れる側の病院についても報道され始めました。(記事は続きの方で)
その時点でひとつ空いていたとしても、産科の入院患者さんに早産になりそうな人が居ればこれは「NICU満床」として搬送を断るのが正当でしょう。
だけどこれを読んだ人は、「ベッドがあるのに受けなかったなんて、ここがちゃんと受けていれば助かったかも知れないのに」と思うのだろうなぁ。

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2006年10月18日

奈良事件と母体搬送

尾鷲に2人の産科常勤医が決まり、隠岐でも産科が再開したとのニュースを聞いて、まだまだ産科は頑張れるんだなぁ~と思っていた矢先、またもや鬱になる事件が報道されました。

奈良の妊婦死亡(実際には褥婦だと思いますが)事件。本当にお気の毒な事件だなと思います。
一般の争点は、以下二つのようですね。
1,内科医がすすめた(とされる)のに、CTを撮らず診断が遅れた。
2,搬送先が見つからず、搬送までに時間がかかった。

CTうんぬんについては、状況が良くわからないので、何とも言えません。
CTを撮っていれば助かったと思っている人が多いような気がして、報道に疑問を感じる部分は多いですけど。

搬送を拒んだ病院は現在の所、計19病院が判明しているとのこと。

私は、比較的分娩件数が多いのにNICUの無い中規模病院に勤めているので、母体搬送にはしょっちゅう立ち会います。
搬送先を探すのが大変なんですよ・・・。
手順としては、まず近隣の周産期センターを持つ病院の産科医に電話。そこで受け入れ可能かどうか即返事を貰えることは滅多になく、一旦電話を切って、対応してくれた産科医が病棟のベッドや小児科の先生に打診している間、じっと待ちます。
最終的に回答の電話をもらえるまで、だいたい10分から20分くらい。
そこでダメだと分かったら、次に近い病院に電話して、同じ作業を繰り返す。
しらみつぶしです。(その途中で、「○○病院が空いてるらしいよ!」という情報をゲットすることもあり・・・しかし大抵「今、他の依頼を受けちゃいました」と言われる)

まあまあ都会で、受け入れてくれる病院も星の数ほどありそうなのに、全然受けて貰えなくて途方に暮れる事なんてしょっちゅうです。
10件以上に電話することも、日常茶飯事です。というか、5件以内に決まると「今日はラッキーだったなぁ」と思う。
だから私は、搬送を依頼するときは、いつもカルテにどの病院に電話して、どんな理由で断られたかを書いておく。

搬送を受けてくれる側も、本当にみんないっぱいいっぱいでやってるんですよね。
それが分かるから、「ちゃんと受け入れるシステムを作れ」なんて、簡単には言えないです。

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2006年9月29日

早剥について・・・

常位胎盤早期剥離(略して早剥)は、赤ちゃんが子宮の中にいる状態のまま胎盤がはがれはじめてしまう病気で、妊娠中に起こる合併症の中ではもっとも危険な物の一つ。腹痛を訴えて来院されたときには赤ちゃんがもう亡くなっていることもあるし、ちょっと時間が経つと母体の命も危険にさらされます。
だから、早剥と診断したらすぐに帝王切開をするのが原則です。
って、ここを見てらっしゃる方の多くは知ってることとは思いますが・・・。

何年か前にみていた妊婦さん。妊娠中は何の問題もなく普通に陣痛が来て入院し、ごく普通に経過を見ていました。
経過中、児心拍モニターでちょっと赤ちゃんが調子悪いかな?と思って内診してみると、血清羊水(羊水が血液混じりで真っ赤になること)がみられました。エコー上は明らかな胎盤剥離の所見は無かったけれど、早剥を疑って緊急帝王切開しました。
もちろんご本人とご家族に早剥の危険性などをお話しした上でのことです。
帝王切開でも、部分早剥が認められ、自分としては手術して良かったと思いました。

早めの対応だったからか、赤ちゃんは元気で、普通に母児同室して普通に退院していきました。

患者さんの方は・・・。自分が帝王切開になったことについて最後まで思い悩んでいる様子でした。
理屈の上では分かってくれていたと思います。でも、自覚症状も殆ど無く、産まれた赤ちゃんも元気、自分も元気、本当に帝王切開ではないといけなかったのか・・・。
今回帝王切開になったことで、次回のお産も自然分娩は困難になってしまった。
本当に下から産めなかったのか。
明らかには責められなかったけれど、そんな感じでした。少なくともあまり感謝はされなかったな。

早剥に関連する訴訟記事を読むたび、こういう事も思い出します。
今後も早剥を疑ったら帝王切開するという自分の方針に代わりはないけれど、もし実際に早剥で無かった場合に「切らなければ良かった」と訴えられるケースは確実に出てくるのではないかと思います。

記事は続きの方で。

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2006年9月26日

2人体制といっても・・・

私がモルディブに行って脳を溶かしている間に、いろいろと興味深い報道もあったようですが、それはまた追々考えるとして。
こんな記事をみつけました。

宮古病院 産婦人科医、1人増 負担軽減へ来月から2人

 派遣医師1人で対応している県立宮古病院の産婦人科が10月から、派遣医師2人体制に増員されることが23日までに分かった。10月からは中堅医師1人と研修医1人の計2人が派遣される。
 医療訴訟の増加を背景に、全国的に1人体制の病院は手術を避ける傾向にあることなどから、関係者が5月ごろから増員を検討。さらに同病院では、緊急時に医師を呼び出す「オンコール制」を取っているが、1人体制では事実上、24時間拘束されることなどから「負担が大きい」(県病院事業局)としている。
 宮古病院の安谷屋正明院長は「1人体制になってからは、患者を本島に紹介せざるを得ない場合もある。2人体制になれば紹介も減り、医師も少し楽になるのではないか」と、患者と医師双方の負担軽減を期待した。

研修医を1人増やして2人体制、と。 いや確かに、たった1人でやるよりはずっと良いでしょうが・・・。堂々と派遣医師二人体制と書くほどの体制なのだろうか。 後期研修医のしかも2年目だったら、結構戦力になってくれるかな、と、つい中堅医師側に偏った見方をしてしまうのだけど、研修医側から見ても、有意義な研修になるのか、ちょっと心配。

2006年9月 8日

やじうまWatchにも・・・

■ 助産師は本当に足らない……ブログのコメント欄で興味深い議論が
 日本一の年間出産数を誇る横浜市の産婦人科専門病院で、助産行為を看護師に行なわせていた一件が、大々的に報道されていた。78歳の院長が「看護師が内診をすることは必要悪だ」などと発言してしまったものだから、新聞記事では「開き直り」と盛大に叩かれてしまっていた。病院に問題があるなら直すべきなんだけれど、ことはそう簡単でもないようなのだ。「ある産婦人科医のひとりごと」のコメント欄で、匿名の興味深い議論があった。助産師は特定の病院に偏在していて、それ以外の病院では募集しても集まらないというのだ。どうやら、構造的な問題があるようだ。また、産婦人科に関するニュースを調べてみると、助産師どころか、産婦人科の医師も足らなくなってきているのがわかる。病院がこんな状態で、近年取りざたされることが多い少子化の問題が解決するものなんだろうか?


INTERNET Watch にまで助産師問題が取り上げられる世の中になったとは。
感慨深いですね~。

2006年9月 1日

年俸5千万の尾鷲も終了・・・

年俸5千万円以上!の高収入で話題となった、尾鷲の産婦人科。
残念ながら1年で交渉決裂となってしまったそうです。
市議の発言、ひどすぎます。「津で開業した頃のうわさも・・・」なんて言われた日には、そこで頑張ろうという気持ちは無くなって当然。「安易な買い物」というのもありましたね。物ですか?

1年間(休みは年末年始の2日のみ)分娩室の隣に住んで、ずーっとお産のことを考えていなければならない、そんな生活は、監禁されているのとほぼ同じです。プライバシーも何もない。お酒も飲めない。
仮に院外に出たとしても、良くて市内くらいで、周りの皆が自分の年収を知っている・・・。まるでホラーです。
私は当直でよく産科病棟に泊まりますが、たとえば週末だけでもかなり精神的に疲れます。1年もやったら、普通はノイローゼになりますよ。

しかも、年俸が足りないから突然辞めるような言い方をされて。
欲しいのは、お金よりも休日じゃないですかね。
尾鷲の方々には悪いけど、こんな市議たちが居るところには、誰も行かないと思いますよ。
一応、打開策をあげるとするなら、他科よりちょっと高給で2人体制というのが無難でしょうね。

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2006年8月25日

大変な騒ぎになっていますね。

横浜市の堀病院での「無資格助産行為」。
今朝の新聞を見たら、一面と社会面に大きな記事が出ていて、それほどまでに関心が高い話なのだとびっくりしました。
違法行為について擁護する気は無いです。(とはいっても、助産師が十分足りているところなんて、大学病院か周産期センター以外には見たこと無いですがね)
ただね、看護師さんに内診をさせていたことと、今回の母体死亡は、恐らく全然関係ないと思うんですよね。
でも一連の記事を読むと、恐らく一般の方はそれが原因のように感じるのでは無いでしょうか。

あと、横浜市は現在でも分娩施設が激減し、大きな問題になっていると思うんですが、そこにこういう大打撃を与えて、いったいどうしたいのですかねぇ。
具体的にどうなって欲しいと思ってるんでしょうか。横浜市の偉い人に聞いてみたいものです。
もちろん実現可能な案をね。

関連:ポンコツ研究日記

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2006年8月22日

出来るなら加害者とは呼ばれたくない

いろんな所で、話題になっているらしいお話。

「死産」を届け出たら「業務上過失致死」? 産科医をやめます

「別に刑事告訴されたわけでも無いのに、ぐちぐち辞めるとか言うんじゃないよ」という意見もあるようですが、ごめんなさい、やっぱり加害者と言われるだけで、十分に辛いのですよ。
有る程度の経験年数の産婦人科医で、死産に立ち会ったことの無い人なんて居ないでしょう。
それを考えると、加害者と呼ばれる可能性の低い仕事に逃避したいと思っても、仕方がないように思います。

2006年8月17日

産科を選んだいまの気持ち

産科医不足の中で産科を選んだいまの気持ち

若いって良いなあ、と思いながら読み進み・・・
結局、「でもマンパワーの無いところには行きたくない」というオチでした。
そりゃそうですよね。

2006年8月15日

注意せねば。

私は今まで幸いにも、飛行機や新幹線などでドクターコールに遭遇したことはありません。
もし遭遇したら・・・。
ドクターコールに応じて立ち上がったとしても、倒れている人が男性や子供だったらどうしよう。まぁ素人さんよりは何か出来るかも知れないけど、このご時世、無過失の保証は無いようだし、自分が立ち上がったことで他の専門の医者が出てきてくれなくなるかも知れないし。
ずっと前にどこかの掲示板で読んだ話で、やはり産婦人科医が飛行機の中でドクターコールに遭遇し、
「酒を飲もうと思ったらドクターコール。知らんぷりしてこのまま酒を飲みたいが、隣の席で息子が期待の眼を向けている・・・」
というのがあって、人ごとながらドキドキしたものです。

でも、もしそれが例えば妊婦さんの腹痛などだったら、やっぱり頑張るべきなのだろうなぁ、とは漠然と考えています。

で、このブログ記事。
ツンデレ嬢の日記 血には注意☆

検診にも行っていなかった、見ず知らずの妊婦さんと赤ちゃんを救うことで、善意の助産師さんがC型肝炎に罹患するとしたら、本当に不幸なことです。
常に手袋を持ち歩くべきなんですかねぇ?

2006年8月11日

うーん。

ここ数日、下記のブログが話題らしいですね。コメント欄、炎上ののち現在停止のもよう。

8/9② 医師たちのブログの内容に絶句 (きょうも歩く)

しかし、こちらの記事(8/8 事故の補償を全額公費に出させるのか)の方が私には強烈でした。
当直明けなどに読むと、うつ病になるかも。
何せ、この方に言わせると産科医は「ほ乳類のお産の本能的機能を全く無視し、人体を切り刻む」「女性たちが、有無を言わさず女性器を切られたり、ちょっとでもリスクがあると思えば容赦なく帝王切開をされたり」というような仕事だそうですから・・・
比較的やり甲斐があると思われる分娩でさえこうなら、そりゃ産科医のなり手も減るわ・・・。

2006年8月10日

マルチ・・・。

「マルチ産科医」育成へ 東北大病院

2006年08月09日06時31分

 東北大病院(仙台市)が、麻酔や新生児についての知識、経験を備える「マルチ」産科医の養成に乗り出す。全国的に産科、小児科医は不足気味。国は医師を拠点病院に集め、安全なお産ができる体制の確立をめざしているが、その際の中核的存在になることが期待されている。

 「マルチ」産科医実現に向けての「総合周産期実践医」育成プログラムが、このほど文部科学省の助成対象事業に採択された。2年の臨床研修の後、東北大病院や同大の関連病院の産科、麻酔科のほか、小児科か新生児科で3年間、横断的に研修を受け、全般的な知識の習得を図る。

 同院では今後、具体的な研修方法などについて関連病院などと協議を始めるという。

 東北大大学院の岡村州博教授(産婦人科)は、「現在、お産は産科や新生児科、麻酔科医の分業体制。何かあった時、それぞれの専門医が駆けつけるまでの間、幅広い知識のある1人の医師が迅速な対応をとることができれば、より安全なお産が期待できる」と話している。


・・・・・・。
それぞれの専門医がすぐに来られないような所でお産をするの、やめる方向じゃないんですかね・・・。

ちなみに私だって研修医の時に麻酔科と新生児科をまわりましたけど、1人で全てに於いて迅速な対応なんて無理です。

2006年8月 5日

内視鏡学会にて。

今日は婦人科内視鏡学会というのに出席してきました。
主な目的は、機器展示。
内視鏡で手術をするには、器械が非常に重要です。種類が多いし、一つでも欠けると手術がうまく出来なかったりもする・・・。
というか、単に新しい物が好きなので、新しい物に触れるチャンスは大事にしないと!ということで。

で、展示のブースを嬉々として見ていたら・・・
いきなり、「医師求む」のポスターが。宮城県の方々がドクターバンクのPRにいらしてました。
(興味がある方がもしいらしたら、こちらのHPをどうぞ)
内視鏡学会に来る人がドクターバンクに興味があるかは謎ですが・・・、宮城県も大変なんですね。

2006年7月28日

公判概略

周産期医療の崩壊をくい止める会のホームページで、福島の医師逮捕事件に関して、公判についての記載がありました。

公判概略について
7/21弁護団プレスリリース

プレスリリース、読んでて切なくなってきちゃいましたよ・・・。
ともかく、先はまだまだ長いようです。

2006年7月27日

有名な方のようですね。

各所で話題のこの記事。S.Y's BLOGさんでも取り上げられてます。

「医療事故、交通事故より慰謝料高額に」東京地裁判決

 長野県軽井沢町が運営する国保軽井沢病院で2003年10月、帝王切開で男児を出産後、出血性ショックで死亡した女性(当時32歳)の遺族が、死亡は手術ミスが原因だったとして、同町と産婦人科担当医に約1億8180万円の賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。
Click here to find out more!

 藤山雅行裁判長は、「担当医は女性の症状から腹部からの出血を疑うべきだったのに、診察をしなかった」などと病院側の責任を認め、同町などに計約7250万円の支払いを命じた。

 訴訟では、医療事故の慰謝料を交通事故より高額にすべきかどうかが争点の一つとなった。

 民事裁判では、医療事故は交通事故と同じ人身事故に位置付けられ、慰謝料も同じ基準になる例が多いが、判決は「患者は医師を信頼して身を委ねており、信頼を裏切られたことによる精神的苦痛が生じるため、慰謝料は交通事故よりも高額になる場合がある」と指摘。

 その上で、交通事故のケースに約300万円を上乗せした2700万円を慰謝料として認め、将来の収入(逸失利益)などを合わせ計約7250万円を損害額とした。

 原告側の弁護士は、「医療事故の慰謝料の方が交通事故よりも高くなりうると一般的に示した判決は珍しい」と話している。
(2006年7月26日20時39分 読売新聞)

血圧低下などがあっても診察しなかったのか、そもそも帝王切開する時点で重症(DICとか)だったのか、などが分かりませんので、本当に主治医に過失があったのかどうかは分かりませんが。

この藤山裁判長って方・・・かなり有名な方なんですね。
Wikipedia によると、以前は行政側に厳しい判決を多く出していたとか。
で、現在は東京地方裁判所医療訴訟集中部というところにいらっしゃると。
医療訴訟集中部というのがあるとは知りませんでしたが、どこか別の所に配属されて欲しかったです・・・ボソボソ。

2006年7月25日

産婦人科に向く人

「先日のニュース23」というエントリーに、こんな質問をいただきました。

初めまして。私は小さい頃から産婦人科医をめざしています。
産婦人科医として働いている方の情報が欲しく、ネット検索してみたところひっかかりました。

他の科と比べて産婦人科医に必要だと思われるのは、また違いはどんなところですか?

お返事お待ちしております。

投稿者: 高3女の子

その後のコメントを見たところによると、「こんな人が産婦人科向き」ということをお知りになりたい模様。

うーん。現在高校3年というと、産婦人科医になるのはストレートに行っても8年後ですね。その頃、どんな状況になってるか、正直分かりませんが・・・一応、ちょっと考えました。

即座の判断が求められ、それが命に関わることが多いので、即断即決できる性格の方が向いてますかね。
細かいことをじっくりゆっくり考える人よりも、若干大ざっぱでもガンガンやる人の方が産婦人科向きのように思います。

でもね、産婦人科医になろうと考える時点で、既にまあまあ向いているのでは無いかと思います。
で、産婦人科医になってくれるのは有り難いのですが、これから先、学生と研修医を終えて進路を決めるときに、必ず現実を知ってもう一度良く考えて欲しいです。
私が産婦人科に入るときには、こんなに当直がたくさんあると知らなかったし、また夜間呼ばれることについても深く考えていませんでした。自分の目の前で妊婦さんが急変することも・・・。実際、入ってからびっくりしたことはたくさんあります。
向いてる向いてないよりも、結局は環境とやる気かなとも思います。

皆さんはどう思われますか。

ここだけトーク・・・

「産婦人科ドクターのここだけトーク」というブログが始まったらしいので、見に行ってみました。

あ、個人医院さんの宣伝なのかな? 頑張って下さい。

2006年7月22日

先日のニュース23

先日(7月20日)のニュース23で、「お産難民」の特集をやってました。
内容は、「なんだ夕方の番組の焼き直しじゃないの?」というようなもので、筑紫さんのお言葉もありきたりでしたが、さすがに多くの人が見る番組とあって、影響は結構ありそうですね。

このことに触れてくれているブログをざっと並べると(自分の見つけた限りで、ですが)
ODORISM
妊娠、そして高齢出産!
★心豊かに生きよう!ならぶる!★
石けん職人の日記:手作り石けん「ういとん堂」
茶髪のお母ちゃん日記

まあ、ツッコミ処はいろいろとあるでしょうが・・・
この番組を通じて、はじめてこの事を知られた方々も多くいらっしゃったのでしょう。そう言う意味では、良かったのかな。

しかし同日に報道された福岡の産婦人科医逮捕事件・・・イタ過ぎます・・・
せっかくの風潮に水を差さないで欲しいですよ。

公判前整理手続き

医師に過失なしと弁護団
 具体的争点整理は持ち越し

 帝王切開手術で女性=当時(29)=を死亡させたとして、業務上過失致死などの罪に問われた福島県立大野病院の産婦人科医加藤克彦被告(38)の公判前整理手続きの第1回協議が21日、福島地裁であった。地裁、検察、弁護団とも医療専門用語の意味を事前に擦り合わせることを確認したが、具体的な争点については8月11日の次回協議以降に持ち越した。

 平岩敬一主任弁護士らは協議後、福島市内で記者会見し「大量出血の予見可能性がなく、過失はなかった。胎盤をはがす方が出血を抑えられることが多く、女性も子宮摘出を望んでいなかった。異状死という認識もなかった」と起訴事実を否認し、無罪を主張する考えを示した。

 加藤被告の逮捕、起訴をめぐっては、医師会が抗議声明を出すなど反発が広がっている。
(共同)
(2006年07月21日 17時13分)

例の事件の公判前整理手続き、というのが始まったようですね。別報道では初公判は10月ごろの見込みとか。
検察側が今後どう出てくるのかが、気になるところです。

2006年7月18日

お産難民

現在、TBSのイブニング・ファイブで「お産難民」というシリーズをやっているようですね。
残念ながら見れてないですけど・・・
見た方のブログを発見。→ふしぎの国のわたし 産婦人科の医師不足

産婦人科医の勤務状態を、「かわいそう」「あまりに過酷」と言って下さっていて、ちょっと嬉しかった。
最後の方の「患者の負担は変えないで」っつーのは難しいと思いましたが。

2006年7月12日

助産院で骨盤位分娩

■ 女児の出生を証明 新生児死亡訴訟が和解

 県北の助産所で2003年8月に出産した女児が死亡したのは、助産師が危険性の高い逆子の分娩(ぶんべん)を取り扱ったためだなどとして、芳賀郡の両親が助産師に約6600万円の損害賠償を求め宇都宮地裁真岡支部(飯塚圭一裁判官)で争われていた訴訟は、8日までに和解が成立。和解条項では、3700万円の支払いとともに、出産後に助産師が作成した死産証書が「事実に反する」と認め、女児の出生を証明した。両親は出生を戸籍に記載するため、週明けにも自治体の窓口に出生届を提出し戸籍への記載を求める。

 和解条項では、女児が〇三年八月三十一日午前十一時半に県北の助産所で出生したことを、助産師が証明。和解の席上では、助産師が作成した出生証明書を原告側に交付した。女児は出生から二時間後に死亡したことも確認した。

 また(1)助産師が「胎児死亡」として出産後に作成した死産証書が事実に反する(2)助産師が原告が行う出生届などの手続きに誠実に協力する(3)損害賠償として原告に三千七百万円を支払う-ことなどが盛り込まれた。

で、こちらが原告の方のブログらしいんですけど。

助産院で骨盤位(逆子)分娩を請け負って、さらに赤ちゃんが仮死状態で出てきたのを放置し、死産として扱おうとしたといういきさつは、時代遅れも甚だしいというか、「ああ、まだそんなチャレンジャーな助産師が居たんだ・・・」という印象で、この助産師に非があることは明らかなんですけど。

患者さんが助産院で骨盤位分娩をしても大丈夫だと思ってしまうくらい、今の世の中ってお産が安全なものと思われているんだろうな、と。
すぐに帝王切開に切り替えられる病院でさえ、逆子のお産って怖いですけどね。もう長いことやってないな。

2006年6月29日

九州が大変

産婦人科希望医師が激減、九州・沖縄11大学病院は14人

 国家試験に合格し、2年間の臨床研修を終えて、今春、九州・沖縄地区にある11大学病院の産婦人科を勤務先に選んだ医師が計14人だったことが、日本産婦人科学会九州連合地方部会のまとめで分かった。

 2年間の臨床研修を義務づけた新制度の導入前に比べると、3分の1に落ち込んでおり、ゼロだった大学病院もある。過疎地の医療機関は、大学病院から医師の派遣を受けているケースが多く、若手医師の産婦人科離れで、地域の産科医療は一層、厳しい状況に追い込まれそうだ。

 同部会のまとめによると、宮崎、鹿児島大が3人、九州、佐賀、大分大は2人、長崎、熊本大が1人で、久留米、福岡、産業医、琉球はゼロだった。2004年度に新しい研修制度が導入される前は、11病院で計50人前後が産婦人科に入っていたという。

 これまでの研修制度では、国家試験に合格した新人医師は、卒業した大学病院の医局で研修することが多かった。新制度では2年間の研修が義務づけられ、研修先も自分で選択できるようになった。このため、教育や研究など診療以外の仕事がある大学病院より、臨床経験を積めるうえ、給与も高い民間病院を選び、そのまま勤務を続ける医師も目立った。

 ここ数年、小児科、産婦人科など夜間の呼び出しや当直勤務のある診療科を敬遠する若手医師が増えていることも背景にある。とりわけ、大学病院の産婦人科は、妊娠中毒症など重症患者の治療や帝王切開に当たることが多く、医療過誤訴訟に発展するリスクが大きいことも、産婦人科離れにつながったとみられる。

 すでに、大学病院から医師派遣を受けられなくなって、産科を休止した医療機関も出ている。この状態が続けば、大学病院の当直体制も維持できなくなり、関連病院や過疎地の病院からの医師引き揚げが拡大する懸念も広がっている。

 部会長の柏村正道・産業医科大病院長は「産婦人科の希望者の減少が続けば、地域の産科医療を守ることは難しい。6月上旬にも、異常分娩(ぶんべん)の救急患者の受け入れ先がなく、熊本から北九州まで運んだケースがあった。出生率が低下するなか、妊産婦の安心や安全を守る制度や取り組みが求められている」と話している。


九州全体で14人!
ひとつの大学で12人入ったところもあるのに対して、この数はかなり衝撃的ですね。
本当に非常事態だ、と思いますよ。

2006年6月24日

お産はこれからこう変わる

All about のコラムより。
筆者は妊娠・出産専門のフリーライターとのことですが、なかなか良くまとまっていると思いました。
特に、引用部・・・ 医療者以外でこうはっきり書かれているのを初めて見たように思うので、びっくりしました。

きびしい結論を言いましょう。これからのお産は、大混雑の産科へ、遠い道のりを、高いお金を出してかかって、しかもケア面は今までより低くなりかねません。産む人がそれだけの負担を引き受けていかないと、産科はなくなってしまうということなのです。

皆さんにはどれだけの覚悟がありますか?ひとりひとりが危機感を持って考えていかなければならない時代になりました。

そしてこのような時代にあって産院を選んでいくということは、今までと同じ感覚では選べなくなっていくと思うのです。

2006年6月22日

また産婦人科医逮捕・・・っておい!

準強制わいせつで産婦人科医師を逮捕

 滋賀県警甲賀署などは22日、準強制わいせつ容疑で大津市におの浜2丁目、産婦人科医、井上省蔵容疑者(68)を逮捕した。

 調べでは、井上容疑者は01年8月中旬、患者の滋賀県湖南市の無職女性(24)に、医療と称しわいせつな行為をした疑い。井上容疑者は「医療行為だった」と否認しているという。

 昨年9月、井上容疑者の行為に不信感を抱いた女性が同署に相談した。

[2006年6月22日16時0分]

このご時世に、ほんと勘弁してもらいたいものです。
本人は「医療行為だった」と主張しているとなると・・・どんな事をしたんでしょうかね?
男性医師は1人で内診することを禁じられていますし、わいせつ行為をする余地なんてあるのかなぁ。

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2006年6月20日

労働環境

産科医、厳しい労働くっきり 厚労省研究班が調査
2006年06月18日15時08分

 産科医は週61時間労働で、当直は月17回、休みは年50日――。そんな労働実態が、厚生労働省の研究班の調査で明らかになった。ほとんどが当直明けもそのまま続けて働いており、調査を担当した杉本充弘日赤医療センター産科部長は「かなり厳しい状況で、産科の救急診療体制は崩壊しつつある。集約化や地域の助産所との連携などの対策が必要だ」としている。

 昨年10~12月、産科または周産期医療を掲げる全国の473施設(26大学病院、208一般病院、166診療所、73助産所)から回答を得た。これらの施設の04年の出産総数は計16万4227人で、全国の出生数の14.8%を占めていた。

 産科医の週平均労働時間は61.0時間。大学病院65.1時間、一般病院59.5時間、診療所60.0時間だった。当直回数は月平均16.7回で、大学病院5.2回、一般病院6.6回に対し診療所は21.7回と多かった。96.9%が当直明けに継続して勤務していた。

 年間休暇は平均50.4日で、それぞれ57.9日、68.9日、38.6日だった。リスクが高い出産は大学病院などに集中しやすく、単純に比較はできないが、労働実態の厳しさが浮かび上がった。

 常勤医師の平均は大学病院7.5人、一般病院3.5人、診療所1.4人。「さらに必要とする人数」を聞いたところ、それぞれ3.1人、1.5人、0.5人との回答だった。出生数などから推計すると、全国で常勤医師が2720人足りない計算になる。

すみません。私、今こんなに働いていません。
でも確かに大学病院にいるときは、これ以上やってたかな。当直の平均が月17回というのは・・・。

産婦人科が特別に忙しい仕事とは思ってませんけど(若手が選ばないくらいには忙しくてハイリスクですよ)、何歳になっても当直がついて回る、という点は小児科と並んで割と特殊なのではないかと。内科・外科は自分の知る限りでは高齢の先生はあまり当直しないですね。(待機はあり)
産科はおじいちゃん先生になっても当直をしなければならないので、当直中に電話の音などで脳出血を起こして帰らぬ人に・・・という様な話は、どこの病院でも聞く実話です。

2006年6月 8日

詳細を知りたい

最近、「第二の大野病院事件?」と噂されている事件。

妊婦死亡、医師を書類送検 大和高田市立病院

2006年06月06日

 奈良県大和高田市の同市立病院(松村忠史院長)に入院中の妊婦が出産直後に死亡する事故があり、県警が処置に判断ミスがあったとして、産婦人科の30代の男性医師を業務上過失致死の疑いで奈良地検に書類送検していたことがわかった。病院側はこのケースについて医療過誤とは認めていないが、医師の負担が限界に達し、医療事故を招きかねないとして、7日から分娩(ぶんべん)予約を制限することを決めた。

 調べなどによると、事故があったのは04年10月。同病院の産婦人科に入院していた当時30代の女性が出産の途中、脈拍や呼吸状態、血圧が異常に高い数値を示した。このため、医師は投薬によって数値を降下させ、胎児は無事に生まれたが、女性は出産後に子宮内の多量出血で死亡。死因は出血性ショックまたは失血死と診断された。

 病院から届け出を受けた県警が処置に問題がなかったか捜査した結果、投薬が一時的に数値を下げるだけの効果しかなかった可能性が浮上。県警は、妊婦の体内に出血など何らかの異常が生じていた恐れがあったのに、対症療法にとどめ、容体が急変した原因の特定も怠るなど、漫然と放置して死亡させたとして今年3月、書類送検に踏み切った。同地検は処分を検討している。

 同病院に勤務する産婦人科医師は3人で、ベッド数は40床。年間の分娩取扱数は900件余りで、県内最多という。近隣の複数の病院が産科を休診するなどしたため、分娩予約がさらに増える傾向にあり、病院側は新規の予約を大和高田市など周辺4市1町の住民に限定することを決めた。

 同病院幹部は「患者の死亡原因が解明されておらず、処置にミスがあったとは考えていない。分娩制限は、医療事故で訴訟などがあった場合に、病院の管理責任が問われるのを未然に防ぐ意味もある」と話す。

羊水塞栓説や後腹膜血腫説があるようですが、この記事を読む限りでは一体何があったのか全然分かりません。
とりあえず、また産婦人科医が母体死亡で送検された、明日は我が身かも知れないと不安になるばかり。
3人で分娩900件というのは確かに常軌を逸した数字で、同業者的にやはり同情するところはあるのですが、やはり何が起きてどうしたのかというところを知りたいです。

こういった事件が起きたら、せめて産婦人科専門医限定でも、詳細を教えて貰うことが出来るといいのに、と思います。

2006年5月26日

逮捕についての感想は

大野病院事故 医師逮捕に驚きの声

事故を未然に防ごうとする意識が病院で広がっている。パソコンの待ち受け画面には安全関連情報が映される(ミネソタ州で)

 「えっ、それで医師が逮捕されるの?」

 ワシントンの政府系医療機能評価機関の主任研究員、デボラ・クイーンが驚きの声を上げた。日本の福島県立大野病院で今年2月、帝王切開の手術中に女性患者(当時29歳)が失血死し、産科医が逮捕された事件を説明した時のことだ。

 「医療過誤に刑事罰はなじまない」「逮捕の基準、異状死の届け出の基準が不透明だ」という医師団体などの従来の主張に、「たった1人の産科医が不在になれば地域医療が崩壊する」という要素が加わり、医療従事者の間で波紋が広がっている。

 ――そうした日本の事情を説明すると、クイーンは混乱した表情で、こう口にした。「なぜ、そんな分かりにくい制度や状況を放置しているのですか」

 同じ言葉を、多くの医療関係者から聞いた。

という記事がみられる一方・・・

バトルトーク 

2006年05月24日(水)のバトルテーマ
患者を死なせた福島の産婦人科医逮捕では、
「不可抗力」か「犯罪」かで議論が分かれる。
あなたは、医療事故を警察が犯罪として捜査する事に
賛成?反対?

こちらでは賛成が反対を大きく上回るという、これが日本国民の皆さんの意見のようで。
複雑な心境です。

2006年5月17日

県立大野病院事件に対する考え

日本産科婦人科学会と産婦人科医会が、今日新しく出してくれた「考え」。
術前診断が非常に困難であることのみならず、胎盤の剥離を行ったこと、そしてクーパーを用いたことに到るまで「相当の必然性」と言ってくれました。
嬉しい。

検察側はどう対応するのですかねぇ。

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2006年5月13日

分娩のストレス

GW中に、研修医はなこ先生のブログ「はなこのしっぽ。」で産科の問題を取り上げて貰いました。
どうもありがとうございます☆

で、そこに寄せられた医者の卵さんや研修医さんたちのコメントに、「産婦人科や小児科を考えていたけど、最近の情勢で志望科を変えてしまった」というのが複数あるのを見て。
やっぱりそうなんだなぁ。
きっと、かなり多くの研修医さんたちがそう感じているのでしょうねえ。

私たちでさえも。最近産婦人科医で集まると、必ず話題に出るのは
「いかにして分娩のストレスから解放されるか」。
その方法は開業だったり、分娩を扱わない施設への移動だったり、周産期以外のスペシャリストになることだったり様々です。
全くストレス無く分娩に関わりたいなんて、もちろんそんな甘いことを考えている訳じゃなくて、せめてやり甲斐をきちんと感じられるくらいにストレスを軽減する方法は無いですかね。今は、ただただ恐怖ばかり感じてしまう、分娩には。
そうでないと、若い人も入らず、本来働き盛りである私たちもどんどん産科から逃げてしまいます・・・。

2006年5月11日

産みたくても産めない世の中

県産科婦人科 医会の実態調査
産みたい でも産めない?

藤沢市では2015年に約1,000人の分娩が締め出しか

 神奈川県産科婦人科医会(八十島唯一会長)がこのほど発表した「分娩取り扱い数調査結果」の中で、藤沢市内の今後10年の可能分娩数も明らかになった。

 藤沢市では、2015年の推定取り扱い可能分娩数は、藤沢市民病院で422人、診療所で1721人、合計2143人の分娩が可能という数字がでた。02年の分娩数3215人に比べ、理論上1072人が市内で分娩できないことになる。

 調査は02年から3年間の各病院、診療所の実際の分娩数と、アンケートによる今後10年間の推定可能分娩数を明らかにしている。全国的に、産科医師の高齢化と産婦人科入局希望者の減少が続く中、藤沢市民病院では03年の分娩数437人をピークに、10年後も422人と微減で留まるが、診療所数は04年の9院から10年後には2院になる。

 「市でも医師の高齢化による閉院が増えている」と、藤沢市産科婦人科医会の吉田洋一会長。「藤沢市ではまだ若い医師が減少している影響は受けていないが、本当に危ないのはベテランの医師がいなくなった時なのでは」と話す。県同医会は今夏にも同様のアンケートを実施予定で、「分娩を取り止める医院はさらに増えるのでは」とみている。

現在9院ある診療所が10年後には2院とは・・・。藤沢って、皆に敬遠されるような僻地では全然無いのにねぇ。
「本当に危ないのはベテランの医師がいなくなったとき」というのは、全国的に言えることだと思います。

少子化対策ブラを作るよりも先に、産科崩壊対策ブラを作って世間にアピールした方が良いかも知れませんよ>トリンプさん

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2006年5月 9日

今度は集約化がやり玉に?

産科医不足で休診の危機に
県立志摩病院

 地方都市の中核病院の勤務医不足が全国的に深刻化する中、医師を基幹病院に集める「集約化」によって、県立志摩病院(志摩市阿児町)の産婦人科が休診の危機にひんしている。志摩市内にはほかに産婦人科のある病院や産院がなく、同病院や市は「市内で出産ができなくなるおそれがある」と危機感を募らせている。 (小柳津心介)

 「産婦人科をなくすことは、「志摩の人は子供を生まなくてもいい」と言うようなもの。地域差別以外の何ものでもない」

 産婦人科の存続を一貫して主張する志摩病院の田川新生(しんせい)院長は、憤りを隠さない。

 県や三重大病院などの代表者で構成する県産婦人科医療再生検討委員会は今年二月、勤務医不足対策として、伊勢志摩地域を六人の医師でカバーすることを決定。三重大病院が志摩病院に派遣している二人をゼロにし、山田赤十字病院(伊勢市御薗町)を現在の四人から六人とする集約化を目指しているが、志摩病院などの反対があり結論には至っていない。

 志摩市の年間出生数は約四百人で、そのうち約三割が志摩病院での出産。産婦人科が休診になった場合、伊勢市など市外で出産するしかなく、志摩半島の先端の志摩町御座からだと、志摩病院なら車で三十-四十分だが、伊勢市内だと約一時間半もかかることになる。

 田川院長は「医師不足という現実はいかんともしがたく、集約化も仕方ないが、地形や交通面の問題を無視して『伊勢・志摩』を一つとする区域分けは間違っている。命が平等に扱われていない」と指摘する。

 こうした状況に、志摩市は四月七日付で、産婦人科医の確保を求める要望書を三重大病院などに提出。「安全、安心なお産ができる環境をぜひ残してほしい」と訴えた。

 これに対し、三重大病院は同二十日付で回答。二〇〇四年に七十一人いた県内の産婦人科の勤務医が、今年四月には五十四人まで減少したことを挙げ、「大学や基幹病院の医師数を削減して地域に再配分するという対応策は限界に達している」「病院間の集約化を推進する以外に対応できない」と厳しい見方を示した。

 四月に志摩病院で一人目の女児を出産した志摩市内の女性(24)は「最初は伊勢市の個人病院に通っていたが、片道約一時間もかかるので志摩病院に変えた。陣痛が始まってから伊勢まで行くなんて、絶対に無理」と話す。「二人目はまだ考えていないが、産むなら知っている先生や看護師さんがいる病院の方がいい。志摩病院なら小児科もあって産後も安心なのに、なくなってしまったら…」

 安心して子供を産める場所は守られるのか。田川院長は「この現状を地域の人たちにも知ってもらい、声を上げたり考えたりしてもらうことが必要だ」と話している。

集約化を進めようとすると、地域差別と受け取られてしまったり。
難しいですね。
その一方、産婦人科医が1人しかいない病院で、産婦人科医が対応できずに胎児死亡となってしまった件(続きのほうにコピぺ)では、病院の対応が足りないということになる。こちらの方は患者さん、赤ちゃん、産科医内科医の皆が気の毒としか言いようが無いですが・・・

どうすれば良いのか、みんな頭を抱えてしまっているというのが現状なのでしょうかねえ。

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2006年5月 5日

怖い女医、確かに多いかもね。

先日、事務長さんに言われました。
「また『産婦人科の女医さんは居ますか?』って問い合わせがあったよ。あんまり問い合わせが多いから、診療担当表に女性医師の印を付けておいたから」
私「そ、そうですか・・・(複雑)」

確かに産婦人科には女性医師希望の患者さんが多いですね。
そんなわけで、女医ななこのひとりごと 女医さんは怖い? にトラックバーック。

怖い女医さん、というか、キツイ女医さんって多いかも知れません。ある程度キツめの人じゃないと生き残っていけない部分も無きにしもあらず。元ブログに出てくるような、生理が止まっちゃうエピソードは普通にありますし・・・というか、私も止まりましたよ、研修医の時。
自分自身も、よく夫に「きつい」といわれることもあり、意識的にきつくならないようにしているつもりだけど、夜間など自制力が外れてるときは、結構キツいかも知れないなぁ。時々反省してます。

それよりも、女医さん希望の人たちに対していつも思うことは、女医さんってある程度の年になるとやめてしまう事が多いから、ただ女医ってだけで探して受診すると、若い医師の確率が高いんですよねぇ。それで良いのかな、と。
自分自身は、男性医師でも女性医師でもいろんな人が居ますので、自分の目的にあう人を探せばいいとは思います。

8割が「影響あり」

福島県立大野病院の影響で、東北地方の病院勤務産婦人科医8割が、影響を感じているとの記事。(続きの方に貼ってあります)
そうですよね・・・。
このことで分娩や手術が怖くなった医師は全国的にも少なくないんじゃないでしょうかね。

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2006年4月28日

来年の日産婦

先ほど、日本産科婦人科学会理事会議事録(PDFファイルです、会員じゃないと見れないかも)をちょっと見ていて気づいたのですが。
来年、第59回学術講演会の特別講演は、順天堂大学木下教授「わが国の周産期医療の崩壊を防ごう!」なんですね。
さらに、その次の第60回学術講演会シンポジウムでは、4:一般、その他「産婦人科医師不足の解消をめざして」が取り上げられるそうで。

とうとう日産婦でも周産期医療崩壊について語られるのかと思うと、感慨深いですね。
しかし若干手遅・・・ゴホゴホ。いえ、期待しています。来年(京都)も、出来れば行きたいなぁ。

2006年4月27日

泣けた。

4月25日に行われた衆議院厚生労働委員会での横浜市立大学付属市民総合医療センター・母子医療センターの産婦人科医、奥田美加先生の証言(WMPファイル/テキストは最後にコピペさせて頂きます)。
泣けました。

別に産婦人科だけが激務だと思っている訳じゃない。
他にもたいへんな科はたくさんあるし、そもそも仕事はみんな大変で、大変さ自慢をするつもりはない。
でも、こんなに身を削って、他のすべてを犠牲にして働いても、残念な結果になったときに結果論ですべてを語られ、責められた時に、もうやっていけないと思っちゃいけないんでしょうか。
医療行為をする以上、リスクは常にあるわけで、医師の殆どが辛い思いを経験していると思いますが、産科はその頻度が高すぎると思うのです。

自分自身は周産期センターで働いているわけではないので、これほどの激務ではないですが、やはり分娩に関わることへのストレスは常にある。
一生懸命やればやるほど患者さんが増えるので(それは喜ばしいことですけど)、一定の確率で起こる不幸な出来事に遭遇する可能性が高くなってしまいます。

今なんとかもちこたえている産婦人科医がこのまま壊れないで働き続けるには、やはり下限3名の分娩施設などという中途半端な設定では到底無理で、やはり1施設10名以上のセンターに集約することが必要だと、私も思います。

周産期医療の崩壊をくい止める会のホームページ

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2006年4月25日

日産婦関連報道

昨日からは、学会会場には勤務の関係で行けないので、夜ニュースで報道されるのをおとなしく待っていました。
しかし、待てど暮らせどテレビで報道されるのは、1、千葉補欠選で元キャバ候補当選 2、JR東日本関連 3、その他 ってところで日産婦の話題は殆ど出ず。
いいんですか?気づいたらお産をする場所が無くなってるかも知れないですよ・・・?

まあ他科の医師にも「世の中のお産じたいが減ってるんだから、産科医が減るのは当然」とか言ってる人が居るくらいなので、もっと大変な事態にならないと世の中の皆様は関心を示してくれないのかも知れないですが。

そんなわけで、新聞系サイトから持ってきた関連ニュースです。他にパーコール使用を認める話と、出生前診断に関する話が報道されていたようです。
1つ目のニュースは、22日に報道されたものですけどね。

救急対応中心に「産科診療圏」、産科婦人科学会が提言

 産婦人科医不足が診療に影響を与えている問題で、日本産科婦人科学会(理事長・武谷雄二東大教授)は22日、横浜市で総会を開き、産婦人科医療を安定的に提供するための体制を検討してきた委員会の中間報告を明らかにした。

 中間報告によると、20~30年後の産婦人科医療提供体制として、人口30万~100万人(出生数3000~1万人)ごとに、24時間態勢で救急対応できる中核病院を中心とした産科診療圏を設ける。

 各都道府県は、各産科診療圏の必要な産婦人科医数や産科病床数、助産師数を定め、それらを確保する。

 高齢の妊婦や高血圧などの合併症を伴う「ハイリスク妊娠・出産」を取り扱う公立・公的病院は原則、産婦人科専任医師3人以上が勤務していることが必要とする、緊急提言も盛り込んだ。福島県立大野病院で帝王切開中に妊婦が大量出血で死亡し、1人しかいなかった産婦人科医が今年2月逮捕された事件を受けたものとみられる。

 一方、体外受精卵を子宮に戻す前に異常などを調べる「着床前診断」の対象に、習慣流産の一部を加えることを正式に決めた。名古屋市立大とセントマザー産婦人科医院(北九州市)から計4件の申請がされており、同学会は実施を認めるかどうか個別審査する。
(2006年4月22日22時48分 読売新聞)

産婦人科医、2年で8%減 非常勤への異動など影響か

2006年04月24日23時07分

 全国の大学病院と関連病院に常勤する産婦人科医が2年間で8%減り、お産の扱いをやめた関連病院も相次いでいることが、日本産科婦人科学会(日産婦)の調査で分かった。24日、日産婦が開いた産婦人科医師不足対策などを話し合う会議で公表した。

 日産婦の「学会のあり方検討委員会」(委員長=吉川裕之・筑波大教授)が全国110の大学病院を対象に、各大学病院とその関連病院の状況を尋ね、109の大学病院から回答を得た。

 常勤産婦人科医の総数は03年4月には5151人だったが、05年7月には4739人に減った。特に近畿(13.4%減)、北陸(10.2%減)両地方での減少が目立った。お産を扱う関連病院も03年の1009病院から、2年間に95病院(9.4%)減っていた。

 日産婦は、常勤産婦人科医減少の主な要因として、複数の診療科で研修を受ける臨床研修制度が04年度にスタートしたことや、常勤から非常勤への異動などを挙げる。その一方で、常勤の産婦人科医に占める女性の割合は年々急激に大きくなっているといい、吉川委員長は「意欲はあるのに、出産や子育てで当直が出来ないばかりに、非常勤に回らざるを得なくなる女性医師も多い」としている。

2006年4月24日

日産婦

先週末(4月22,23日)は、日本産科婦人科学会に出席してきました。
そういえば、発表でも主催者側でもなく日産婦に出るのって、実ははじめて。意外とメリハリにかけて時間をもてあます・・・。でもいろいろな先生方にお会いしたり、講演を聞いたりして有意義なひとときを過ごすことが出来ました。

勝手に気合いを入れて向かった23日朝の佐藤教授の教育講演では、残念ながら何の動きも無し。
内容には「帝王切開が増えると、前置胎盤や癒着胎盤が増加する」というきわどいお話もあったのにも関わらず、でした。その後の質疑応答も時間の関係か大人の事情か分かりませんけどありませんでしたし。
でも、日曜の朝一番の講演の割には結構人が入っていたし、聞いている方々の目も真剣だったように思います。

会場の受付には、島根の隠岐病院の「産婦人科医募集」チラシが隠岐観光マップと一緒に置かれていました。地元のテレビ局も取材に来ていた模様。いい人が見つかると良いですね。

2006年4月19日

日医会長も。

 福島県立大野病院で帝王切開を受けた女性が死亡し、医師が逮捕、起訴された医療事故について、今月1日に就任した日本医師会(日医)の唐沢祥人会長が18日都内で記者会見し「逮捕、起訴には大きな疑問を持たざるを得ない」と述べた。

 唐沢会長は「リスクの高い医療を実施する医師にとっては(今回の逮捕、起訴は)、委縮というか、積極的な医療を行わなくなる抑制的な効果しかないのではないかと思う」とし、患者や医療現場への悪影響を懸念。

 さらに、医療事故が起きたとき届け出を受ける公的機関の設置など対応システムの構築や、国民の間の幅広い議論が必要だと指摘した。

[2006年4月18日19時38分]

日本医師会会長も意見を述べて下さいました。
医者にとっては「おおー」というものですが、警察関係の方々の心に響くかどうかは不明。

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2006年4月18日

何が何だか。

昨日出ていた話で、既に各所で取り上げられていますが。

警察署長会議に80人

 県警は14日、今春の人事異動後初の警察署長会議を開いた。
県内全28署の所長や県警本部の幹部ら約80人が参加。
重大事件を解決した警察署などへの表彰があり、冨岡署が
県立大野病院の医師を逮捕した事件で、県警本部長賞を受賞した。

 綿貫茂本部長は冒頭の訓示で、当面の重点課題として(1)職員の
意識改革を基礎とした合理的・効率的な業務の運営(2)重点を
指向した犯罪抑止対策の推進(3)犯罪の徹底検挙による,県民の
安全・安心の確保(4)効果的な交通事故防止対策の推進(5)国際
テロ対策の強化--などを挙げた。

元は朝日新聞福島版の記事(画像)。 ns8229.jpg

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2006年4月16日

真相報道 バンキシャ!

今日夕方の日テレ系「真相報道 バンキシャ!」で、産婦人科医不足の問題が取り上げられてました。

内容はざっと、
大学病院の若手医師たちによる、過酷労働状況座談会
県立八重山病院産婦人科閉鎖の危機
尾鷲に高額の年俸で医師が雇われた話
岩手に中国人医師が来た話
日本中で相次ぐ産婦人科閉鎖(例:宇都宮社会保険病院)
産婦人科医の減少、増える訴訟(1人あたりの訴訟率が全科でダントツ)
視聴者からのメッセージ

ってところだったでしょうか。記憶で書いてるので、違ってたらすいません。

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2006年4月14日

男の人は大変だなぁ

最近のぞかせて頂いている、若手産婦人科医(と思われる)のブログにあったのですが・・・

以前、

陣痛に苦しんでる妊婦さんを放っておけなくて

ある男性医師が「がんばりましょう」と励ましながら
お腹をさすってあげていたところを

後から来た妊婦さんの家族に見られて、
病院に苦情が来たことがあるそうです。

彼はご家族にセクハラ医師のレッテル貼られました。

男性は大変だなぁ。
陣痛中の妊婦さんの腰をさすったりとか、私もよくやりますけど、男だったらセクハラになるのかなんて考えたことは一度もありませんでしたよ。

あ、でも、こんなことを思い出しました。
手術の後って、患者さんを手術台からストレッチャーに移すのですが、その時その場にいるスタッフ全員で力を合わせて移動しますよね。
で、患者さんの腰のあたりを男性看護師さんが持ってくれたのですが。
後で、「男性におしりを触られてイヤだった」という苦情が来ました。
言われてみれば、そうかも知れない。でもねでもね、あなたの身体はそのあたりが一番重いんですよ・・・

2006年4月12日

mixiにも。

福島県の産科医逮捕事件の関連で。
ソーシャルネットワークのmixiにもコミュニティが出来たみたいですね。
もうちょっと人数が増えたら、こっそり入ろうっと・・・

関連:周産期医療の崩壊をくい止める会

2006年4月11日

沖縄北部病院の産婦人科再開

ちょっと遅いネタで申し訳ありませんが・・・

医師不足で産婦人科が休診中、名護に防衛医官を派遣へ

 政府は8日、産婦人科医がいないため2005年4月から休診している沖縄県名護市の県立北部病院産婦人科に防衛医官1人を派遣することを決めた。

 同市の要請を受けたもので、防衛医科大学校の教官を中心に人選し、4月中の派遣を目指す。米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題で、国と名護市が基本合意に達したことを受け、移設への地元住民の理解を得る助けとしたい考えだ。

 沖縄本島の名護市から北の6市町村には、産婦人科は北部病院と名護市内の2診療所しかない。帝王切開や異常出産などに対応できる救急施設は北部病院だけだ。しかし、同病院で辞職などが続き、産婦人科医がいなくなってからは、救急患者は車で30分以上離れた県立中部病院などに搬送されている。

 こうしたケースは昨年4月から今年2月末までに79件あったが、搬送時間がかかるため、病院到着前に救急車内で出産した例もあった。

 沖縄県は全国の大学などに産婦人科医の派遣を求めていたが、応じる医師がいなかった。このため、名護市の島袋吉和市長が3月6日に額賀防衛長官と会談し、防衛医官の派遣を要請していた。

 派遣される防衛医官は自衛隊員であるため、那覇市の自衛隊那覇病院所属とし、勤務先を北部病院とすることで調整している。ただ、今回は1人しか派遣できないことから、交代勤務の医師が3~4人必要となる、救急対応が可能な24時間診療は難しく、時間を限った診療となる見通しだ。
(2006年4月9日3時3分 読売新聞)

なんで防衛医官なのかな、と思っていたんですけど、そういう根拠があったんですね。派遣される方も、所属を自衛隊那覇病院としたり、救急対応は不可能と最初から決めたり、しっかり足下を固めている感じですね。

2006年4月 6日

島ではお産が出来なくなっていく。

どちらも昨日報道されたお話。

 島根県・隠岐諸島で今月中旬からお産を扱う病院がなくなることが分かった。
 公立隠岐病院(隠岐の島町、笠木重人院長)に産婦人科医を派遣してきた県立中央病院(出雲市)が派遣を打ち切るため。中央病院の医師が今後、週1、2回、往診するが、妊婦は松江市などに渡って出産に備えなければならず、隠岐の島町と隠岐病院は4日、妊婦や家族を集めて説明会を開いた。
 隠岐諸島の人口は約2万3000人。隠岐病院では、年間約130件の出産があり、島根大などから医師が赴任していた。しかし、人手不足で一昨年9月、島根大が派遣をやめ、中央病院も先月、派遣中止を決めた。この間、町と隠岐病院は医師を探し、関西在住の医師の赴任が内定していたが、家族の病気で着任は当分不可能になった。
 同病院には約60人の妊婦が通院しており、この日の説明会で笠木院長は「予定日1か月前には島外へ移っていただきたい。申し訳ない」と陳謝し、交通費の支援などの検討を約束した。5月に2人目の出産を控えている主婦(29)は「島を離れて出産するのは心細い」と困惑していた。
 産婦人科医は全国的に不足気味で、厚生労働省は「医師不足の改善は容易ではない。行政や大学、医師会で話し合っていくしかない」としている。
(2006年4月5日1時55分 読売新聞)

2006-04-05 | 社会・経済 |
県と病院、国に懸命な働きかけ

八重山病院(伊江朝次院長)に勤務する産婦人科医4人のうち、2人が6月1日付で異動し、代わりの医師を確保するめどが立たず、妊婦の出産ができなくなるおそれが出ている問題で、県と同病院は本年度もほかの病院や政府などとの間で調整を行い、医師探しを続けている。異動する2人は引っ越しなどのために5月下旬から診療を行えなくなるおそれがあることから、医師探しに残された期間は1カ月半程度しかない。県では「妊婦が心配していると聞いており、早めに『大丈夫』と言いたい。1日でも早く確保するために頑張っている」(県立病院管理課)と話している。
県や八重山病院では、ほかの県立病院に協力を求めたり、国などへ働きかけを行うなど、産婦人科医の確保に向けて動いているが、「この人が来るというところまではいかない状況」(同)。
仮に、このまま代わりの医師を確保できず、分べんが行えない状況になれば、八重山から本島や本土へ行って分べんを行わざるを得なくなり、妊婦や家族の経済的な負担は極めて大きくなる。
同病院で行われる分べんは年間約600件。これだけの件数の分べんが行われないことになれば、八重山病院の収入は2億円程度減る見通しで、同病院の経営にも影響を及ぼすことになりそうだ。
同科は現在、九州大学産婦人科教室が派遣する医師2人と県立中部病院の研修医2人の合わせて4人で診療している。九大産婦人科教室の派遣は1999年度から行われてきたが、今年5月末で打ち切ることになり、新たな医師が確保できなければ、同科の医師は現行の半数に当たる2人になる。
その場合、帝王切開などの異常分べんに対応できなくなり、同病院での出産ができなくなるおそれがある。

どちらも離島と言うことで、かなり深刻な様子です。 隠岐の島は全国紙で、危機感をアピールしている印象。病院のホームページからも綱渡りな状況が伝わってきます。 しかし患者さんたちへの説明会を行い、本土で出産するための補助金についても検討しているようで、現実的な対応をしているように思います。

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2006年4月 4日

結局、一人医長は減らないのかな。

産科医師1人確保、診療再開へ
滋賀・公立高島総合病院

 公立高島総合病院で産科医が退職したのに伴い産科が閉鎖している問題で、滋賀県高島市は3日、同科の医師1人を確保したと発表した。今月下旬にも出産にかかわる産科診療を再開する。

 産科は医師2人がいたが、1人が1昨年9月に退職し、もう1人が昨年10月に退職の意向を示した。市は後任の医師を探したが、退職に間に合わず、3月24日から産科を閉鎖した。4月以降は婦人科外来だけの診療となっていた。

 市によると、新しい医師は今月10日に就任する。高島市は、医師1人では前任者と同様に負担が大きいとして、「もう1人医師の確保に努力したい」としている。

また一人産婦人科の病院がひとつ増えるらしいです。
市は「もう1人医師の確保に努力したい」と言ってるようですが、負担が大きい1人の段階で産科を再開するという姿勢にはちょっと疑問をおぼえます。今の世の中で、ちょっと努力したからと言ってもう簡単にもう1人来るとは思えないです。
ここに行かれる先生は、医局人事で(やむを得ず?)行くことになったのか、それとも自主的なのか、そのあたりどうなんでしょうかね・・・。

2006年3月30日

AERA と 読売ウィークリー

AERA 読売ウィークリーの両方で、福島県の産婦人科医師逮捕や産婦人科医不足についての特集記事が載りました。

AERAのほうは、

危機 「産科」消滅の非常事態 超過重労働、訴訟頻発でなり手が急減。医者も妊婦も悲鳴を上げている

事件
福島・産科医逮捕
医師100人の本音

という見出しのダブル特集。「産科消滅」については、各地域の状況や産科医の高齢化、なり手が少ない理由についてよく調べられていて、読んだ人が危機感をおぼえてくれそうな内容でした。「医師逮捕事件」については、決してかばい合いではない代表的な意見を多数採り上げてくれていました。最後に述べられている、無過失保証制度や第三者機関については、是非国が本気で取り組んで欲しいものです。

読売ウィークリーは、

福島・産科医逮捕に 医師800人が憤激する理由 福島県内の県立病院の産婦人科医が、帝王切開手術で妊婦を失血死させたとして逮捕、起訴された。しかし、全国の医療関係者らから「逮捕は不当」との声が広まり、有志グループによる抗議声明に賛同した医師は800 人にも上った。賛同者には、産婦人科に限らず、眼科や内科などの医師も加わった。「あすは我が身か……」と、医療現場の専門家たちが一様に危機感を抱くのは、なぜか。そこには日本の、とりわけ地方の医療が抱える極めて深刻な課題が——。
ということで、K医師を支援するグループ関連の話が主体。こちらも説得力のある文章で構成されていました。特に最終行の 「判決がどうであれ、医療現場の課題解決を図らない限り、悲劇が繰り返される可能性は消えないのだ」 という文章と、雑誌の最後にある「副編集長から」に書かれていた 「福島の事件で問われているのは、日本の医療システムそのものです。」 という文章には涙が出そうになりました。

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2006年3月25日

厳しい現実

臨床研修制度により、産科志望を断念してしまった研修医さんの話が出ていました。
下記の記事です。

臨床研修病院をあわせると、300人以上が産婦人科医になってくれる(予定)だそうで、それは良かった。かなり東京に集中していますが。
そして女医率が高いようです。これについては、とりあえずノーコメントとしておきます・・・。

激務については、一人医長を除けば産婦人科が他科と比べてそれほどひどいとは思いません。当直の時に呼ばれる回数は小児科の方がずっと多いし、病院にいる時間は内科や外科の方が長いと思う。
それよりもやはり訴訟が多いことではないかな。

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2006年3月24日

福島事件のための交通案内

福島県立大野病院の医師逮捕事件について調べるためにいらっしゃる方が多いようなので、その情報についての自ブログ内リンクを置いておきます。

2005年1月の報道
2006年2月18日 逮捕の記事
県の責任
大野病院産科休診
福島県産婦人科医会
K先生を支援するグループ
支援するグループの抗議声明
起訴直前の記事
起訴になってしまった
起訴後の記事
保釈
AERA と 読売ウィークリー
起訴を表彰
医師会会長のコメント
8割が「影響あり」
県立大野病院事件に対する考え
逮捕についての感想は
公判前整理手続き

*2006.7.22 久々に更新しました。

注: 事故報告書を読むまでは、自分はミスかどうかは分からないがこの医師には過失があったかもしれない、ただ同情すべき点が多々あるという考えでした。今ではミスでは無かったと思っています。(反省点はあるでしょうけど)
昔書いた文章には、過失があったように取れる部分がありますが、今から書き直すのもどうかと思うのでそのままです。ご了承下さい。

2006年3月20日

思っていたよりも多い?

4月からの新産婦人科医の数。120人だとか、いやもっと減って80人だとかいろいろ噂されていましたが、実は210人も居るんですって。2003年度の415人からほぼ半減とはいえ、思ったよりも多そうで良かったです。
ただし東北はかなり厳しい状態とのこと・・・。
そして気になるのは、このアンケートが1月に行われたものらしいこと。あの事件の前ですから。現時点では何人なんでしょう。全然減っていなかったら素晴らしい話ですけど、そのようなことは無いのでしょうねぇ。

あと、弘前大3年連続ゼロってことですが、昨年と一昨年は臨床研修医制度の開始に伴い、たぶん全国的にゼロだと思うんで、ちょっと意味合いが違うと思います。なので、3年連続ゼロのところはたくさんあると思います。

以下、記事を引用。

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2006年3月15日

で、大臣の采配はどうなったのかな

そしてまだ、この話題にこだわってみたりする。

北部病院産婦人科休止/再開求め署名9000人
 県立北部病院の産婦人科の休止が続いている問題で、北部地区連合婦人会(比嘉幸子会長)のメンバー七人は十四日、県に喜友名朝春福祉保健部長を訪ね、産婦人科の早期再開を求める約九千人分の署名を手渡し「北部の住民は四月の再開を期待している。一日も早く医師確保してほしい」と訴えた。喜友名部長は「心配をかけて申し訳ない。再開に向けて強力に取り組む」と述べた。

 現在、救急患者が県立中部病院へ搬送されていることに、比嘉会長は「一刻を争う状況でも、救急車の中は男性ばかりで妊婦は安心できない。搬送の際はせめて女性の看護師を同乗させる配慮をしてほしい」と要請。知念建次県立病院監は「提案の内容を調整させてほしい」と答えた。

 医師確保の現状について知念病院監は「防衛医官を含め六人と接触しているが、具体的な答えはもらっていない。今週にも国と事務的な調整を図りたい」と説明。比嘉会長は「四月一日から再開するものと期待していたので残念。一歩ずつでも前進できるよう、頑張ってほしい」と訴えた。

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保釈

大野病院事件のK医師は、昨日保釈されたとのこと。
まだ先は長いかも知れないけど、とりあえず良かったです。

で、明日には日本産科婦人科学会と医会の記者会見があるとのこと。

2006年3月14日

帝王切開が安全だと思われている件について

ニャー速。 帝王切開したけど質問ある?

2ちゃんねるの「答えるよ」系スレですよ。
まあ固いことを言わずに、ちょっと読んでみてください。

一般の人の、帝王切開に対する認識なんてこんなもんか・・・。と、最初に思いました。
このスレの中で発言している人たちは、帝王切開にも危険があることなんて全く考えてなさそうに見える。
でも、ちょっと考えると。私たち医療者側の説明があまりに足りないから、このくらいの認識になってしまうのではないかとも思いました。

例えば、


大丈夫、俺は帝王切開だったが弟、妹全員産道だったぞ
遅れたけどおめでとう

>>90
グッドな情報ありがとおお
隣の市に普通分娩を推奨している産婦人科があるので、次はそこへ行ってみようと
思っております。


とか、何で前回帝王切開だと次が原則帝王切開になるのか、経膣を試みるとどんなことが起こりうるのか、説明されてないんだなぁと思いました。
私も人のことを言える立場では全くないので、明日から気をつけようと思います。

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2006年3月12日

起訴後の記事

起訴になったことを知り、一気に力が抜けてしまいました。他の人から「力が入りすぎじゃないの」というような事を言われ、確かにそうなのかもとも思い、もうこの件についてブログを書くのはやめておこうかなと思ったりもしたのですが・・・
でもやっぱり思うところがたくさんあるので続けてしまいます。

昨日の読売新聞の記事で、こういうのがありました。(全文は長くなるので後に記載します。)
今回の件に対する医師たちの反対について、

「医療事故情報センター」(名古屋市)理事長の柴田義朗弁護士は「あまり情報がないまま、医者の逮捕はけしからんという意識に基づく行動という気はする」と指摘する。

情報がないまま反対していると思われるのだったら、是非情報を与えて下さい。
私たちが「逮捕・起訴もやむを得ない」と思えるような情報を下さい。私たちは全てのこういった事柄に反発している訳ではないのです。慈恵青戸病院や女子医大の事件に対してはこのような声はほとんど上がっていないはずです。

今回、出来る限りのことをした(と私は思う)産婦人科医が逮捕・起訴されたという認識により、おそらく勤務医の婦人科開業ラッシュが加速し、若手の産婦人科医が他科に転科し、産婦人科に進もうと思っていた多くの研修医が他科に変更することになるでしょう。
病院で働く産婦人科医が一人減る毎に、また分娩取り扱いを中止する病院が増えるでしょう。

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2006年3月10日

起訴になってしまった

連日この話題ばかりで申し訳ありませんが、福島県立病院の産科医逮捕事件、起訴になってしまったようです。拘留期限は明日11日だったはずなのに。

帝王切開手術中に死亡、福島県の産婦人科医を起訴

 福島県大熊町の県立大野病院で2004年12月、帝王切開の手術中に同県内の女性(当時29歳)が出血性ショックで死亡した事故で、福島地検は10日、手術を執刀した産婦人科医師の加藤克彦容疑者(38)を業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の罪で福島地裁に起訴した。

 起訴状によると、加藤容疑者は、事前の検査で胎盤が子宮に癒着し、大量出血する可能性を認識していたにもかかわらず、本来行うべき子宮摘出などを行わず、胎盤を無理にはがして大量出血を引き起こしたとされる。さらに、医師法で定められた24時間以内の警察への届け出をしなかったとされる。

 この事件を巡っては、医師や関係団体が加藤容疑者の逮捕に抗議する動きを見せている。同県内の開業医らで構成する「福島県保険医協会」は3日、「(逃走や証拠隠滅の恐れはなく)逮捕は人権を無視した不当なもの」とする異例の抗議文を県警に送付。日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会なども抗議声明を出している。

 一方、同地検の片岡康夫次席検事は10日、「罪証隠滅の恐れがあり逮捕した。血管が密集しているところを無理にはがした。大量出血は予見できたはずで、予見する義務があった。判断ミスだった」と起訴した理由を説明した。医師法違反罪については「通常の法解釈をした。大量出血しており、異状死にあたる」とした。

この記事に対していちいちツッコミを入れる気にもなりません、というのが正直なところですが・・・。
これを受けて、産婦人科学会と産婦人科医会も声明を発表しました。

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何故?

県立病院医師逮捕/応援の提案応ぜず

2006年03月10日

 県立大野病院で04年12月、帝王切開手術ミスで女性(当時29)を死亡させたとして同病院の産婦人科医、加藤克彦容疑者(38)が業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕された事件で、女性が大量出血した後、院長が加藤容疑者に対し、ほかの医師への応援要請の提案をしたが応じなかったことが、県警の調べでわかった。県警は、加藤容疑者が提案に応じなかったことが、医療過誤が起きた原因の一つとみて調べている。福島地検は拘留満期日の11日までに起訴する方針だ。

 医療関係者が05年3月に公表した事故報告書によると、04年12月17日午後2時過ぎ、手術が始まった際、手術室には加藤容疑者と、外科医1人、麻酔科専門医1人、数人の看護師がいた。その後の県警の調べで、作山洋三院長も、同日午後3時15分に輸血用血液を、いわき市の血液センターに発注した後に、手術室に入ったことも分かった。

 県警は、手術時の様子を捜査するため、複数の病院関係者から事情を聴いてきた。

 県警によると、女性の胎盤をはがし、大量出血が起きた後、手術室に入った作山院長が、加藤容疑者に、ほかの医師に応援を頼むことを提案したという。だが、加藤容疑者が提案に応じず、1人で手術を続けたという。これについて、複数の捜査関係者は「(加藤容疑者が)自分の技術を過信していたことが、医療過誤に影響したのではないか」などと話している。

 関係者の話では、加藤容疑者は手術前、大野病院と以前から連携している民間病院の産婦人科医に、緊急時に応援に来てもらえるように依頼していた。女性やその家族に対しても、この病院名を挙げて、もしもの場合は応援してもらうと説明していた。

 女性は、子宮に胎盤が癒着する「癒着胎盤」の状態だった。癒着胎盤をはがす際には大量出血するおそれがあるが、加藤容疑者は手術前、女性が癒着胎盤かどうかを、強く疑ってはいなかったという。

 県によると、加藤容疑者は、大野病院ではただ1人の産婦人科医だったが、癒着胎盤の手術経験はなかったという。加藤容疑者は弁護士に「あんなに血が出るとは思わなかった」などと説明しているという。

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2006年3月 8日

抗議声明

先日の逮捕事件に対する、医師有志からの抗議声明です。

                      声明

はじめに、お亡くなりになられた方、そしてご遺族の皆様方に深甚なる哀悼の意を捧げます。

平成十八年二月十八日、福島県立大野病院に勤務していた産婦人科医が、帝王切開中の大量出血により患者さんが死亡した件において業務上過失致死罪、および異状死の届出義務違反(医師法違反)で逮捕されました。

逮捕直後から、インターネット上で逮捕拘留という事実に対しての驚きや憤り、今後の診療上の不安など産婦人科に限らず多くの診療科の医師より意見が寄せられ、有志が集まり当グループを発足しました。三月七日時点で四百五十名を超える医師が参加しております。

この件におきましては、一年前に家宅捜索は終わり、主要な関係者の調書作成も終了しております。また福島県は事故調査を行い、報告書が作成されたうえで処分も行われております。さらに加藤医師はその後も大野病院唯一の産婦人科医として献身的に勤務し続けており、『逃亡のおそれ』『証拠隠滅のおそれ』とする福島県警の逮捕・勾留理由は到底我々には理解出来ないものであります。

前置胎盤、ならびに現在の医療水準では事前の診断が困難とされている癒着胎盤が大量出血の背景にあったということに関しまして、医学的な見地からも議論を重ねてまいりましたが、大野病院の置かれた環境、輸血供給の現状での加藤医師の判断は妥当であったと考えられます。
 我々は加藤医師の不当な逮捕に対して抗議致します。

我々は日常の診療において、いかなる状況に於いても最善の医療を提供することを目標としております。病との戦いから助けるべく、持ちうる技術や能力を最大限に駆使して治療を行っております。しかし医学がこの数十年で飛躍的に発達したとはいえ、百%安全と言える薬や百%安全と言える手術はこの世に存在しません。今後いかに医学が発達しようとそれは事実として変わらないでしょう。
 今回の件のように、診療上ある一定の確率で起こり得る不可避なできごとにまで責任を問われ、逮捕、起訴されるようであれば、もはや医師は危険性を伴う手術など積極的な治療を行うことは不可能となり、医療のレベルは低下の一途をたどると思われます。
 地域医療への影響も大きく、既に福島県内において、今回の逮捕を契機に産婦人科医の一部病院への集約が予定されている事実は、報道に於いて既知の通りです。今後、福島県内のみならず、全国的に過疎地域における医療従事者の減少が更に加速し、結果として地域住民に対し多大な影響が及ぶことが懸念されます。

もし、この件が逮捕に相当するのであれば、今後、通常の医療業務を行っている医師の中からも相当数が逮捕されるであろうと予測されます。この状況では日本の医療は崩壊します。
 このような医療の崩壊への流れを食い止めるためにも、今回の件に限らず警察や司法に適切な医学的考察にのっとった判断をしていただくよう要請致します。
加藤医師を支援するグループ

発起人
木田博隆 新村 進 大野明子 金澤信彦 鍋島寛志
淵上泰敬 池澤孝夫 北澤 実 船戸正久 ほか

*3月9日、ウェブ上のものに変更しました。

*3月10日追記 この抗議声明に800名の医師が同意の署名を行っています。募集開始からたった50時間で、それだけの数の署名が集まりました。

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2006年3月 6日

漫画のように上手くいけばいいのにねぇ。

福島県の産婦人科医逮捕事件に関連して、神奈川県産婦人科医会が抗議声明を出しましたね。結構強めの論調ですね。でも、かっこいいです、神奈川県産婦人科医会。思わず神奈川県の病院に転職しようかと思ってしまったくらいです。
しかしあの横浜ですら深刻な産婦人科医不足が問題になっており、神奈川も大変なんですよね。

それはさておき。
最初にこの話を読んだときに「何だこりゃ!」と思ったものの、でもまあ漫画のことに目くじら立ててもね・・・と思っていたものなのですが。ちょっとタイムリーな部分が数カ所あることもあり、また医者の見方と一般の方の見方はかくも違う物なのか・・・という一つの例示として出したいと思います。

さて。「Dr.コトー診療所」にも前置胎盤の話が出てくるのを知っていますか。
10巻の109話。定年を迎える郵便屋さんが主人公のお話です。

Dr.コトー診療所 (1) Dr.コトー診療所 (10)

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2006年3月 5日

支援するグループ

もう周知のこととは思いますが、先日の福島県の事件に関連して、逮捕された産婦人科医を支援する有志医師のグループが出来てます。
Yahooグループ内にあるものなんですけど、医師であることを確認するために、
まずm3.com(So-net の医療専門サイト)に入会して、そこの掲示板で一言書くということになっているようです。
昨日から入り口専用掲示板がm3.comの中に出来て、多少分かりやすくなったようなので、一応案内しておきます。

支援グループは続々と会員が増えていて、関心の高さを感じます。

2006年3月 4日

支える会

先日の産科医逮捕事件に関連して、福島県産婦人科医会に「支える会」が出来たようです。
募金も募集しています。
福島県産婦人科医会のHPをご参照下さい。

2006年3月 2日

県立大野病院産科休診。

 大熊町の県立大野病院の産婦人科医が医療過誤で逮捕された事件を受け、同病院は1日までに、産婦人科を11日から休診とすることを決めた。
 病院によると、先月18日に医師が逮捕されて以降、県立福島医大の複数の医師が1―2日交代の非常勤体制で診療に当たってきたが、医大側から「医師不足のためやりくりができず、これ以上の派遣継続は難しい」との連絡があったという。

関連→S.Y.’s Blog

大野病院にかかる代名詞が「医療ミスの」ってのがまたすごいですが・・・。
地域の方々には申し訳ないですけど、新たに医師を派遣してまた一人医長で診療続行、という話にならなくて良かった、というのが正直な感想です。

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2006年2月20日

県の責任

前置胎盤→帝王切開の後CPで最高裁で負けた件に引き続き、今度は、癒着胎盤→母体死亡で逮捕。
これではまるで、意図的に産婦人科医を減らそうとしている何らかのフォースによる働きなのでは無いかと、ちょっとした被害妄想に陥ってしまっている今日この頃です。
なんかね、変な例えですけど、上野動物園で毒入りジャガイモを与えられている、象のハナコのような。その後飢え死にを計られて、それでも芸をしてしまう私たち・・・みたいな。そんな事を考えるなんて、病んでるなぁ。
「仕事でしょ」「お金貰ってるでしょ」「自分で選んだ道でしょ」というのは、聞き飽きました。そういえば、反抗期の頃に、学校の先生に同じ台詞でたてついたことがあります。その位にしか、思いません。

さて、逮捕の一件に関して、やはり私たち産科医が考えるのは、「一人医長で手術をさせていた県や県立病院に罪は無いのか?」でしょう。
私には幸いにも経験が無いですが、一人医長というのは、相当なストレスだと思うし、同時に危ない状態だと思うんですよ。
関連 女医ななこのひとりごと

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2006年2月18日

もう本当にダメかも・・・。

帝王切開で出血死、福島県立病院の医師逮捕

 福島県警富岡署は18日、同県大熊町、県立大野病院の産婦人科医師XXXX容疑者(38)(大熊町下野上)を業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の疑いで逮捕した。医師が届け出義務違反で逮捕されるのは異例。

 調べによると、XX容疑者は2004年12月17日、同県内の女性(当時29歳)の帝王切開手術を執刀した際、大量出血のある恐れを認識しながら十分な検査などをせず、胎盤を子宮からはがして大量出血で死亡させた疑い。また、医師法で定められた24時間以内の所轄警察署への届け出をしなかった疑い。胎児は無事だった。

 医療ミスは、05年になって発覚。専門医らが調査した結果、県と病院側はミスを認めて遺族に謝罪。XX容疑者は減給1か月の処分となった。
(2006年2月18日14時11分 読売新聞)

関連リンク  S.Y.’s Blog
       ある産婦人科医のひとりごと

以前書いた話の後日談らしいです。
実際の本文には、医師の氏名が明かされているけれど、そのままではちょっと悲しすぎるので伏せ字にしました。

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2006年2月11日

フラッシュ

そんなわけで、「辞めたい」がフラッシュになったようですよ。
http://atto.s2.pf-x.net/cgi-bin/up/img/130.swf
(産婦人科医は)泣けます。

2006年2月 7日

無理。

先日紹介した「辞めたい」が頭にこびりついて離れませーん。そしてため息をつく今日この頃。
しかし朝っぱらから、暗い気持ちを加速するような記事が・・・。

出産で重い障害、徳島県立病院の医療ミス確定…最高裁

 徳島県立中央病院で1992年、妊娠8か月で出産した男児に脳の重い障害が残ったのは医師のミスが原因だとして、大阪府内の両親らが県に約1億5500万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は、県に約1億1200万円の賠償を命じた2審・大阪高裁判決を支持し、上告を退ける決定をした。

 決定は3日付。県側の敗訴が確定した。

 2審判決によると、この男児の母親は92年に同病院で帝王切開を受けたが、男児は出生直後の呼吸不全が原因で脳性まひになった。1審・大阪地裁堺支部は賠償請求を棄却したが、2審は「帝王切開を選択した医師の判断は誤りで、他の選択肢があることも両親に説明していなかった」として、県側逆転敗訴の判決を言い渡していた。

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2006年2月 3日

120人

「ある産婦人科医のひとりごと」によると、2年間の臨床研究の後に産婦人科を選んだ人は、全国で120人程度らしいです。
単純計算すると、1県あたり2人くらい、ということになろうかと思いますが、東京都内の大学で10人以上の入局者が居る大学が3大学あって、京大も10人と書いてあるので、それ以外の所に行く人はトータルでも80人・・・。
少ないですなぁ。

それに対して、辞める人は多数。産婦人科は医者も少子高齢化が深刻化しているので、お年を召されて現役引退される先生がかなりいらっしゃると思われます。
あと産科医の今後を儚んで転科する若者も結構居るし。

あーあ。
2ちゃんに「産科医絶滅史」というスレがあって、その中に「辞めたい」という替え歌を発見。あまりにもリアルすぎて全然笑えなかったです。
ホントに絶滅するかも知れないなぁ。

自分自身、この間もかなり危険な常位胎盤早期剥離があって、プチ鬱ですよ。
しかし、割と大きめの医局に入れて貰ったので、一人医長でお産をするような羽目には余程のことがない限りならないと思う。それだけでもかなりマシ。
だから、都市部に後期研修医が集中してしまう気持ちはとてもよく解ります。

2006年1月20日

女性診療科

産婦人科から女性診療科などへ、名称の代案検討を要請

 総務省は18日、医療機関の診療科名として、「産婦人科」の代わりに「女性診療科」などの使用を認めるよう、厚生労働省に検討を要請した。

 総務省に、「産婦人科などには妊娠や性病のイメージがあり、体調不良の高校生の娘を連れて行くにも心理的な抵抗がある」という相談が来たのがきっかけだ。

昨日からマメにブログを書いているけど、この話には言及していなかったですね。昨日報道された話です。
「女性診療科」か「産婦人科」か・・・ 自分にとってはどっちでも良いです。
患者さんにとって、「産婦人科」だと受診しづらく、「女性診療科」なら受診しやすいのか、というと、それはよく分かりません。

とりあえず、新入医局員がたくさん来そうな名前を採用して下さい。

追記 S.Y.’s Blog さんにトラバ。

2006年1月13日

出産無料化するのかな?

『出産無料化』を検討
少子化対策 猪口担当相が表明

 猪口邦子少子化担当相は十三日午前の記者会見で、入院を含む出産関係費用を国が全額負担する「出産無料化」制度の導入を検討していく考えを明らかにした。若年夫婦らの経済的負担を軽減し、少子化の進展に歯止めをかけるのが狙いだ。

少子化大臣、すごい構想を出しましたね。
出産費って、産む施設によってかなり開きがあると思うのですが、どこで産んでも全額無料ということになると、豪華で美味しい食事を出してくれる完全個室のところで産んだ方がお得ですね。

出産費にたくさん補助が出るのは良いことだと思います。
思うけど・・・ 女性があまり子供を産まないのは、出産費が高いからでは無いような・・・。
どっちかというと、「育て」の部分が大変だから(仕事の両立など)、というのが大きいような印象ですがどうなんでしょう。

2006年1月11日

「求ム ドクタア」その後

北部病院に防衛医官/小池大臣、講演で明言
 小池百合子沖縄担当相は七日、名護市内で講演し、休止中の県立北部病院産婦人科について、「四月から先生を派遣したいと思っている。防衛医官を派遣することで快諾していただいた」と述べ、継続的な医師確保に向けて作業を進める考えを明らかにした。

 派遣規模については、「まず一人を派遣し、その後も途絶えることのないシステムを考えていきたい」と述べた。

 医師確保の話は、県内の行政や医療関係者にとって“寝耳に水”。岸本建男市長は「初めて聞いた。大変うれしい」と驚き、県の知念建次県立病院監は「本当ならうれしい」としつつ、「何も聞いていない」と半信半疑な様子も見せた。

 北部地域で生まれる赤ちゃんは年間約一千人。同科が休止したため、急患は県立中部病院に搬送されるが、搬送中の母子の安全確保が懸念されている。

沖縄県立北部病院の産科休業に対して、昨年10月に小池大臣が「求ム ドクタア 美ら島プロジェクト」とかいう私たちの感情を逆撫でするようなキャンペーンを立ち上げたことが報道されたのはまだ記憶に新しいです。その後どうなったのかな、と思っていたら・・・ どうやらこれがその顛末らしいです。

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2006年1月 2日

良いこともあるよ、産婦人科医。

さてさて新年二日目。今日は朝から病院に回診や処置などの仕事をしに行きました。
そこで会った小児科の女医さん(既婚)との会話・・・。

「(旦那の実家への)新年のご挨拶は行った?」
「行ってない! だってオンコールだもん」
「この仕事(小児科医や産科医)やってると、年末年始働いてると言っても、旦那の親からも理解されやすくて良いですよねー。」
「そうそう、大変ねぇって言われるし。私、盆暮れ正月ぜーんぶ仕事だから! 行けないからって言ってあるから。」

どっちが私でどっちが小児科Drかは、内緒です。
そんなわけで、結婚しても気遣い無い正月を送れる小児科医or産科医と言う仕事は、意外と良いかもしれないですよ。

2005年12月28日

県立八重山病院でも産科廃止のおそれ

きょうで仕事納め。これから年内は逃避します。あ、年明けは正月から働きますのでご心配なく・・・(小心者っぽい言い訳)

さて、S.Y.'s Blogさんで、この記事を知りました。

県立八重山病院の産科、廃止の恐れ 来年6月以降

無事に出産を終え、生まれたばかりの赤ちゃんを抱く女性=22日午後、石垣市の県立八重山病院

 【八重山】石垣市の県立八重山病院産婦人科が来年6月以降、4人から2人態勢となるため、分娩(ぶんべん)の処置が廃止される可能性が高いことが22日までに分かった。八重山では分娩に対応している民間の産婦人科がなく、住民からは「これからどこでお産すればいいのか」と不安の声が上がっている。八重山病院産婦人科には4人の医師が常勤し、うち2人が九州大学からの派遣医で、来年5月で任期が切れる。産婦人科医は全県的、全国的に不足しており、後任者の派遣が見込めない状況だ。
 残る2人の医師は若手で「分娩は危険な状況も多く、ベテランでないと任せられない」(伊江朝次院長)ため、事実上、分娩の処置が廃止される可能性が高い。後任が見つからなければ、業務は成立せず、産科が閉鎖に追い込まれて八重山で出産ができない事態になる。

八重山かぁ、石垣島ですよね、うーん・・・惹かれます。(小さな声で)

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2005年12月 9日

夜間や休日の出産が当番制になったら・・・。

陣痛促進剤:適正使用徹底で国に申し入れへ 被害者の会

 陣痛促進剤の副作用の被害者でつくる「陣痛促進剤による被害を考える会」(出元明美代表、愛媛県今治市)は9日、医師による不適切な使用が続いているなどとして、適正使用の徹底や産科医療体制の見直しを厚生労働省に申し入れる。

 陣痛促進剤による子宮破裂などの被害が相次いだため、旧厚生省は92年10月、初めて医師向けの添付(説明)文書を改訂して注意喚起した。

 しかし、92年10月~今年9月にかけて同会に寄せられた情報をもとにした実態調査では、全国で少なくとも子ども100人、母親27人の計127人が陣痛促進剤の副作用で死亡していた。同会の02年12月までの調査では、死亡は子ども86人、母親22人の計108人で、その後も被害が続いていたことが分かった。

 元看護師の出元代表が被害者や家族から聞き取り、カルテなど関係書類を精査し、促進剤の影響と認めたものを集計したが、把握できていない被害症例も多数あるとみられる。

 出元代表は「正しい使用法の徹底は当然だが、『分娩は救急医療』と位置づけて、夜間や休日の出産は地域で当番制を設けるなど工夫すれば、不要な促進剤使用が減るのではないか」と話している。【宇城昇】

関連するBlog → S.Y.'s Blog

陣痛促進剤というのは、適所で慎重に使えば、かなり良い薬です。最近は不要な促進剤使用というのはだいぶ減っている印象なのですが、実際のところは・・・私にも良くわかりません。
ま、それはまた別の機会にでも語ることとして。

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2005年11月26日

平穏な日々は

この間、手術中に上司と話をしていました。

上司「ちょっと前までは、少子化の影響で産婦人科医が余ると言われていたけど、最近は打って変わって、足りない足りないと言われているねぇ」
私 「そうですね。何せ少子化を上回るスピードで産科の医者が減ってますもんね。」
上司「この様子だったら、何とか一生食べて行けそうだな」
私 「ええ、私も、自分が食いっぱぐれる感じは全くしません。それは全然心配してないんですけど・・・。出来れば、平穏な日々を送りたいなぁと思うんですが」
上司「キミ~、それは無理だよ! 産科続ける限り。」

ががーん。やはり無理ですか。しかも即答で。
でもねぇ、安心して毎日を過ごせるようにならないと、学生さんたちが産婦人科に入ってくれませんよ・・・。きっと。

2005年11月12日

奈良日帰り

またもや学会です。今度は奈良へ行ってきました。
そしてまたもや日帰り強行軍です。ふぅ。

「今ちょうど正倉院展をやっているから見ておいで!」と上司に言われたので、いそいそと出かけてみましたが、正倉院展の入り口はものすごーい長蛇の列。とてもじゃないけど学会のついでにちょっと見てみるのは無理そう、ということで断念。
せっかくだからと大仏様だけ拝んで来ました。
学会はそれなりに・・・。

写真は正倉院展の行列です。

2005年11月10日

おめでとう。

夏からずっと切迫早産で入院していた患者さんが、とうとう満期を迎えられたので、子宮収縮抑制剤の点滴を抜きました。
ほどなく陣痛が発来し(ここで「おお、ホントに切迫だったんだな」とホッとする)、元気な赤ちゃんが産まれました。
おめでとう、今まで本当に本当に頑張ったね。24時間しっぱなしの点滴も安静も、辛かったでしょうに。相当なストレスだったでしょう。
病棟では良くある光景だとはいえ、私たちも心から嬉しいと思える一瞬です。

産科はこういう嬉しいことのある科なのにね。
毎日忙しい上に何かあると責められての繰り返しで、私たちの心もすっかり疲れてしまっている。
でも嬉しいことがあると、明日も頑張ろうと思えるよね。

2005年11月 4日

学会シーズン

秋の学会シーズンです。
私も今月は3つの学会に出席せねばなりません。大学で働いていたときはもっとたくさんの学会に出席したし、更に主催者側になって大変な思いをしたりもしたんですよね・・・ それに比べれば全然楽ですが。

明日は大阪の学会に出席、来週は奈良と埼玉の学会をはしごする予定。
遠くまで交通費をかけて行って、学会費を献上し、お勉強させて頂いて帰ってくる・・・まるで参勤交代を思わせるような行事ですが、目新しい話を聞ける場所でもあるので、ちょっと楽しみです。
ただし宿泊費をかけたくないので、全部日帰り。身体が保つかなぁ。

2005年10月28日

神様お願い。

「ブラックジャックでよろしく」のモデルとして知られる心臓外科医、南淵明宏先生によると、心臓外科医の神様には12人の使徒が居るらしい。そしてこの神様が居なくなったら、それはメスを置くときなんだそうな。

産科の神様も、確かに居るような気がします。
外来で普通に健診に来た妊婦さんのお腹を触ったら・・・
「ん?何か変だぞ?」
とビビッときて、エコーやったりモニターとったりした後に緊急帝王切開になって、九死に一生を得た、というような事が、ごくごく稀にだけど数回ありました。
ま、多くは計測値であったり固さであったり何らかの根拠がありますけど。
でも、その妊婦さんがたまたまその日に健診に来た、ということは神の思し召しなのかも。(よく「赤ちゃんが知らせてくれたんだよ」って言ってますけど)

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2005年10月25日

Dr.コトー募集その2。

小池大臣自ら「Dr.コトー」募集 県と協調 沖縄の医師不足解消へ一役  小池百合子沖縄担当相は二十五日の閣議後会見で、医師不足が深刻化している沖縄の医療事情解消のため、全国に「Dr.コトー」の募集を呼び掛けた。

 小池沖縄相は「沖縄で産婦人科の医師が不足している。特に県立北部病院の産婦人科は四月から休診している。緊急対応できる病院が地域にないため北部に住む妊産婦の皆さんが大きな不安を抱いている」と現状を説明。その上で「全国のお医者さんに、ぜひ沖縄に来てほしいと申し上げたい。県立・公立病院で働くお医者さんを募集している」と訴えた。

 内閣府沖縄担当部局と県は「求ム ドクタア 美ら島プロヂェクト」と題し、特に産婦人科と脳神経外科の医師の確保を目指している。

関連 S.Y.'s Blog

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2005年10月11日

Drコトー募集ですって

急募 Dr.コトーやんばるへ/小池沖縄相「私が広告塔」 産科医不足要請に約束  「私がマスコミの前で『Dr.コトー』募集を呼び掛けます」。医師不足が深刻化している本島北部地域の産婦人科問題に、小池百合子沖縄担当相が一肌脱ぐことになった。

 きっかけは嘉数知賢衆院議員(自民)の六日の要請。嘉数議員は、県立北部病院産婦人科が今年四月から休止になり、その再開・存続を求める北部十二市町村の総決起大会が九月末、名護市で開かれたことなどを報告。窮状を訴え「何かいい知恵は」と相談した。

 そこで飛び出した小池沖縄相のアイデア。「メディアの前で『コトー』を募ったらおもしろいのでは」。自ら広告塔になってマスコミを使って全国に医師募集をPRすることを即決した。

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2005年9月 1日

分娩予定日

産科の外来をやっていて、だいたい一日に一回は聞かれること・・・ そのうちのひとつに、
「で、やはり予定日に産まれますか?」
というのがあります。
こちらが「それは分かりません」と言うと、「え!分からないんですか?」という方も居らっしゃるし、ダンナさんに「どうして毎週通わせて内診してるのに分からないんだ!」とつかみかからんばかりの勢いで怒られたりしたことも(注:いつ産まれるか知るために通ってもらってるんじゃないです・・・)。

そんなことを言われても・・・
やはり残念ながらいつ産まれるかは分からないです。
正直言うと、私だって知りたいです。それが分かれば、病棟のベッドコントロールも楽ちんだし(産科のベッド管理は本当に大変です、予定が立たないから)、「今日は予定日の人が居ないからガンガン飲もう」ということも可能。当直でも安心して眠れたり、また覚悟を決めたりすることが出来るかも知れないです。

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2005年8月26日

うちの教授

久々に 女医ななこのひとりごと さまにトラバさせて頂きます。

「白い巨塔」がテレビで放映されていた頃、医局のラウンジでいろんな先生たちと教授についていろいろ語ったのですが、大きく分けると、「白い巨塔そのまんま派」と「そんな世界無いでしょ派」に完全に二分されていたように思います。
ななこ先生のところの教授は、気さくで親しみやすいもよう。ある意味羨ましいです。何でそんな風に言うかというと、私の所属させて頂いた教室は、まんま「白い巨塔」でした。いや・・・場合によってはそれより上だったかも。
もちろん教授回診はしっかり大名行列でしたよ。プレゼンするときに緊張したことといったら…大学を離れた今でも時々夢に見ます。

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2005年8月14日

ジェネレーションギャップ

我が病院の手術室には、有線放送がひいてありまして、手術中には大抵、何らかの音楽がかかっています。中には、無音を好む先生もいらっしゃって、静けさの中で手術が行われていることもあるそうですが…。

で、帝王切開などで患者さんの意識があるときは、患者さんの好みに合わせるのですが(リラックスして頂く意味もあり)、全身麻酔の時には術者の好みが優先されることが多いです。
この間、若いドクターと手術をしたときに、なんとなく「80年代」のチャンネルにしていると… 自分でも感動するくらいイントロですべての曲が分かるじゃないですか。
「私、すごい!」と思いつつ、助手の若者ドクターを見ると、ガーン。一曲も分からないらしい…
「だって僕、松田聖子もリアルタイムで殆ど知らないですから。」
と言われました。
もうそういう世代が医者なのだなぁ〜。と、ちょっと感慨深くなってしまったりするのでした。

2005年8月 9日

久米島病院、産科医決まったんですね。

産婦人科、来月再開/久米島病院  常勤医不足が問題となっている公立久米島病院(平良健康院長)の産婦人科に、八月一日から常勤医師が赴任し、二〇〇四年四月以来、一年四カ月ぶりに常設科として再開する。これまで県立病院や琉大付属病院、民間病院の医師らが週に一度、日帰りで診察を行うなどの応援体制を取っており、島での出産も行われていなかった。

 医師は、京都府にある病院の元産婦人科部長。一日付で県に採用され、同病院を運営する県離島医療組合(管理者・稲嶺恵一知事)に派遣される。二日に組合副管理者の高里久三町長から辞令交付が行われる。

 同病院は二〇〇〇年四月に開院して以来、産婦人科医の確保に苦慮。久留米大などから医師が派遣されていたが〇四年三月に任期が切れ、一時は産婦人科医不在に陥った。同年六月から県や琉大、県内の民間病院の医師らが、毎週土曜日に診察だけ行っていた。

 同組合は「島で出産もできるようになり、何かあったときにも安心」と胸をなでおろした。

実は秘かに狙っていて(半分くらい本気)、動向を見守っていたんですが、とうとう産婦人科の常勤医師が決まったんですね。
でも一人で分娩も何かあったときの対応もするんですね、それは大変ですね・・・。元産婦人科部長って事は、決してお若くは無いんだろうし。

2005年7月27日

女医指向

最近何だか忙しさがアップしていて、いつも疲れ気味になってしまっており、勢いブログの更新も滞りがちになってしまっています。
というのも、原因の一つとして、先月から私の病院では産婦人科の女性医師は私だけになってしまったことが大きいと思う・・・。それまではパートで外来をやってくれている先生や、大学からの派遣で来てくれる先生にはたまたま女性医師が多かったので、「女医希望」の患者さんが多少なりとも分散していたのですが、今は女医希望の患者さんは私のところに来ざるをえないため、私の外来は常にパンク状態になってしまったりするのです。

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2005年7月 2日

看護学生さんからピュアなココロを分けてもらおう。

現在、病院には看護学校の学生さんたちが実習に来ています。
以前男子学生が増えているというネタを書いたけれど、相変わらず男子率が高まっているような・・・ま、それはいいとして。

彼女らは分娩進行中の妊婦さん(了解を得られた方)に一日ついて、お産の経過や介助を見学したりするのですが。
先日のこと。
無事に赤ちゃんが産まれ、分娩室に赤ちゃんの泣き声が響き渡る瞬間。同時に「えぐっえぐっ」という声が聞こえてきました。
なんだ?と思って見ると、はじめてお産に立ち会った看護学生さんが号泣していたのでした。

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2005年6月22日

ブログで医療を語るのって難しいのだ。

だから私はブログでは殆ど医療を語らないのだ… というのはちょっと卑怯かも知れませんね、すいません。

何でそんな話を突然切り出したかというと。
「産婦人科医の言い分」というブログが更新を止めているらしく、そのコメント欄がちょっとした論争っぽくなっているのですよ。
詳しくは分からないのですけど、産科関連の最近の知見やなんかを取り上げていたブログらしいのですが、あまりの反響の大きさに驚かれ、「ブログで医療を語るのは難しいですね」という結論に達されたようです。

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2005年6月 6日

「決定権認定」という記事

分べん裁判: 患者の決定権認定か、両親に弁論通知 最高裁

 埼玉県所沢市の国立病院で94年、仮死状態で生まれた新生児をめぐり、両親が「申し出に反して出産方法を決めたのは患者の自己決定権侵害」などとして国と担当医に8400万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は上告の申し立てを受理し、先月、関係者に通知した。弁論は7月7日に開かれるが、両親側が逆転敗訴した控訴審判決が見直される可能性が出てきた。医療関係者は「患者と医師の治療法の決定権をめぐる裁判は医療現場への影響が大きい」と注目している。

 上告受理申立理由書などによると、母親は93年に妊娠。逆子と分かったため両親は帝王切開を希望した。病院側に「同意書を書く」など再三申し出たが、担当医は「心配し過ぎ」などと取り合わず、翌94年5月、両親の申し出に反して自然分べんさせた。新生児(約3800グラム)は仮死状態で生まれ、4時間後に死亡した。

 さいたま地裁川越支部の1審判決(01年)は医療ミスについては訴えを退けたが、医師が自然分べんを採用した点は「医師が患者に対し優位的立場にある」との背景から自己決定権侵害を認め、国などに慰謝料約300万円の支払いを命じた。

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2005年5月24日

臨床研修医の先生もあと少し。

今日は、大学からの派遣で来てくれていた先生と、臨床研修医の先生のお別れ会でした。
研修医の先生も、あと一週間で次の科に行くことになります。もう自分でお産の縫合は出来るし手術の助手も出来るし、その他のことはもう少しだけど、結構いろいろ出来るようになったのではないでしょうか。子宮外妊娠が無かったのが残念だな(他科に進まれる先生に知って欲しい疾患だからね)。

彼らはスーパーローテート元年ということで、すべてが手探り状態であったでしょうし、まぁこちらも手探りに近かったので、いろいろ大変だったと思います。
でもね。掲示板「研修医の広場」で最悪な制度と言っている方もいらっしゃいますが、有る程度は本人のやる気次第と思います。環境もあるとは思いますけどね。
忙しいと「安い給料でこき使われた」、暇だと「お客様状態でやり甲斐がない」って、言うのは簡単なことですけど。

2005年5月11日

いつもお待たせして申し訳ないとは思ってるんですよ。

今日の外来はちょっと大変でした。
自慢するわけではなくむしろ懺悔ですけど、今日のわたくし外来の待ち時間は、初診の方で4時間(もっとかも)、予約の方でも3時間くらい…。本当にみなさん良く待っていてくださったと思います。おそらく自分だったら怒って文句つけて帰って、帰ってからしかるべき所に投書したのではないかと。本当に今のところ一件もクレームの連絡がないのが不思議としか言いようが無いです。

言い訳をすると、GW明けでただでさえ混雑しがちなところに、陣痛の方が何人もみえ(さすがに陣痛の人は何時間も待たせる訳にはいかないので)、さらに救急車も来たというのがありますが。そんなことは待っている人にとっては関係のないことです。

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2005年5月 2日

臨床研修医がやってきて一ヶ月。

臨床研修医(2年目)の先生がうちの病院にやってきて、一ヶ月が過ぎました。
最初は「産婦人科に入るわけでもない人に、どの位のことを教えれば良いのだろうか・・・」と思った部分も正直ありましたけど、こちらに来た研修医くんはとてもやる気があり、お産がありそうだと残っていたり、休みの日でも緊急の時は来てくれたり、と頑張っているので、こちらも頑張って教えた結果、結構いろいろ出来るようになってくれました。

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2005年4月19日

またまた産科医不足問題

もう新聞で「産科医不足」の文字をみつけても、驚かなくなりました。あまりに日常的な話題すぎて、ブログで取り上げる気もしなくなりました。

が、この話題に関しては、ちと思うところあったので触れさせて頂きます。

隠岐病院産婦人科医不足問題: 派遣、来月以降も継続 最悪の事態回避へ--県 /島根

 ◇医師と交渉中

 隠岐病院(隠岐の島町、笠木重人院長)に県から派遣されているただ一人の産婦人科医の期限が4月末で切れる問題で、県は18日、派遣を5月以降も継続すると発表した。現在、相手と交渉中といい、隠岐が「産婦人科医の空白地帯」という最悪の事態は当面の間避けられることになった。
<中略>
 同病院では年間140~150例の分べんを行い、5月以降に出産を予定している妊婦も約15人いるという。産婦人科医が隠岐から消えることで「このまま子どもを産めなくなるのではないか」との不安の声が島内に高まっていた。

 県はこれまで十数人の産婦人科医と交渉。18日会見した正林督章・県健康福祉部長は「厳しい労働環境だが、離島医療に対して理解と情熱を持った人が現れてくれた」と話した。【酒造唯】

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2005年4月 5日

病院では胎盤は食べませんよ☆

秘かにのぞき見している小鳥さんのブログに、こんな記事が・・・

胎盤を食べる人

あのー、ほとんどの病院や産科医院では、お産の後に胎盤を食べさせたりはしないですよ。

ただし、助産院や自宅で出産する人にとっては、確かに「胎盤食べ」はポピュラーな行為ですね・・・ 私は食べたことはありせんが、どうやら聞きかじった情報によると
1.産婦のみならず、家族みんな(夫や子供たちと)で食すことも多いらしい。
2.どうやら刺身醤油が合うらしい。
3.味はレバーよりもマグロに似ているらしい。(ホントか知りませんよ、私は食べたことが無いから)

※追加情報があったら教えて下さい。

しかし、あまりにも普通ってことは無い、ですよね、たぶん。

臨床研修医がやってきた

4月になり、うちの病院にも臨床研修医という人がやってきました。
今、産婦人科をまわってくれています。

何故か彼が来てから、まだ普通のお産が日中にありません・・・ このままでは産婦人科の幸せなところが見せられないではないですか。困ったな。その代わりに、危機一髪の緊急帝切があったりして、きっと彼は
「やっぱ産科は、やばいな!」
と思っているに違いない。

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2005年4月 1日

4月1日から変わること

エイプリルフールではありますが、真面目なネタをもうひとつ。

4月1日から個人情報保護法が施行と言うことで、今日から、病気の告知はまず本人に行い、さらに本人以外(家族含む)に話すときには本人の許可を得なければならないようになりました。
今までは癌の告知などは、進行状態によっては家族にのみお話したり、先に家族にお話ししたりすることが多かったですけど、今度からはそういうのは違法なんだそうな。

あと、明日くらいから、「妊娠中毒症」が変わります。というか、妊娠中毒症という病名が無くなります。

どうしても医師の方に同情してしまう。

大野病院医療ミス:無理な処置で大量出血、医師不足も死亡原因に--県事故調 /福島

 大熊町下野上の県立大野病院(作山洋三院長)で帝王切開の手術中に妊婦が亡くなった医療ミスで、県の事故調査委員会(委員長、宗像正寛・県立三春病院診療部長)は30日の会見で、無理な処置が大量出血を招き、医師不足も死亡の原因になったと結論づけた。【岩佐淳士】
 ◇県「誠意持ち遺族に対応」
 調査報告によると、妊婦は胎盤が子宮内部の筋肉にくっつく癒着胎盤の状態だったため、執刀医は胎盤を子宮から手ではがし切れず、手術用のはさみではがした。
 その間に約5000ミリリットルの出血があり、止血や輸血をしたが間に合わず、心室性不整脈を起こして死亡した。出血は無理に胎盤をはがしたためで、すぐに子宮摘出すべきだったという。さらに、医師不足で、医師の応援や輸血体制が十分でなかったことも要因とした。
 宗像委員長によると、癒着胎盤は2000~4000人に1例程度。はさみで胎盤をはがす方法は通常あり得ないといい、「胎盤の剥離(はくり)が難しい時点でやめていれば助かる可能性は高かった」と指摘している。
 手術は執刀医(産婦人科専門医)と助手(外科医)、麻酔医(麻酔科専門医)と看護師数人で行われた。執刀医は、30代の男性で産婦人科の専門医として、9年目。
 記者会見で県病院局の秋山時夫局長は「今後事故防止に努め、遺族に対して誠意を持って対応したい」と述べ、作山院長とともに頭を下げた。

いろいろな意味で身につまされるニュースがありました。
殆どの人が、これを読んで、「医療ミスで死ぬなんてひどい話だ」と思われるのでしょうね。でも私はどうしても、処置を行った産科医に同情してしまいます。

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2005年3月26日

どの順番で着る?

女医ななこのひとりごと 「手術着はどこから着るか・・・」にトラバ。

なんとなくエッチっぽいお題ですね。と、「お風呂ではどこから洗う?」みたいなものと関連づけて考えてしまう私ですが。

上→下→靴下 という意見が多いようですが、私は、
「上→下→靴下ぬいで素足になって終わり。」です。あ、その後に帽子・マスク。

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2005年3月17日

そんなに緊張しなくても。

医者の前に出ると、ものすごーく緊張する人って居ますよね。
妊婦検診では血圧を測るので、病院で測るときだけ高血圧になる人(白衣高血圧と呼ぶ)も結構みられます。

先日手術した患者さんが、まさにそれで。
妊婦さんではなく、婦人科の病気で手術したんですけど、入院中、病室に行くと、私の声が聞こえただけで、ベッドの端の方に正座して待っててくれちゃうし、手術について説明しようとしても、旦那さんと二人して「いえいえもう治療のことはすべてお任せしますから・・・」と。
やや高齢の方にその傾向が強いと思うけど、その人は若い方でした。

そんなに緊張しなくても良いのに、と思うのですがね。
まだ「お医者様神話」(私はお医者様と呼ばれるのが大嫌い)が生きてるのかなぁ。

そうかと思うと、妙に友達っぽい方もいらっしゃいますけど。

2005年2月28日

産婦人科医を増やすには

先ほどナニゲにGoogle検索などしていたら、「いやしのつえ」様で、うちのブログをちょっと取り上げて頂いていてびっくりしました(→こちら)。

で、これを機に、世の中的な問題でもある産婦人科医不足問題についてまたちょっと触れてみます。

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2005年2月24日

夜の仕事

現在、午前3時半過ぎ。
なんでこんな時間にブログを書いているかというと、さっきまで緊急手術をしていたからです。
昨日は外来も大混雑で(しかも内容が超濃かった・・・ここではとても語れませんが)、とーっても疲れているところに手術までしちゃったので、本当は明日(もう数時間後)のために少しでも体を休めなくてはいけないんだけど、なんだかまだ興奮がおさまらずウダウダしてしまっています。
最近、めっきり夜間に起こされた後の寝付きが悪くなってしまい、それが悩みの種だったりします。なんか良い方法無いかなぁ。以前は、夜中に仕事してもその後スパっと寝れたんですけどね。

2005年2月19日

学会準備

今日の学会で後輩チャンが発表するため、昨日は深夜までスライド作りをしておりました。

スライド作り・・・それは学会発表のメイン作業。
慣れてくるとかなりのスピードで出来るのですが、慣れないと恐ろしく時間がかかるものです。

以前はたいていフィルムに現像しなければならなかったので、カメラ屋さんに出す時間を逆算して学会2日前にはスライド作成作業が終わっていたのですが、最近はメディア持ち込みで良くなったので、直前までスライド直し作業が続くのです。
うー、何とか完成(まだ直したいところたくさんあるけど)。

てなわけで、これから学会へ行ってきます。

2005年2月18日

産婦人科閉鎖のつづき。

昨日のブログで、全国で産婦人科が減っている話を書きましたが、その後、m3.comを見ていたらいろんな記事が載ってました。引用が続きますがご容赦下さい。

「どこで産めば...」 地域の中核病院を直撃 {2} 記事:共同通信社 提供:共同通信社

【2005年2月17日】

 産婦人科医不足の影響を最も受けているのが、ぎりぎりの人員で24時間、異常分娩(ぶんべん)に対応できる体制を整えてきた地域の中核病院だ。業務休止・縮小の病院がある自治体には、妊婦から「赤ちゃんをどこで産めばいいの」と問い合わせも多いという。

 沖縄県北部の地域医療の中核を担ってきた同県立北部病院(名護市)は、産婦人科存続の危機に陥っている。2003年のお産は約250人。半数が帝王切開などを必要とする異常分娩だった。3人の医師のうち1人が開業のため退職、大学病院に補充を要請したが断られた。3月末に休止予定で、2時間かけて隣接地域に搬送する患者が出かねないなど、深刻な影響が予想されるという。

 同県の宮古島、石垣島の県立病院でも大学から派遣中止の打診を受けており、同県病院管理局管理課の宮田浩勝(みやた・ひろかつ)係長は「地方行政で対応できる限界を超えている。国が対応策を打ち出してほしい」と訴える。


沖縄、宮古、石垣かぁ。
行きたい人は結構いそうですけどねぇ。何を隠そう私たち、「宮古や石垣に大学の関連病院があると良いのにねぇ」とよく話していました(呑気すぎる)。

さらに。

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2005年2月16日

全国で産婦人科閉鎖・・・

産婦人科医: 117施設でゼロ 大学に派遣依頼の病院

 大学病院の産婦人科に医師の派遣を依頼している全国1096病院のうち、大学が派遣を取りやめ、産婦人科医が全くいなくなった病院が全体の11%、117施設に上ることが16日、日本産科婦人科学会(日産婦、会長・藤井信吾京都大教授)の調べで分かった。勤務の厳しさから産婦人科医を敬遠する傾向がある中、臨床研修制度の必修化が一層の医師不足を招いたとみられる。

前にも何度か書いた覚えがありますが、産科医が減ってるようです。
実際の人数は居ても、高齢化が進んでおり、分娩などの実戦力が、えーと・・・。
まぁいろいろ理由はあるでしょうけど、最近になって大きいのは、やはり臨床研修医制度によって卒後すぐの若者が居なくなってしまったことでしょう。

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2005年2月12日

労働の3連休

今回の3連休は、ひたすら仕事になってしまいました。
今日も朝から夕方まで病院でお留守番。明日もひたすら病院でお留守番。

インフルエンザが猛威をふるっているらしく、救急外来は大混雑してます。
皆様もインフルエンザにご注意下さいませ☆

2005年1月 3日

今年はじめの当直

今日は日直+当直ということで、朝から出勤しています。
暇を見つけては医局でパソコンいじってると、次々と各科のDrがいらっしゃる・・・みなさまご苦労様です。

去年の初帝王切開は1月3日でした。
今年は幸いにも今のところ落ち着いており、帝王切開になりそうな方もいらっしゃいませんが(もちろんお産はあるし、救外もあるけどね)、このまま明日まで平和なまま乗り切りたいです。

2004年12月24日

聖夜ですね。

クリスマスイブですが、先日も書いたように当直です。

そして、お産ラッシュです。今日、朝病院に行ったら陣痛室に7人も居ました。
7人ってあんた・・・ ちなみに当院の陣痛室のベッドは3つ。どうせえっちゅうんじゃ。かわいそうに陣痛で苦しんでいるのに普通のベッド。私がその患者さんだったら、怒ってブログに書くかも。以前も書いたけど、ホントに少子化なんですよね?
で、日中に産まれた方や帝王切開になった方もいらっしゃいましたが、まだ進行中の方々がたっぷりです。

それで思ったのですが、「クリスマスイブうまれ」って子供にとってはどうなんでしょうね。
私自身は12月14日産まれですけど、どうやら予定日が24日らしく、小学生くらいの頃には
「私、クリスマスイブに産まれる予定だったんだよー」
とか自慢していたような気がします。
今にして思えば、どの辺が自慢として成立していたかは不明です・・・

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2004年11月24日

医賠責の更新

年に一回の、医賠責の更新の季節がやってきました。
医賠責=医師賠償責任保険
つまり、「やっちまった」という時に、私たちに変わって被害者の方にお金を払ってくれたりする保険でございます。

思えば医者になってすぐの5月に、研修医担当の先生に「なるべく早く保険に入りなさい」といわれ、6月くらいにはもう入っていたような気がします。
それから代理店を乗り換え、さらに限度額をアップしたりして、何だかんだで年間5万円強払ってます(もちろん自腹)。

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2004年10月24日

広島。

学会のため、広島に行きました。

会場は平和記念公園の中の会議場でした。合間に資料館に入り、原爆のことを考えたりしました。目の前にいた小学生が涙を拭いているのを見て、ちょっと感動したり。

昼には「お好み村」でお好み焼きを食し(安い!)、夜は瀬戸内の幸を食べさせてくれるお店へ。美味美味。
広島に来たら、「カキ!」なのでしょうが、私はカキを食べられないのです…あたるので。残念。

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2004年10月22日

今週のHanako 〜女性外来

今週発売の「Hanako」の特集は、「病院が変わった!病気が変わった!」というものでした。
特に大見出しで「カラダが変!? と思ったら、 いま、「女性専用外来」が信頼できる  頑張る女性たちの体と心を女医さんが癒やしてくれます。」と。

女性外来・・・ 日本国内では千葉県で発祥し、その後急速に全国各地に広まった外来です。本来の意味は「女性特有の症状に対応する」もののはずですが、日本では殆ど「女性医師や女性スタッフによる女性のためのどんと来い外来」となっているようです。

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2004年9月16日

「お産を診たくない」という気持ち

今日も当直です。
日中手術がたくさんあって疲れたけど、そして明日も盛りだくさんだけど頑張るぞ・・・なにせ来週夏休みなので!

さて、ちょっと遅れた話題で申し訳ありませんが、先週 9月7日の記事でこういうのがありました。

Yahoo!ニュース - 社会 - 共同通信

産科医27%お産診たくない 不規則勤務、訴訟多いと

 全国の若手産婦人科医師を対象とした厚生労働省研究班の調査で、産科診療をしたくないと感じている医師が27%に上ることが6日、分かった。不規則な勤務や医療訴訟が多いことを理由に挙げており「産科離れ」の深刻さを裏付けた。
 診療ストレスについて尋ねた中で「ストレスはあるが、興味がある」と答えた医師が66%で最多だったものの、「できれば産科診療をしたくない」が18%、「診療科の変更を考える程のストレス」も9%に上り、合わせて27%が産科診療はしたくないと回答した。

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2004年9月11日

当直が増えて(涙)

最近、人材不足により当直が増えてしまい、ツライ日々を送っています。
昨夕も当直でした。ちなみに今は日直。今は落ち着いてるんでblogとかネットしまくり、そう言うときは良いんですけどね。

昨夜は午前2時、4時、6時にお産があったのですが、その間の仮眠中も、なーんかひたすらお産をとる夢を見ていたような気が・・・夢の中で「しっかり深呼吸して、いきんで!」とか叫んだりして。あと救急外来で診察している夢とか。
夢と現実がすっかり曖昧で、一体どのくらい働いてどのくらい休んだのか分からないのですが、休んだ気が全くしないのは確かです。
やはり布団に入る前に医療マンガ読んだのがいけなかったのか。

2004年8月27日

やっと今週が終わった…

先週、今週と夏休み期間のため超人手不足で、かなり大変でした。
特に水曜日はいつものように外来をやっていたら、朝一番からすぐに緊急カイザーしなくちゃいけない人は来るし、さらにその日のうちに手術しなくちゃ行けない子宮外妊娠の人は来るし、さらに(書けない、ちょっと切なすぎて…)…、と、もう途中で「無理!!」と叫んでしまいそうになるほど大変でした。
来週はもうちょっとマシだと良いんですけどねぇ。さすがに転職を考えちゃいますよ。
ともかく早く自分の夏休みが来ないかなぁ(9月下旬)。

2004年8月14日

当直でした。

ゆうべは当直でした。
オリンピック開会式で眠れぬ夜を過ごした方も多いと思われますが、私は度重なるお産や入院や救急で全く眠れませんでした・・・。妊娠中毒症の人が重症化したりしたし。もういい加減トシなので、こんな夜を過ごすのはやめにしたいです(産婦人科やめないと、当直から逃れられる日は来ないんですけどね)。

朝になって、「土曜日だから帰れる・・・」と思ったのも束の間、担当の患者さんが陣発(陣痛発来の略)で入院。あー、まだまだ帰れないよぉ。

2004年7月31日

職場滞在29時間目

昨日は当直だったので、昨日の朝からずーっと職場にいることになります。特に珍しいことではないのですが、いつも以上に気だるく感じる今日この頃。外がしっかり夏なのに、自分は冷房ガンガンの場所に軟禁されているからでしょうか・・・。
つーか、ゆうべは3時に来た人が4時にお産し、5時に来た人が6時にお産しました。めちゃ安産なのは良いことですが、ものすごい勢いで分娩進行したため疲れました。

ああ、なんだ寝不足なのか。

2004年7月27日

つわりと性別

昨日のことです。妊婦検診に来た妊婦さんが言いました。
「とってもとっても、つわりがひどいんです。つわりがひどいと女の子だっていうけど、本当にそうなんですか?」
恥ずかしながらこの話は初めて聞いたのですが、「またいつもの俗説だろう」と思ってました。しかし立派に1999年にLancet(大変有名な医学系学術誌)に載った話だったのですね!

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2004年7月 1日

しまった。来週学会だった

すっかり忘れていたのですが、来週末に学会があり、そこで発表しなければならないのでした。やばいやばい。全然準備してませんでした。
場所は北関東のU市。宿もまだとっていないので、それも手配しなければいけません。

さて。私たちの学会発表の準備は、スライド作りに始まりスライド作りに終わると言っても過言ではありません。
だいたい10枚くらいのスライドをパワーポイントで作成し、それを写真屋に出してスライドにするのです。パワーポイントで作成したファイルをそのままプロジェクターで映せばいいのに、わざわざフィルムに落とすのです。だから直前になって間違いに気づいたりすると大変だし、お金も時間もかかります。

何とかならんのかねぇ、これ・・・
最近は直接映写する学会も増えてきてはいますがね。特に婦人科系は非常に遅れている気がします。

2004年6月16日

お願い、マスクを外さないで〜

季節の変わり目となり、風邪ひきさんがそこここに見受けられますね。
産婦人科にも風邪の人は来ます。主に妊婦さんですが。風邪をひいて他の科にかかっても、「妊娠中だから何も出来ないよ」とか言われて来ることが多いです。
彼女たち(風邪ひき妊婦さん)の多くが、マスクをして病院に来ます。待合室でも大人しくマスクしたま待っていてくれています。
なのに。

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2004年6月 1日

男性看護学生

ウチの病院はそんなに大きくは無いんですけど、それでも近くの看護学校から実習生が来ています。ちなみに看護学校では産科のことは「母性」というらしいです。何でかは知りませんが。

で、最近すごく思うのは、「ずいぶん男子学生が増えたなぁ~」ということ。1グループ(10人くらい?)に大抵2人は居る。以前は男子学生というのは非常に珍しく、たまにしか見かけないものだったのですが。全国的にも増加傾向に有るようですね。

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2004年5月28日

緊急カイザー

産婦人科に入るときに、すごく憧れていたことがあります。それは緊急カイザー(緊急帝王切開のこと)。なんか、「救命病棟24時」みたいな番組で、「赤ちゃんの命が危ない!緊急オペだ!!」みたいなのがよくあるでしょう? もうアドレナリン出まくりで、とにかくやるぞー!みたいな。ドラマやなんかの中でも、すごく緊迫感があって盛り上がるシーンですよね。
産婦人科医になってからは、すぐに憧れはただの現実に変わってしまいましたが。

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2004年5月24日

当直の夜

今日は当直です。当直だと、朝、出勤してから翌日の夕方まで、ひたすら働くことになります。何にも無ければ夜の間寝ていれば良いだけなので、そういうのは「寝当直」と呼ばれ大変人気があるのですが、残念ながらうちの病院ではあり得ません・・・

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2004年4月23日

季節はずれのインフルエンザ

 妊娠13週の妊婦さんが39度の熱が出てツライ、とのことなので、入院して頂いて検査したところ、何とインフルエンザ陽性が出ました。冬場だったら良くあることなのですが、もう初夏とも言えるような季節なのに・・・。
 一応、インフルエンザ情報をネットで調べてみたけれど、やはり今はほとんど見られないみたい。
 とはいえ、暖かい時期にインフルエンザにかかると大変ですよね。まだまだ油断しないで、予防せねば。

2004年3月31日

荒れてる・・・

 3月も末となり、妊婦さん達が散歩をやめて家でおとなしくする季節に
なりました。そう、今陣痛が来ると、早生まれになってしまうので、4月2日
までじっと動かずに陣痛が来ないようにする人が多いのです。

 しかし皮肉にも、昨日の大雨の影響も合ってか病棟は大荒れ・・・昨日は
お産5件くらいと、緊急帝王切開と母体搬送があって、ハッキリ言って
死にそうでした。死にそうって言うのは私たちが。忙しくて、スリリング
すぎて。

 こんなスリリングな仕事は誰でもイヤらしく、産婦人科の医師不足が深刻化
してきているようですねぇ。特に地方では深刻だとか。ウチの病院もせめて
もう1人人員を増やして欲しい・・・(若くて使える人希望)